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FPD/PCB NEWS〜5月19日
 

東大、東京理科大、分子科学研、大阪公立大 柔軟性と秩序性を両立した新有機常磁性体を開発

 東京大学物性研究所の藤野智子助教・森初果教授、原田慈久教授らの研究グループ、東京理科大学の菱田真史准教授、自然科学研究機構分子科学研究所の中村敏和チームリーダーらの研究グループ、大阪公立大学の牧浦理恵准教授らの研究グループ、物質・材料研究機構の原野幸治主幹研究員、科学技術振興機構の大池広志さきがけ専任研究者(研究当時)は、柔軟性と高い秩序性を兼ね備えた新しい分子性常磁性体を開発した。

 開発された構造体は水中で高い秩序性を維持しながらも、分子間相互作用に基づく特異な磁気特性を示す。さらに、温度変化に連動して構造が大きく変化するという動的な性質を持ち合わせる。スピンをもつ平面分子が規則正しく並んだ分子性常磁性体において動的な膜構造変化を示した初めての例で、フレキシブルデバイスへの応用が期待される。

FPD/PCB NEWS〜5月16日
 

ジャパンディスプレイ 車載用ディスプレイ関連事業を新設子会社「AutoTech」に承継

 ジャパンディスプレイは、車載用ディスプレイ関連事業に関する権利義務を新設する子会社「AutoTech」に承継すると発表した。6月21日に開催される株主総会での承認を経て、10月1日に新会社が設立される予定。

FPD/PCB NEWS〜5月14日
 

BASF ルートヴィッヒスハーフェンで半導体グレードの硫酸プラントに投資

 独BASFは、ルートヴィッヒスハーフェン拠点に半導体グレードの硫酸(H2SO4)の生産能力を拡大すると発表した。2027年の稼働予定で、投資額は数千万ユーロの見込み。

FPD/PCB NEWS〜5月12日
 

東京農工大 有機薄膜内の分子配向を制御する分子設計法を確立し新規極性分子を開発

 東京農工大学大学院工学府生命工学専攻の杉本鈴奈、同大学大学院工学研究院生命機能科学部門の田中正樹助教および中村暢文教授らの研究グループは、有機薄膜内の分子配向を制御する分子設計手法を確立し、真空蒸着により成膜することで強力な配向分極を形成する新規極性分子を開発した。分極薄膜を利用した高性能デバイスの実現・分子配向形成メカニズムのさらなる解明に貢献すると期待される。

 極性分子を構成する官能基の特性に着目した汎用的な分子設計法を提案し、自発的な配向分極を形成する非フッ素系新規極性分子の開発に成功した。とくに、分子内の分極方向を制御しやすい屈曲型の分子構造を用い、また分子に強い分極を生じさせるためにフタルイミド骨格を導入した分子に着目。屈曲型分子における頭部・尾部末端の分子間相互作用の強さをそれぞれ調整すること(非対称化)により、極性分子の配向分極特性を制御できるようになった。

FPD/PCB NEWS〜5月9日
 

大日本印刷 見る方向・視点で表示が変わるホログラムを活用したフロアマットを発売

 大日本印刷は、見る方向・視点によって表示が変わる「DNP表示切替ホログラムマット」を開発、5月9日に発売すると発表した。

 緑色に光るホログラムシートと床に置くマットを組み合わせたもので、人が近づいた際のみ文字や絵柄が表示される。マット自体の印刷表現と組み合わせることによって、施設の美観やデザインを損ねることなく、アイキャッチ性の高い情報を表示できる。

FPD/PCB NEWS〜5月7日
 

富士フイルムとタタ・エレクトロニクス社 インドでの半導体材料生産体制・サプライチェーン構築に向けて合意

 富士フイルムは、Tata Electronics(インド)とインドでの半導体材料の生産体制・サプライチェーンの構築に向けた提携に関する基本合意書(MOU)を締結したと発表した。

 タタ・エレクトロニクス社はインドのグジャラート州ドレラに半導体前工程製造工場、アッサム州ジャギロードに半導体後工程製造工場を建設中。富士フイルムは前工程から後工程まで幅広い半導体材料を持つ強みを生かし、タタ・エレクトロニクス社の半導体製造プロセスにおいてニーズに合った半導体材料の開発と提供を加速し、同社の半導体製造立上げを支援する。

FPD/PCB NEWS〜5月2日
 

NTT 半導体薄膜の材料分析にAIを活用し自動化に成功

 NTTは、光通信用デバイスに用いる半導体薄膜の成膜条件(原料ガス量)を半導体物性の知識を取り入れた機械学習により自動導出する手法を開発した。目的とする組成の半導体薄膜が効率的に成膜でき、光通信用デバイスの製造コストの削減が期待できる。

 同社はこれまで「ベイズ最適化(Bayesian Optimization(BO)」という機械学習を用いて超高品質な酸化物薄膜(SrRuO3)の作製に成功。今回、この技術に半導体物性の知識を組み合わせることで、光通信や光電融合デバイスに使用する化合物半導体薄膜をより効率的に成膜することに成功した。

FPD/PCB NEWS〜5月1日
 

LG Display 青色燐光材料を用いた有機ELディスプレイの製品化検証に成功

 LG Displayは、青色燐光材料を使用した有機ELディスプレイ“ドリームOLED”の製品化検証に成功したと発表した。5月11日から米カリフォルニア州で開催されるディスプレイ展示会「SID 2025」で中小型パネルを展示する予定。

 周知のように、既存の有機ELDパネルには赤色と緑色に燐光材料、青色に従来の蛍光材料が用いられている。今回開発したパネルは下層に青色蛍光材料、上層に青色燐光材料を積層したハイブリッドツースタックタンデム構造を採用。蛍光方式の長所である安定性と燐光方式の長所である高発光効率を組み合わせることにより、既存パネルレベルの安定性を維持しながら、消費電力を15%削減することに成功した。

FPD/PCB NEWS〜4月30日
 

東北大、九大、古河テクノマテリアル 次世代形状記憶合金の原子配列と原子の動きを観察

 東北大学、九州大学、古河テクノマテリアルの共同研究グループは、Cu-Al-Mn系形状記憶合金の原子レベルでの構造変化を解明した。

 X線吸収分光法(XAS)と第一原理計算(DFT)を用いて、熱処理による合金内部のMn原子の動きやナノスケールの濃度ゆらぎを観測した結果、Mn原子の移動が磁気的性質に影響を受け、形状記憶効果をもたらす規則配列構造の形成を促すことを明らかにした。

FPD/PCB NEWS〜4月24日
 

東京エレクトロン 東京エレクトロン宮城の新開発棟が完成


▲新開発棟
 東京エレクトロンは、開発・製造子会社である東京エレクトロン宮城(宮城県大和町)に建設していた新開発棟(第3開発棟)が完成したと発表した。

 新開発棟は地上3階建て延床面積約4万6,000m2で、プラズマエッチング装置を開発・製造する。投資額は約520億円。

FPD/PCB NEWS〜4月23日
 

芝浦工大とハドラスHD 機能性コーティング剤の共同研究講座「ハドラス機能性薄膜共同研究講座」を開設

 芝浦工業大学とハドラスホールディングスは、「ハドラス機能性薄膜共同研究講座」を開設した。

 共同研究講座は、芝浦工業大学豊洲キャンパス(東京都江東区)に設置。2025年4月1日から2029年3月31日の4年間にわたり、ハドラスのガラス系コーティング技術と芝浦工大の機能性有機ポリマーに関する知見を融合し、新たな有機‐無機ハイブリッドコーティング技術の開発を目指す。

FPD/PCB NEWS〜4月16日
 

積水化学、積水ソーラーフィルム、沖縄電力、ユニチカ 沖縄県宮古島市でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の共同実証研究を開始

 積水化学工業、積水ソーラーフィルム、沖縄電力、ユニチカの4社は、耐風や塩害など耐候性で過酷な環境である沖縄県宮古島市において防草シートに設置したフィルム型ペロブスカイト太陽電池の共同実証研究を開始した。

 ユニチカ製防草シート上にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置。2026年3月までの1年間、沖縄県宮古島市の台風や塩害の影響が大きい地点で耐風および耐塩害の評価を中心に検証する。

FPD/PCB NEWS〜4月14日
 

東大、筑波大、東京科学大 有機半導体における電子相関の発達を観測

 東京大学大学院新領域創成科学研究科の竹谷純一教授、筑波大学数理物質系の石井宏幸教授、東京科学大学物質理工学院の岡本敏宏教授らの共同研究グループは、有機半導体に電荷キャリアを高密度に注入していくと、金属転移後、さらに電子相関効果が発達していく様子を確認した。

 今回の研究では、元々電荷キャリアを持たない単結晶有機半導体にこれまでにない高密度な電荷キャリア(4分子あたり1個の電荷キャリア)を注入することに成功。金属転移後、電子相関効果が発達していく様子を世界で初めて観測した。

FPD/PCB NEWS〜4月11日
 

京大 1次構造が多重制御されたポリビニルアルコールの合成手法を開発

 積水化学工業と積水ソーラーフィルムは、香川県協力のもと、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を学校体育館の屋根に設置する実証実験を開始した。

 体育館屋根の南面にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置し、設置・施工方法、耐久性、発電性能を検証。得られた結果をペロブスカイト太陽電池の設置方法確立へ活かしていく。