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FPD/PCB NEWS〜11月29日
 

東京科学大 プラズマ技術を用いてCOから電気伝導性が高いカーボンブラックを大量合成

 東京科学大学工学院機械系の野崎智洋教授、Xiaozhong Chen博士研究員は、非平衡プラズマでCOを活性化し鉄触媒に作用させることで高い電気伝導性を示すカーボンブラックを大量合成することに成功した。

 安価な鉄触媒を流動媒体とするプラズマ流動層反応装置を用い、約600℃という低温でCOから電気伝導性が高いカーボンブラックを大量連続合成した。合成した炭素材料は電気伝導性が高く、燃料電池や二次電池など低炭素技術で有望される電気化学デバイスの電極材料として利用することができる。

FPD/PCB NEWS〜11月28日
 

UBE 半導体用途向け高純度硝酸の生産能力を増強

 UBEは、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)の高純度硝酸の生産能力を増強すると発表した。2024年度初頭に増設した製造設備に続くもので、生産能力は30%程度アップする予定。

FPD/PCB NEWS〜11月25日
 

東京理科大 低消費電力の色素増感太陽電池ベース光電子シナプス素子を開発

 東京理科大学先進工学部電子システム工学科の生野孝准教授、東京理科大学大学院先進工学研究科電子システム工学専攻の小松裕明氏、細田乃梨花氏の研究グループは、光強度を変化させることで時定数を制御できる色素増感太陽電池ベースの光電子シナプス素子を開発した。また、開発したデバイスを物理リザバコンピューティング(PRC)に応用したデバイスが消費電力を抑えつつ、人の動きを高い精度で識別できることを実証した。

 開発したデバイスは、光強度に応じてペアパルス促進やペアパルス抑制といったシナプス可塑性特性を示した。また、時系列データの処理において、入力パルス幅が変化しても光強度を調整することで高い計算性能が得られた。さらに、人の動作認識においても、消費電力を抑制しつつ、90%以上の高い精度で判別可能であることを実証した。

FPD/PCB NEWS〜11月21日
 

日本曹達とKyulux 有機EL発光材料の量産体制構築に向け資本業務提携

 日本曹達とKyuluxは、次世代有機EL発光材料である熱活性化遅延蛍光材料(TADF)の量産体制構築に向け資本業務提携契約を締結した。

 今後、日本曹達はKyuluxに資本参加するとともに、量産体制確立に向けたプロセス開発・設備投資を行い、Kyuluxは日本曹達の量産体制構築を技術面から支援することによりTADFの量産と安定した供給体制を実現する。

 Kyuluxは、有機ELディスプレイなどに用いられる次世代有機EL発光材料を開発した九州大学発のスタートアップ。KyuluxのTADFはレアメタルを使用しない環境負荷低減型材料で、このTADFをアシストドーパントとして活用した有機EL発光技術Hyperfluorescenceは高効率、高色純度、長寿命、低コストを同時に実現するとされる。

FPD/PCB NEWS〜11月20日
 

日本電気硝子とビアメカニクス コア基板開発加速に向けた共同開発契約を締結

 日本電気硝子とビアメカニクスは、ガラスおよびガラスセラミックス製半導体パッケージ用無機コア基板の開発加速に向けた共同開発契約を締結した。

 今後、日本電気硝子はCO2レーザーによるビア形成を可能にするべく、長年培ってきたガラスやガラスセラミックスのノウハウとビアメカニクスのレーザー加工技術を融合するため、ビアメカニクスと共同開発契約を締結するとともに、ビアメカニクスのレーザー加工装置を導入し無機コア基板の早期開発を目指す。

FPD/PCB NEWS〜11月19日
 

住友電工 ディーピーエスとFPC製造工程で使用されるレアメタルの回収で契約

 住友電気工業は、ディーピーエスとフレキシブルプリント回路(FPC)製造工程で使用されるレアメタルの回収事業に関する契約を締結した。

 DPS社より住友電気工業ベトナムのFPC製造拠点に対し独自構造のシリカゲル「DualPore」の応用によって超低濃度で排水に含まれたPdを吸着・回収する技術提案を受け、検証の結果、採用を決定した。この回収されたPdを日本国内の金属精錬業者に売却するスキームを確立することで原価を低減するとともに、レアメタルであるPdの国際資源循環や採掘・精錬にともなう環境負荷低減に貢献することが可能になる。


FPD/PCB NEWS〜11月15日
 

リガク 非晶質炭素材料の原子構造を3Dで可視化する技術を開発

 リガクは、X線研究所で非晶質炭素材料の原子レベルの3D構造を明らかにする新技術「TXS-RMC法(全散乱測定+RMC法)を開発した。

 従来、非晶質炭素材料の原子レベルの構造は定性的に扱うか、分子動力学法(MD)によって予測・推定していた。TXS-RMCの3D構造可視化技術によってより正確な情報を得ることが可能となり、物質的特性に対する理解の促進や機能の予測への活用が期待される。

FPD/PCB NEWS〜11月14日
 

マクニカ ペロブスカイト太陽電池の実用化に向け苛烈環境下で大規模実証

 マクニカは、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証を横浜市の大さん橋デッキ上で開始したと発表した。ペロブスカイト太陽電池の課題の一つである耐久性と容易な交換を可能とする着脱方法を検証するためで、国内でも最大規模の実証となる。

 今回行われる「港湾などの苛烈環境におけるPSCの活用に関する技術開発(委託)」は環境省の「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択され、2023年度より3年間で技術開発・実証事業を実施。ペロブスカイト太陽電池の発明者である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授の指導のもと、マクニカが代表事業者として、ペクセル・テクノロジーズ、ペロブスカイトの製造を担当する麗光の3社で推進中。

 2023年度は重塩害環境下でのPSCモジュールの開発を進め、大さん橋実証では発電効率10%以上を実現し、塩害調査と併せてPSC稼働システムを実証。2024年度はPSCモジュールのさらなる高効率化と容量の拡大対応を進めるとともに、量産化を実現する生産方式(RtoR)でのPSCモジュール製造技術を開発中。

 今回の大さん橋実証では、RtoR方式によって製造したPSCモジュールで非常用電源電力サイズのシステムを構築し、海風の強い重塩害環境である大さん橋デッキ上で屋外でのPSC発電システムの稼働実証を行う。また、フィルム形態のPSCモジュールの交換可能な装着方法の検証も行う。

FPD/PCB NEWS〜11月13日
 

田中電子工業 NITTOKUとボンディングワイヤ事業のFA設備開発・製造で業務提携

 田中電子工業は、NITTOKUとボンディングワイヤ事業に係るFA設備の開発・製造に関する業務提携することで合意した。

 業務提携にともない、田中電子工業は巻線システムのリーディング企業であり精密FAラインビルダーとしての事業も拡大しているNITTOKUから製造ラインのFA化に関する開発リソースの提供を受ける。

FPD/PCB NEWS〜11月12日
 

日本触媒 イーテックの株式を取得し子会社化

 日本触媒は、エマルジョン事業等を営むイーテックの株式を取得することでJSRと合意し、株式譲渡契約を締結したと発表した。

 イーテックは1963年、JSRの子会社として設立され、エマルジョン事業とファイン事業を営む。日本触媒は、今回の株式譲渡を通じてコンストラクションケミカルズを中心とした製品ポートフォリオの強化、エマルジョン重合技術や生産能力の拡大、コンパウンド技術による製品提案力の強化が可能になると判断した。

FPD/PCB NEWS〜11月7日
 

デクセリアルズと三菱総研 生成AIによる技術開発領域可視化システム構築を開始

 デクセリアルズと三菱総合研究所(MRI)は、生成AIを用いた技術領域の自動可視化システムの構築を開始したと発表した。

 両社は、2022年よりAIを活用したPoC(概念実証)を行ってきた。その結果、AIによって求める事業領域の技術資料を選定、解析・図化し、素早く必要な材料をそろえることができるなど、変革の可能性を見出した。この成果をもとに、技術領域の自動可視化システムを構築し、新規事業探索部門で業務効率化と知見・ノウハウの組織知化を進める。将来的には、研究開発の現場でも生成AIの活用により、迅速かつ多様な分野での業務遂行を実現させることを目標とし、検証を加速する。

FPD/PCB NEWS〜11月6日
 

レゾナック 液状封止材の特許維持が決定

 レゾナックは、保有する液状封止材に関する日本国特許(特許第7343977号)が第三者から特許の有効性に関する異議申立てを受けていたが、特許庁により有効と判断されたと発表した。大型化するAI向け先端半導体パッケージの性能向上に貢献する特許で、同社はこの技術を適用した製品を10月から販売している。

FPD/PCB NEWS〜11月1日
 

東京大 プルシアンブルーの類似体ナノ粒子が表面増強ラマン分光法の基板に活用できることを解明

 東京大学大学院理学系研究科の合田圭介教授やLucasLandが率いる研究グループは、浮世絵にも使われた顔料で北斎ブルー・広重ブルーとも呼ばれたプルシアンブルーの類似体ナノ粒子が均一性、耐久性、蛍光消光性、保存性、生体適合性に優れた表面増強ラマン分光法(Surface-Enhanced Raman Spectroscopy:SERS)の基板として活用できることを解明した。

 プルシアンブルーに異なる金属を添加することで生成した結晶欠陥がSERSの発現に寄与することを発見した。金属の種類によってSERS性能が変化するため、結晶欠陥の生成を通したSERS性能が制御できる。また、このプルシアンブルー類似体ナノ粒子によるSERS基板は極めて高い増強率(108倍)を示し、生体分子などの超高感度分析へ応用できると考えられる。