Stella オリジナルCADデータ比較測長アナライズシステム STシリーズ -統計的プロセス管理(歩留まり向上・特殊品製造)支援システム-
AI機能搭載AOI装置
ステラ・コーポレーションは、AI(Artificial Intelligence)機能を搭載した外観自動検査(AOI)装置を開発することに成功しました。AIによって欠陥判定結果を自動的に学習し、時間の経過とともに検査精度をより高める仕組みで、まずはスクリーンマスク用AOI装置に搭載します。
STシリーズをスクリーンマスクの測長用途に用いる場合、さらなる特徴が生まれます。それは、独自開発した画像処理技術によってスクリーンマスク上のメッシュパターンを消し、乳剤パターンの輪郭を正確に検出できることです。
周知のように、ステンレスなどのメッシュパターンと乳剤パターンが混在するスクリーンマスクを画像処理する際は輝度による2値化処理が一般的ですが、この場合、写真1のように乳剤パターン内のメッシュが残ってしまい、乳剤パターンを正確に測定することが困難です。
これに対し、ステラでは色相による2値化処理など20種類以上におよぶ画像フィルタリング処理プログラムを開発。メッシュパターンを消し、乳剤パターンだけを浮かび上がらせることに成功しました。
具体的な手順は、まずCCDカメラで元パターンを撮像します(写真2)。続いて、上記の各種フィルタリング処理を設定します(写真3)。この結果、スクリーンマスクの紗が消え、乳剤パターンだけがモニター上に映し出されます(写真4)。
ここで検出した乳剤パターンの輪郭を元パターンに重ね合わせることによりエッジが正確に検出できるようになります(写真5)。この後、設定した測定ポイントを自動で測長する仕組みです。この結果、従来の輝度による2値化処理に比べ測定精度が大幅に向上しました。
写真5 抽出した輪郭を重ね合わせた元データ画像
外観検査(AOI)機能 STシリーズは、新たに外観検査機能を搭載することに成功しました。元の設計データと実際のパターンを重ね合わせてパソコンモニター上に表示することができ、パーティクルや欠陥などをモニタリングしてみつけることができます。モニター上でCADデータと重ね合わせるため、検査員も感覚的に検査判定の有無が可能になります。このため、検査に慣れていない作業者にも容易に取り扱うことができます。また、PCBだけでなく、フォトマスクなどの検査にも有効です。
電極などのパターン以外にも、Crベタ膜などのピンホール欠陥も検出可能です。このため、マスクブランクスなどの検査にも適しています。
▲パターン画像例 ※赤の部分が倍率×1、ブルーの部分が倍率×2、橙色の部分が倍率×3、黄色の部分が倍率×3で画像表示する。つまり、検査箇所によって倍率を自在に設定することができ、検査画像も倍率を明示した状態で記録できる。このため、自動検査の高速化にも有効。
▲CADデータを重ね合わせた際の画像例(緑色の部分がCADデータ、その下が実際のパターン)
自動検査にも対応 さらに、ステラ独自アルゴリズムによって検査を自動化することにも成功しました。写真のように、検査対象エリアによって画像表示倍率を変えることができます。このため、パターンが疎なエリアは低倍率、密なエリアは高倍率で検査することができます。 もちろん、欠陥判定のスレッショルドは任意に設定できます。また、倍率が異なる画像も連続的に表示することができます。
新たに開発した外観自動検査対応装置は500万画素のエリアCCDカメラに加え、7400画素のラインスキャンCCDカメラを搭載。エリアCCDカメラはパターンの寸法測定(測長)と外観検査後のレビューに、ラインスキャンCCDカメラはAOIに用います。パターンのオープン・ショート欠陥、ピンホール欠陥、突起欠陥などが自動で検出可能で、ラインCCDカメラをスキャンした直後に高速画像処理を行うことによりリアルタイムに近い高速画像変換処理を実現しました。また、検査アリゴリズムにDRC(Design Rule Check)法、CADデータ直接比較法など複数のメソッドを用いることにより検査時間を短縮しました。
具体的には5インチ基板の場合、分解能2μmで90秒、分解能1μmで5分、分解能0.5μmで30分に検査時間を高速化。これは従来に比べ1/5程度に当たります。その一方、最小分解能は0.1μmで、サブミクロンクラスの微細欠陥も検出できます。また、ニーズ次第ではレーザーリペアヘッドも搭載でき、この場合、測長、AOI、レビュー、リペアという1台4役のマルチファンクションマシンになります。
用途は各種フォトマスクやファインピッチPCBなどを想定しており、2010年秋に1号機(ST-200)を出荷しました。もちろん、ST-100(100×100o基板対応)、ST-600(610×610o基板対応)、ST-750(750×750o基板対応)、ST-800(810×810o基板対応)もブラッシュアップ可能です。
また、近年は検査解像度の向上に注力しており、現状の最小線幅1μm対応から0.5μm対応へブラッシュアップスするシステムを開発中です。
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