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FPD/PCB NEWS〜6月13日
 

東大 ガラスなどの加工が難しい材料を従来の100万倍高速で精密加工できる手法を開発

 東京大学大学院工学系研究科の伊藤佑介講師らとAGCの研究グループは、従来の100万倍高速かつ超精密でガラスなどの透明材料を加工できる手法を開発した。

 時間・空間分布を制御した光を照射することにより、ピコ秒という極短時間のみ物性を劇的に変化させて超高速かつ超精密加工を実現。この加工は、従来のフェムト秒レーザーよりも4桁低い出力のレーザーによって実現できるため、加工装置の低価格化や消費エネルギーの大幅な削減も期待できる。

FPD/PCB NEWS〜6月12日
 

積水化学と積水ソーラーフィルム 神戸空港でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験


 積水化学工業およびフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製品設計・製造・販売を担う積水ソーラーフィルムは神戸市、関西エアポート神戸と連携し、神戸空港の制限区域内でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始する。空港制限区域内におけるフィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置は国内で初めて。

 神戸空港制限区域内の緑地帯にフィルム型ペロブスカイト太陽電池約50m2を防草シート上に設置し、空港特有の耐風性能など安全検証ほか各種検証を行う。実証期間は2025年6月から2027年3月まで。

FPD/PCB NEWS〜6月10日
 

宇部エクシモ 高純度シリカ系粒子の大粒径タイプを開発


 宇部エクシモは、大粒径タイプ(径300μm)の高純度シリカ系粒子「ハイプレシカHS」を開発したと発表した。

 ハイプレシカは高純度、真球形状、シャープな粒径分布が特徴で、おもにLCD、有機ELディスプレイ、センサーなどのギャップコントロール用スペーサーとして使用されている。今回、従来ラインナップの上限を超える大粒径の要望にも応じるため、80〜300μmの粒子を開発。粒子の弾性はガラス相当の硬さから汎用樹脂粒子を上回る柔軟性まで調整可能なほか、遮光性の付与(黒色化)など用途に応じたカスタマイズもできる。

FPD/PCB NEWS〜6月6日
 

東大と奈良先端科技大 結晶化酸化物半導体形成技術を開発しゲートオールアラウンド型酸化物トランジスタを開発


▲開発したトランジスタの構造と断面写真
 東京大学生産技術研究所の小林正治准教授と奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科物質創成科学領域の浦岡行治教授、高橋崇典助教らによる共同研究グループは、原子層堆積法を用いて結晶化した酸化物半導体を形成する技術を開発、トランジスタの高性能化と高信頼性化を実現した。

 さらに、同技術を用いてゲートオールアラウンド型酸化物半導体トランジスタの開発に成功した。

FPD/PCB NEWS〜6月5日
 

東京理科大 色素増感型太陽電池を応用した新しい光電子デバイスを開発

 東京理科大学先進工学部電子システム工学科の生野孝准教授、同大学院先進工学研究科電子システム工学専攻の小松裕明氏(博士課程3年)、細田乃梨花氏(2024年度修士課程修了)の研究グループは、色素増感型太陽電池を応用した新しい光電子デバイスを開発した。

 開発した素子は人間の脳内に存在するシナプスを模倣した特性を示すもので、外部からの光刺激に応じて出力特性が過去の情報を保持しながら穏やかに変化する。さらに、このデバイスを物理現象を計算資源として用いる物理リザバーコンピューティングのリザバー層として活用することで、入力される光の色の違いや人間の動きの違いを分類できることを実証した。この成果は自動運転、監視システム、スマート農業などに不可欠な次世代マシンビジョン技術の発展につながると期待される。

FPD/PCB NEWS〜6月4日
 

三井化学 NF3事業から撤退

 三井化学は、100%子会社である下関三井化学で製造している三フッ化窒素(NF3)事業からの撤退すると発表した。2026年3月末で生産を停止し、同年内に販売を終了する予定。

FPD/PCB NEWS〜6月2日
 

東大 次世代半導体ガラス基板を微細レーザー加工

 東京大学は、半導体基板用ガラスへの極微細レーザー穴開け加工技術を開発した。

 用いたガラス基板はAGCのEN-A1で、次世代半導体製造後工程に用いられる候補材料のひとつ。開発した手法では、深紫外領域の超短パルスレーザーを用いて直径10μm以下、アスペクト比が20:1程度の微細な穴開け加工を実現した。

FPD/PCB NEWS〜5月29日
 

SCREEN PEソリューションズ パターン形成用直接描画装置「LUPIOS」を発売

 SCREEN PE ソリューションズは、ミドルレンジパッケージ基板向け直接描画装置「LUPIOS」を発売すると発表した。

 LUPIOSは、ソルダーレジスト向け直接描画装置でトップシェアを誇る「Lediaシリーズ」の基本技術を踏襲しつつ、独自のキャリブレーション機能による高い描画位置精度、新開発の露光ヘッドによる高い生産性を実現した。

FPD/PCB NEWS〜5月28日
 

エア・ウォーター 熊本県大津町にデジタル・半導体関連事業のグループ複合拠点を開所

 エア・ウォーターは、熊本県菊池郡大津町に建設していたデジタル・半導体関連事業のグループ複合拠点「エア・ウォーターグループ熊本事業所」が完成し開所したと発表した。投資額は11億円。

 同事業所は、半導体デバイスメーカー・半導体関連企業の集積地の中心から500mの距離に位置。半導体材料ガス・ケミカルなどの各種製品・サービスを安定してスピーディに提供するとともに、「九州におけるデジタル・半導体関連事業のセンター拠点」としての機能を発揮し、生成AI向けを中心に拡大が続くエレクトロクス領域を成長ドライバーに事業拡大を推進する。

FPD/PCB NEWS〜5月27日
 

旭化成 新規感光性ドライフィルム「サンフォート」を開発

 旭化成は、先端半導体パッケージの製造工程に使用される感光性ドライフィルム「サンフォートTAシリーズ」を開発したと発表した。

 TAシリーズは従来のStepper露光機に加え、LDI(レーザーダイレクトイメージング)露光機にも対応。いずれの露光方式でも高い解像性を実現し、基板への微細回路パターンの形成能力向上に寄与する。

 具体的には、4μmピッチデザインにおいてLDI露光でのレジスト幅1μmパターンが形成可能。得られた微細レジストパターンはセミアディティブプロセスによるめっきパターン形成と続くレジスト剥離により、4μmピッチデザインにおいて3μm幅のめっきパターンの形成が可能となる。

FPD/PCB NEWS〜5月26日
 

リガク 山梨工場の新棟を竣工

 リガクは、主力生産拠点である山梨工場に建設していた新たな製造棟を竣工した。

 新棟の完成により、山梨工場の延床面積は従来の約8,500m2から約23,000m2と約2.7倍に向上。山梨と東京に分散していたX線回折装置の製造・組立・出荷工程を山梨工場に集約し、業務効率の飛躍的な向上と高品質な装置の安定供給を実現する。これらの結果、多目的X線分析装置・各種要素部品の製造キャパシティを2027年までに約2倍に引き上げる。

FPD/PCB NEWS〜5月23日
 

UBE 大阪研究開発センターに「スペシャリティマテリアルアプリケーション棟」を新設

 UBEは、堺工場(大阪府堺市)内の大阪研究開発センターに「スペシャリティマテリアルアプリケーション棟」を新設、運用を開始したと発表した。

 同施設は、ナイロンおよびその他エンジニアリングプラスチックを中心としたコンポジットのイノベーションを生み出しグローバルに発信する中核拠点で、地上3階建て延床面積約3,300m2

FPD/PCB NEWS〜5月19日
 

東大、東京理科大、分子科学研、大阪公立大 柔軟性と秩序性を両立した新有機常磁性体を開発

 東京大学物性研究所の藤野智子助教・森初果教授、原田慈久教授らの研究グループ、東京理科大学の菱田真史准教授、自然科学研究機構分子科学研究所の中村敏和チームリーダーらの研究グループ、大阪公立大学の牧浦理恵准教授らの研究グループ、物質・材料研究機構の原野幸治主幹研究員、科学技術振興機構の大池広志さきがけ専任研究者(研究当時)は、柔軟性と高い秩序性を兼ね備えた新しい分子性常磁性体を開発した。

 開発された構造体は水中で高い秩序性を維持しながらも、分子間相互作用に基づく特異な磁気特性を示す。さらに、温度変化に連動して構造が大きく変化するという動的な性質を持ち合わせる。スピンをもつ平面分子が規則正しく並んだ分子性常磁性体において動的な膜構造変化を示した初めての例で、フレキシブルデバイスへの応用が期待される。

FPD/PCB NEWS〜5月16日
 

ジャパンディスプレイ 車載用ディスプレイ関連事業を新設子会社「AutoTech」に承継

 ジャパンディスプレイは、車載用ディスプレイ関連事業に関する権利義務を新設する子会社「AutoTech」に承継すると発表した。6月21日に開催される株主総会での承認を経て、10月1日に新会社が設立される予定。

FPD/PCB NEWS〜5月14日
 

BASF ルートヴィッヒスハーフェンで半導体グレードの硫酸プラントに投資

 独BASFは、ルートヴィッヒスハーフェン拠点に半導体グレードの硫酸(H2SO4)の生産能力を拡大すると発表した。2027年の稼働予定で、投資額は数千万ユーロの見込み。

FPD/PCB NEWS〜5月12日
 

東京農工大 有機薄膜内の分子配向を制御する分子設計法を確立し新規極性分子を開発

 東京農工大学大学院工学府生命工学専攻の杉本鈴奈、同大学大学院工学研究院生命機能科学部門の田中正樹助教および中村暢文教授らの研究グループは、有機薄膜内の分子配向を制御する分子設計手法を確立し、真空蒸着により成膜することで強力な配向分極を形成する新規極性分子を開発した。分極薄膜を利用した高性能デバイスの実現・分子配向形成メカニズムのさらなる解明に貢献すると期待される。

 極性分子を構成する官能基の特性に着目した汎用的な分子設計法を提案し、自発的な配向分極を形成する非フッ素系新規極性分子の開発に成功した。とくに、分子内の分極方向を制御しやすい屈曲型の分子構造を用い、また分子に強い分極を生じさせるためにフタルイミド骨格を導入した分子に着目。屈曲型分子における頭部・尾部末端の分子間相互作用の強さをそれぞれ調整すること(非対称化)により、極性分子の配向分極特性を制御できるようになった。

FPD/PCB NEWS〜5月9日
 

大日本印刷 見る方向・視点で表示が変わるホログラムを活用したフロアマットを発売

 大日本印刷は、見る方向・視点によって表示が変わる「DNP表示切替ホログラムマット」を開発、5月9日に発売すると発表した。

 緑色に光るホログラムシートと床に置くマットを組み合わせたもので、人が近づいた際のみ文字や絵柄が表示される。マット自体の印刷表現と組み合わせることによって、施設の美観やデザインを損ねることなく、アイキャッチ性の高い情報を表示できる。

FPD/PCB NEWS〜5月7日
 

富士フイルムとタタ・エレクトロニクス社 インドでの半導体材料生産体制・サプライチェーン構築に向けて合意

 富士フイルムは、Tata Electronics(インド)とインドでの半導体材料の生産体制・サプライチェーンの構築に向けた提携に関する基本合意書(MOU)を締結したと発表した。

 タタ・エレクトロニクス社はインドのグジャラート州ドレラに半導体前工程製造工場、アッサム州ジャギロードに半導体後工程製造工場を建設中。富士フイルムは前工程から後工程まで幅広い半導体材料を持つ強みを生かし、タタ・エレクトロニクス社の半導体製造プロセスにおいてニーズに合った半導体材料の開発と提供を加速し、同社の半導体製造立上げを支援する。

FPD/PCB NEWS〜5月2日
 

NTT 半導体薄膜の材料分析にAIを活用し自動化に成功

 NTTは、光通信用デバイスに用いる半導体薄膜の成膜条件(原料ガス量)を半導体物性の知識を取り入れた機械学習により自動導出する手法を開発した。目的とする組成の半導体薄膜が効率的に成膜でき、光通信用デバイスの製造コストの削減が期待できる。

 同社はこれまで「ベイズ最適化(Bayesian Optimization(BO)」という機械学習を用いて超高品質な酸化物薄膜(SrRuO3)の作製に成功。今回、この技術に半導体物性の知識を組み合わせることで、光通信や光電融合デバイスに使用する化合物半導体薄膜をより効率的に成膜することに成功した。

FPD/PCB NEWS〜5月1日
 

LG Display 青色燐光材料を用いた有機ELディスプレイの製品化検証に成功

 LG Displayは、青色燐光材料を使用した有機ELディスプレイ“ドリームOLED”の製品化検証に成功したと発表した。5月11日から米カリフォルニア州で開催されるディスプレイ展示会「SID 2025」で中小型パネルを展示する予定。

 周知のように、既存の有機ELDパネルには赤色と緑色に燐光材料、青色に従来の蛍光材料が用いられている。今回開発したパネルは下層に青色蛍光材料、上層に青色燐光材料を積層したハイブリッドツースタックタンデム構造を採用。蛍光方式の長所である安定性と燐光方式の長所である高発光効率を組み合わせることにより、既存パネルレベルの安定性を維持しながら、消費電力を15%削減することに成功した。

FPD/PCB NEWS〜4月30日
 

東北大、九大、古河テクノマテリアル 次世代形状記憶合金の原子配列と原子の動きを観察

 東北大学、九州大学、古河テクノマテリアルの共同研究グループは、Cu-Al-Mn系形状記憶合金の原子レベルでの構造変化を解明した。

 X線吸収分光法(XAS)と第一原理計算(DFT)を用いて、熱処理による合金内部のMn原子の動きやナノスケールの濃度ゆらぎを観測した結果、Mn原子の移動が磁気的性質に影響を受け、形状記憶効果をもたらす規則配列構造の形成を促すことを明らかにした。

FPD/PCB NEWS〜4月24日
 

東京エレクトロン 東京エレクトロン宮城の新開発棟が完成


▲新開発棟
 東京エレクトロンは、開発・製造子会社である東京エレクトロン宮城(宮城県大和町)に建設していた新開発棟(第3開発棟)が完成したと発表した。

 新開発棟は地上3階建て延床面積約4万6,000m2で、プラズマエッチング装置を開発・製造する。投資額は約520億円。

FPD/PCB NEWS〜4月23日
 

芝浦工大とハドラスHD 機能性コーティング剤の共同研究講座「ハドラス機能性薄膜共同研究講座」を開設

 芝浦工業大学とハドラスホールディングスは、「ハドラス機能性薄膜共同研究講座」を開設した。

 共同研究講座は、芝浦工業大学豊洲キャンパス(東京都江東区)に設置。2025年4月1日から2029年3月31日の4年間にわたり、ハドラスのガラス系コーティング技術と芝浦工大の機能性有機ポリマーに関する知見を融合し、新たな有機‐無機ハイブリッドコーティング技術の開発を目指す。

FPD/PCB NEWS〜4月16日
 

積水化学、積水ソーラーフィルム、沖縄電力、ユニチカ 沖縄県宮古島市でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の共同実証研究を開始

 積水化学工業、積水ソーラーフィルム、沖縄電力、ユニチカの4社は、耐風や塩害など耐候性で過酷な環境である沖縄県宮古島市において防草シートに設置したフィルム型ペロブスカイト太陽電池の共同実証研究を開始した。

 ユニチカ製防草シート上にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置。2026年3月までの1年間、沖縄県宮古島市の台風や塩害の影響が大きい地点で耐風および耐塩害の評価を中心に検証する。

FPD/PCB NEWS〜4月14日
 

東大、筑波大、東京科学大 有機半導体における電子相関の発達を観測

 東京大学大学院新領域創成科学研究科の竹谷純一教授、筑波大学数理物質系の石井宏幸教授、東京科学大学物質理工学院の岡本敏宏教授らの共同研究グループは、有機半導体に電荷キャリアを高密度に注入していくと、金属転移後、さらに電子相関効果が発達していく様子を確認した。

 今回の研究では、元々電荷キャリアを持たない単結晶有機半導体にこれまでにない高密度な電荷キャリア(4分子あたり1個の電荷キャリア)を注入することに成功。金属転移後、電子相関効果が発達していく様子を世界で初めて観測した。

FPD/PCB NEWS〜4月11日
 

京大 1次構造が多重制御されたポリビニルアルコールの合成手法を開発

 積水化学工業と積水ソーラーフィルムは、香川県協力のもと、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を学校体育館の屋根に設置する実証実験を開始した。

 体育館屋根の南面にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置し、設置・施工方法、耐久性、発電性能を検証。得られた結果をペロブスカイト太陽電池の設置方法確立へ活かしていく。