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電子情報通信学会技術研究報告 有機エレクトロニクス(3月3日) |
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3月3日、東京工業大学・大岡山キャンパスで電子情報通信学会主催による「電子情報通信学会技術研究報告 有機エレクトロニクス(OME2015-86-91)」が開かれた。ここでは、真空成膜法、ウェット塗布法に次ぐ第三のデポジションメソッドとして認知されてきた静電塗布法においてマスクレスでパターニングすることを試みた千葉大学の研究成果をピックアップする。
周知のように、静電塗布法(ESD法:Electrostatic Spray Deposition Method)は対向電極〜スプレーノズル(シリンジ)間に高電圧を印加することにより液滴をミストし対向配置した基板上に付着させる方法。パターニングする際はサブストレートの上部にメタルマスクを配置するマスクスルー法を用いるのが一般的だが、フィルムサブストレートをRoll to Roll方式で処理する場合、サブストレートとメタルマスクのアライメントずれが問題になる。そこで、研究グループは図1のようにあらかじめパターニングを施したマスター電極をサブストレート背面のローラー側に配置するマスクレスパターニング法を考案した。
しかし、大面積基板ではさらなるユニフォミティ改善が求められるため、研究グループは図3のような基板縦置き装置を用いてさらなる実験を試みた。この場合、液滴にはマスター電極とシリンジ先端間の電界Eによる静電引力F=Eqにより電極方向に引きつけられるほか、重力による下方向への力mgが働くことになる。これを利用して質量mの違い、言い換えれば液滴サイズの違いを利用して塗布される液滴サイズを均一化する。 Agナノインクを用いた実験では、従来の基板水平型装置では比抵抗は8.6×10-5Ω・cmと比較的良好だったが、写真2のようにマスター電極中央部と端部ではグレインサイズが大きく異なることがわかった。これは、マスター電極端部にはエッジ効果によってより強く電界による力が加わり、微細な液滴が集められるためと考えられる。 これに対し、基板縦置き型装置では写真3のようにグレインサイズが均一化されることが確認できた。ただし、比抵抗は1.5〜5.1×10-4Ω・cmと水平型に比べ上昇した。これは、水平型に比べ総じてグレインサイズが大きくなり密度も低下したためだが、今後、プロセス条件を最適化すれば十分改善可能と考えられる。
参考文献
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REMARK 1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。 2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。 |