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CEATEC JAPAN 2017(10月3〜6日) |
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10月3〜6日、幕張メッセで開かれた「CEATEC JAPAN 2017」。ここでは、ディスプレイ関連の話題をピックアップする。 年々、CEATECで存在感が低下するディスプレイモジュールでは、シャープがIGZO-TFT-LCDで孤軍奮闘した。まずは8Kディスプレイで、What's NEWとして27型HDR(High-dynamic- range rendering)対応モニターを展示した。画素サイズは78×78μmで、解像度は326ppiに達する。計200エリアに分割しそれぞれでバックライト光の強度を映像信号に合わせてコントロールするエリアコントロール技術により、HDRに対応するハイコントラストを実現した。輝度も1000cd/m2以上とハイスペックを確保。もちろん、このサイズで8Kだけに画素は肉眼ではまったく認識できず、「人の目の限界を超えるリアリティ」というキャッチフレーズもあながち大げさには感じなかった。今回は参考出展だが、ハイレゾリューションが求められる医療用や美術鑑賞用モニターとして製品化する方向だという。
もうひとつの目玉は、自動車のインパネ用FFD(Free Form Display)。4K1K(3840×1080画素)の20型IGZO-TFT-LCDパネルを2枚パラレルに接続した異形状薄型ディスプレイで、トータル解像度は197ppiに相当する。最大の特徴はほぼフレームレスといっていい狭額縁で、ゲートドライバ回路をピクセル内にビルトインすることによりフレームレス化した。もちろん、IGZO-TFTアレイプロセスの工程数は増えることなく、IGZO-TFTと同時にゲートドライバ回路を作製することができる。懸念される開口率も数%低下するだけだという。なお、データドライバ回路は通常パネルと同様、パネルの背面にドライバICチップを実装した。すでに自動車メーカーへの量産採用が決まっており、年内にもマーケットに出現する見通しだ。 量子ドットによってTFT-LCDの色再現性を劇的に拡大
ディスプレイ用マテリアルでは、日本電気硝子が関連会社の「NSマテリアルズ」の量子ドット(QD:Quantum Dot)シートを紹介した。粒子サイズによって励起発光色が異なるQDをシート状に敷き詰めたもので、LCDバックライトユニットのコンポーネントとして青色LEDの上に配置する。LEDからの青色光はQDによって一部が緑色光と赤色光が変換されてRGB3波長をカバーするハイピュリティ光が得られる。もちろん、色は粒子サイズとその混合比率によって自在に調整できる。 その効果は絶大で、コンベンショナルな白色LED+YAG蛍光体は4K/8K解像度の超高精細画質テレビが満たすべき仕様の国際規格であるBT2020のカバー率が66.6%であるのに対し、92.5%とハイスペックをマーク。ブースでは写真3、4のようにRGB3原色の色見本、そしてこれらのバックライトユニットを用いたTFT-LCDモニターを比較展示。QDシートを用いれば、色再現性が劇的に向上しコントラストも改善できることを示した。まだ試作・評価の段階だが、最大70型クラスまで対応できるなど4K/8Kディスプレイに最適なことをアピールしていた。 九州大学発ベンチャーが第4世代有機EL材料をPR 有機EL用インフラでは、九州大学発のベンチャー企業「Kyulux」が新たな高効率&高色純度発光材料を紹介した。
同大学 安達千波矢教授の研究グループが開発したTADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence:熱活性化遅延蛍光)材料をさらに効果的に用いた提案で、TADFをホストに、コンベンショナルな蛍光材料をドーパントに用いる。つまり、TADFで励起子を発生させ、その励起エネルギーを蛍光ドーパントに移動させて発光させる仕組み。同社では通常の蛍光デバイスを第1世代、燐光デバイスを第2世代、TADFオンリーデバイスを第3世代、そして今回のHyperfluorescenceを第4世代と命名。発光効率は燐光デバイスやTADFデバイス並み、発色(色純度)は蛍光デバイス並みを実現しながら、製造コストを第1世代の蛍光デバイス並みにリダクションできるという。 すでに開発済みの緑色ではTADFデバイスが半値幅89nmであるのに対し、32nmとシャープなスペクトルを実現。赤色も90nmから43nmと劇的に半値幅を狭くすることに成功した。もちろん、TADFを用いているため、量子効率はほぼ100%である。ブースでは緑色モノカラーパネルとオレンジ&イエローのエリアカラーパネルを展示。すでに量産採用も見据えていることを示していた。 |
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