STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

SEMICON Japan 2025(2025年12月17日〜19日)


SEMICON Japan 2025 製造プロセス技術で新たなムーブメントが

12月17〜19日、東京ビッグサイトで開かれた「SEMICON JAPAN 2025」。独断と偏見でトピックスをピックアップする。

KOBELCOがポストIGZOターゲットをアピール

写真1 径300mmウェハー対応酸化物半導体ターゲット
 What's NEWというわけではないが、インパクト抜群だったのがコベルコ科研がアピールした酸化物半導体用スパッタリングターゲット「KOSシリーズ」。コンベンショナルなIGZO(InGaZnO)にSnをドープしたオリジナル酸化物半導体ターゲットで、キャリアモビリティは20〜30cm2/V・sとIGZOの2〜3倍。実際にKOBELCOグループが試作したエッチングストッパー型ボトムゲートTFTはモビリティ=29.1cm2/V・s、Vth=0.5V、SSファクター=0.17V/decとハイスペックをマーク。一般的なDCマグネトロンスパッタリング法でアモルファス膜が350℃と低温成膜でき、酸でウェットエッチングすることができる。ターゲット自体も円形や角形のプレーナー型に加え、円筒形のロータリータイプもラインアップ。近年は材料利用率が50%前後と高いロータリータイプのニーズが多いという。

 ちなみに、ディスプレイ分野では中国や韓国のTFT-LCDメーカーや有機ELディスプレイメーカーで量産採用されており、このフィールドではコンベンショナルなIGZOターゲットの牙城を崩しつつあるようだ。

AIシステム搭載でIJ印刷安定性・精度を向上


写真2 ガラス基板へのIJ印刷サンプル
 製造装置では、エレファンテックが自社のナノCuインク・ペースト用に専用開発した高精度インクジェット装置「ELP04 PILOT」を実機展示、Cuインク・ペーストの印刷サンプルも展示して存在感を示した。

 ELP04 PILOTは独自のAIシステム「NeuralJet」を搭載したIJ装置で、位置ずれやノズルの個体差、ヘッドの組立誤差、ノズル状態の変動などの誤差要因をモデル化してリアルタイムでキャリブレーションすることにより、インクの安定吐出と高い着弾精度が得られるのが特徴。実際、繰り返し着弾精度は1μm以下を達成。これは、幅40μmの溝に対し液滴径20μmで印刷描画しても100%溝内に着弾できることを意味する。ブースでは、ガラスやシリコンウェハーにIJ印刷したサンプルを展示。ティピカル印刷線幅はL&S=50μm/50μmで、このレゾリューションなら歩留まり100%であることを示した。


ガラス基板向けにAg焼結金属でファインパターンを


写真3 Ag焼結金属配線のパターンニングサンプル
 製造プロセス技術では、パターンニング専業メーカーのミクロ技術研究所がガラス基板向けにAg焼結金属を用いた配線形成技術を提案した。容易に想像できるようにガラス基板に対し強固な密着性が得られるのが特徴で、Ag配線形成後にはんだを接着する際にも高い濡れ性が確保できる。市販の東レ製感光性Agペースト(レイブリッド)を用いて塗布〜露光〜現像〜焼成したサンプルではミニマムL&S=15μm/15μmというファインパターンを実現。比抵抗も3×10-6Ω・cmが得られた。ちなみに、焼成温度は500〜600℃とかなり高いため、ガラスやシリコンウェハー以外のサブストレートには使用できないようだ。

高沸点溶剤でレジスト塗布後の乾燥むらを低減

 マテリアル関連では、DAICELがフォトレジスト向けの高沸点溶剤「CELTOL」というユニークなプロダクトを提案した。150〜200℃と沸点が高いため、重量比5〜10wt%でフォトレジストに混入した場合、サブストレートへの塗布後の乾燥工程でゆっくりと乾燥するため、一般的な低沸点溶剤を用いた場合に比べ塗布むらが発生しにくいという。


REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

1 Shot AOI
わずか10秒でAOI処理可能なAOI装置