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映像情報メディア学会技術報告-ディスプレイ一般-(8月2日) |
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8月2日、都内で「映像情報メディア学会技術報告-ディスプレイ一般-」が開催された。5月に米国San Joseで開催された「SID DISPLAY WEEK 2019」で発表されたオーラル講演のなかから8件をピックアップしたプログラムで、フレキシブルディスプレイに関する報告が多かった。ここでは、半導体エネルギー研究所とDICの講演をクローズアップする。
図2はカバーフィルムのヤング率・厚さを変化させた際に中立面がどう変化するかを計算した結果で、フィルムが厚く、さらにヤング率が低いと中立面がほぼ変化しないことがわかる。つまり、ヤング率0.01Gpa以下のカバーフィルムを使用すれば、ロバスト性の高いフレキシブルディスプレイが実現する。 図3は実際に試作した8.56型フレキシブル有機ELDの断面構造で、最上部に低ヤング率カバーフィルムを接着することによりロバスト性とベンダブル性を両立した。また、このパネルは円偏光板をレス化して低消費電力するため、3色独立発光方式ながら前面基板上にマイクロカラーフィルタとブラックマトリクスを設けた。気になる曲げ特性はR=3oで10万回曲げても表示特性はほぼ変化せず、実用にたる信頼性が得られた。 新たな反応性モノマーを液晶に添加して配向膜をレス化
図4に、従来のポリマー支持配向(PSA)と今回のSVAの比較を示す。後者では、負の誘電異方性を有する液晶ホストにSVA RMとPSA RMを添加し、液晶セル内に充填した後、UV光を照射してRMを重合してプレチルト角を発現させる。 図5はテストパネルの評価結果で、最新組成のRM(C)ではプレチルト角安定性、VHR(電圧保持率)、LTS(低温での安定性)とも実用的な値が得られた。これはより強い重合基を導入したためで、ポリマーがより硬くなり、ITO電極表面に強く固定されたためである。
さらに、185nmと254nmにピークを持つ低圧UV光をITO膜に照射しいわゆるオゾン処理を行ったところ、わずか10秒でVA配向性が劇的に改善。マスプロダクションでも優位性があることがわかった。 参考文献 1)杉澤ほか:丈夫さと曲げ性を両立させたフレキシブルOLEDディスプレイ、映像情報メディア学会技術報告-ディスプレイ一般-資料pp.13-16(2019.8) 2)井ノ上ほか:自発垂直配向用の反応性モノマー、映像情報メディア学会技術報告-ディスプレイ一般-資料pp.9-12(2019.8) |
REMARK 1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。 2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。 |
フィルムマスクでガラスマスク並みの寸法安定性が得られます。 |