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第26回ファインテックジャパン/第7回高機能フィルム展/第5回高機能プラスチック展(4月6〜8日) |
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4月6〜8日、東京ビッグサイトで開かれた「第26回ファインテックジャパン/第7回高機能フィルム展/第5回高機能プラスチック展」。次世代技術を先取りするエキジビションという意味での注目はやはりフレキシブルデバイス&ウェアラブルデバイス向けインフラで、FPCやタッチパネル向けの新材料が存在感を放っていたように感じた。おもなトピックスをレポートする。 Agナノワイヤー透明導電インクが存在感
ここにきて採用気運が高まっているフレキシブルデバイス用透明電極では、長瀬産業が米C3NanoのAgナノワイヤー透明導電インク「アクティブグリッド」をアピールした。径37nmのAgナノワイヤーを主成分にしたインクで、スピンコート法やスロットダイコート法など一般的なコーティング方法で塗布することができる。塗布後の焼成温度は150〜170℃で、焼成温度によって膜特性が左右されることはなく、導電性は膜厚によって制御する。可視光透過率とシート抵抗値はトレードオフの関係になるが、図1のようにシート抵抗値50Ω/□で透過率99%を確保。もちろん、柔軟性にも優れており、フレキシブルデバイスに適するという。また、パターニングする際も一般的な酸系エッチャントでエッチングできる。インクのほか、透明導電フィルムもサンプル出荷可能で、ポリカーボネートフィルム、COPフィルム、PENフィルム、COCフィルムなど各種サブストレートに対応可能だ。 ブースでは写真1のようにアクティブグリットを用いた19.1型タッチパネルを披露していた。ちなみに、AgナノワイヤーメーカーとしてはC3Nanoと米Cambriosが知られているが、Cambriosが倒産したため、現在はC3Nanoが世界唯一のメーカーとなっている。 ウェアラブルデバイス向けの伸縮性Agペーストが登場
ウェアラブルデバイス向けでは、アサヒ化学研究所が伸縮性Agペーストをデモ。コンベンショナルなマイクロメーターサイズのAgパウダーを使用するものの、独自の伸縮しやすいバインダを用いたペーストで、サブストレートの曲げ、伸び、折り、捩じりといった形状に対応できる。といっても、曲げた状態でイニシャルの導電性が維持できるわけではなく、従来品に比べ比抵抗の上昇を大幅に抑制できるというのが実情。また、100℃と低温硬化タイプながら10-5Ω・cmオーダーと高温焼成タイプと同等の低抵抗が得られる。ブースでは、写真2のようにこの伸縮性Agペーストを印刷したフレキシブル基板を伸ばした状態で展示。ウェアラブル用途に適していることを効果的に演出していた。 透明ポリイミドフィルムで見えない配線を
視覚的にインパクトがあったのは、I.S.Tが展示した透明ポリイミドフィルム「TORMED(トーメッド)」。全光線透過率88%と透明ながら、Tg=300℃と通常のポリイミドフィルムに近い耐熱性を確保した。もちろん、各種溶剤に対する耐性があり、配線のパターニング工程では一般的なウェットエッチングプロセスが適用できる。ブースでは、このサブストレートを用いて試作したFPC(FCM製)を接続した有機EL照明デバイス(コニカミノルタ製)を披露。写真3のようにコンベンショナルなポリイミド製FPCを接続した有機ELデバイスと比較展示することにより、“見えない配線”が実現可能なことをアピールしていた。 ライフ性能が高いIGZO用エッチャントでエッチング装置の稼働率を向上 TFT関連では目立ったデモは総じて少なかったが、関東化学が新たなIGZO酸化物半導体用エッチャントを紹介した。エッチングレートは室温で50nm/minと競合製品に比べ若干低いものの、サイドエッチングが発生しにくく、残渣も残りにくいという。最大の特徴はポットライフが従来に比べ3倍と高いことで、これによりエッチング装置の壁面に膜が残留し析出しにくくなるため、エッチング装置の稼働率が大幅に上昇。結果的にトータルプロセスコストを削減できることを強調していた。 |
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