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第44回インターネプコンジャパン/第16回半導体パッケージング技術展/第16回電子部品・材料EXPO/第16回プリント配線板EXPO(1月14〜16日) |
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1月14〜16日、東京ビッグサイトで開かれた「第44回インターネプコンジャパン/第16回半導体パッケージング技術展/第16回電子部品・材料EXPO/第16回プリント配線板EXPO」。FPDとFPC関連からおもなトピックスをレポートする。 シリコンウェハー並みの低熱膨張ポリイミドフィルムが
まずFPC関連では、荒川化学工業が新たなFPC用ポリイミドフィルムとしてシリカハイブリッドポリイミドフィルム「ポミランT」をアピールした。ポリイミド樹脂を粒径5nmのナノシリカ粒子によって架橋させた有機・無機ハイブリッドフィルムで、熱膨張率(CTE)は4ppm/℃とシリコンウェハー並み。このため、FPC製造時のウェット処理プロセスでも膨潤が小さく、FPCパターニング後も高い寸法精度が維持できる。また、シリカの存在によってフィルム内部へのCu2+イオンの拡散が抑制できるなど耐イオンマイグレーション性にも優れる。ブースでは写真1のように1500o幅の幅広サンプルを展示。コンベンショナルなFPCだけでなく、フレキシブルディスプレイや太陽電池バックシートにも利用可能なことを強調していた。 金属粒子を整列させてファインピッチ実装に対応 ICチップをディスプレイ基板に接続するツールであるACF(異方導電性フィルム)では、米Dexerialsが粒子整列型ACFと名付けたユニークなCOG(Chip on Glass)実装用ACFを展示した。ACF内に分散している金属粒子を一定のギャップを介して整列させたもので、これに加え、ガラス基板上に圧着する際に金属粒子の流動を抑制することにより、金属粒子使用量を従来のランダム型に比べ1/2以下に削減。金属粒子径が3.2μmの場合、ギャップは5.5μm程度で、写真2の右写真のようにCOG実装後も金属粒子はばらつくことなく整然と並ぶ。このため、バンプギャップが微細な高精細パネルに適しており、10μmギャップにも容易に対応できるとしている。 タッチパネルの引き出し部とメッシュ部を一括でグラビアオフセット印刷
プリンタブルエレクトロニクス関連でもっとも目を引いたのが東海商事のグラビアオフセット印刷だった。親会社である小森コーポレーションのグラビアオフセット印刷機を用いて作製した11.6型タッチパネル(ガラス製)を展示したもので、Agペーストを印刷して引き出し配線とメッシュ配線を一括形成することに成功。本体のメッシュ部は線幅5μmというファインラインで、グラビアオフセット印刷では世界最高解像度を実現。ITOレス、かつわずか1工程でタッチパネルの配線を行うというデモはインパクト抜群だった。 ちなみに、同社はプラスチックフィルム上にAgペーストをRoll to Roll方式でグラビアオフセット印刷したフレキシブルサンプルも展示。こちらもメッシュ部は線幅5μmで、シート抵抗値も100Ω/□を達成。もちろん、可視光透過率も95%とITO並みを確保した。
錯体型の低温焼結Cuペーストも登場 フレキシブルデバイス向け配線材料として期待される低温焼結型ペーストでは、四国化成工業が導電性Cu錯体ペーストを紹介。その名の通りCu粒子を用いない錯体ペーストで、ペーストやインクといった使用前の状態では常温でも酸化することはない。このため、各種印刷法で基板上に印刷した後、N2雰囲気において120℃以上で焼成すると有機成分が熱分解するとともに化学反応によって基板上でピュアCu膜に変化する。ただ、焼成温度と比抵抗はトレードオフの関係にあり、図1のように160℃以上で焼成すれば10μΩ・cm以下の比抵抗が得られる。もちろん、基板であるプラスチックフィルムの表面を親水化処理すれば十分な密着力が確保できる。このため、ペーストやインクを基板上に直接印刷する配線用途だけでなく、PETフィルム上にベタ塗布した銅箔としても使用可能で、この場合、コンベンショナルなウェットエッチング法でファインパターニングすることができる。 LEDに対抗可能な新たな発光デバイスが デバイス関連では、スクリーン印刷機メーカーのマイクロ・テックがWhat's NEWを提供、米Imaging Systems Technology(IST)のプラズマ発光デバイス「Plasma Shell」を展示した。写真5のようにPlasma Shellはタブレット形状の小型発光体で、六面すべてから発光する。発光原理はプラズマ放電によりシェル内に閉じ込めた不活性ガスからUV光を発生させ、これにより内面に塗布した無機蛍光体を励起するメカニズムで、PDPとほぼ同じだ。写真6のように防水性や耐久性に優れ、デバイスを連結したり、ブロック状に並べることができるため、多様なデザイン照明デバイスとして利用することができる。もちろん、発光色は蛍光体の種類により自在だ。気になる発光効率は明確な数字こそ示さなかったが、「LED並み」だという。ただし、プラズマ放電だけに駆動電圧は300V程度と高く、ローパワーとは言い難いのが実情。用途は一般照明からフレキシブル照明、さらにバックライトやメッセージボードなどを想定している。
ちなみに、マイクロ・テックは今回、バックライト用としてPlasma Shellを敷き詰めたフィルムシートを点灯させるため、Ag電極をスクリーン印刷したフィルム2枚でPlasma Shellをはさんだサンプルを展示。ただ、同社がPlasma Shellを製品化・販売する計画はないという。
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REMARK 1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。 2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。ステラ・コーポレーション 電子メディア部が撮影して掲載した写真の著作権はステラ・コーポレーションに帰属します。 |