STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

FPD/PCB NEWS〜12月20日
 

日本金属 溶接引抜管が半導体製造装置のマスフローコントローラー用バイパスチューブに採用

 日本金属は、ファインパイプ(溶接引抜管)が海外メーカーの半導体製造装置のマスフローコントローラー用バイパスチューブに採用されたと発表した。

 同社は内面研磨工程を削減した内面高精度小径厚肉管を開発。これらの知見と経験をもとに製造工程、製造条件、金型や副資材を見直し、ユーザーニーズを満たすファインパイプの安定供給を実現した。

FPD/PCB NEWS〜12月19日
 

筑波大、産総研 IJプリンターで作製できる液滴レーザーディスプレイを開発

  筑波大学、産業技術総合研究所(産総研)らの研究グループは、レーザー発光する液滴をインクジェット(IJ)プリンターで吐出し、高速かつ大量にレーザー光源を作成する手法を開発した。この液滴に電場を加えることにより発光のON/OFFを制御し、液滴を基板上に並べたレーザーディスプレイを試作することに成功した。

 IJプリンターで吐出した有機色素を添加したイオン液体の液滴が光励起によってレーザー発光すること、そしてその液滴に電場を印加することでレーザー光のON/OFF切り替えが可能なことを見出した。液滴の直径は30μmと小さく、また4cm2ほどの大きな領域に高密度かつ大量に敷き詰めることができる。

 この液滴を電極で挟んで電場を印加したところ、球体の液滴が楕円球体へ変形し、それにともないレーザー光の放出が止まったことから、この液滴が電気的にスイッチ可能な「レーザーピクセル」として振る舞うことを確認。また、この液滴を2×3配列に並べたデバイスで各ピクセルのレーザー発光がON/OFFできることがわかった。

FPD/PCB NEWS〜12月17日
 

コニカミノルタ ヒーター搭載の産業用インクジェットヘッドを発売

 コニカミノルタは、産業用インクジェットヘッド「KM800シリーズ」の新製品としてヒーター搭載で幅広いインクに対応する「KM800H-MR」を発売すると発表した。

 KM800シリーズは、インク吐出部から20mm離れた対象物にも高画質で印刷できる長距離吐出性能やインクの吐出安定性などが特長。この長距離吐出性能により、曲面や凹凸面などノズルから印刷面への距離が一定ではない基材に対しても印刷が可能。また、インクジェットヘッドと対象物の距離を確保することで、搬送中にぶつかって印刷機に搭載されているインクジェットヘッドが故障したり、対象物が破損したりすることを抑制し、生産性向上にも寄与する。

FPD/PCB NEWS〜12月13日
 

東北大、東京理科大 電気化学的二酸化炭素還元触媒として機能する金属微粒子を精密合成

 東北大学多元物質科学研究所の根岸雄一教授、東京理科大学理学部第一部の川脇徳久 講師、Sourav Biswas助教、吉越裕介助教、同大学院理学研究科修士課程の新行内大和大学院生、尾上雅季大学院生、Adelaide大学のGregory F.Metha教授らの研究グループは、銅(Cu)を触媒として用いる電気化学的二酸化炭素還元における生成物の選択率や触媒の耐久性を高める方法を発表した。

 具体的には、銅ナノクラスター内の配位子相互作用を原子レベルで設計することで、比較的高いギ酸(HCOOH)生成選択率と耐久性を兼ね備えた電気化学的二酸化炭素還元触媒を開発することに成功した。

FPD/PCB NEWS〜12月11日
 

東北大と住友ベークライト 「住友ベークライト×東北大学 次世代半導体向け素材・プロセス共創研究所」を設置

 東北大学と住友ベークライトは、2025年1月1日付けで「住友ベークライト×東北大学 次世代半導体向け素材・プロセス共創研究所」を東北大学青葉山キャンパス内に設置する。東北大学の「共創研究所」制度を活用し、東北大学とともに住友ベークライトが目指す新たな価値を創造し、社会の発展に貢献する。

FPD/PCB NEWS〜12月10日
 

ウシオ電機 大幅に小型化した大気圧プラズマ照射ユニットを発売


  ウシオ電機は、独自電極構造の採用により大幅に小型化した大気圧プラズマ照射ユニット「Lamina5」を発売すると発表した。従来設置できなかった狭小エリアにも設置できる。

 また、Laminaシリーズとして既存のLamina3A(照射幅300mm)に、この550mm照射幅のLamina5をラインナップに加わえたことにより、SEMI規格510×515mmなどの大型基板にも対応可能となった。

FPD/PCB NEWS〜12月9日
 

富士電機と東北大 青葉山キャンパス内に「富士電機×東北大学先端技術共創研究所」を設置

 富士電機と東北大学は、脱炭素社会の実現に向けたパワーエレクトロニクス・パワー半導体分野の研究活動を推進するため、東北大学青葉山キャンパス内に「富士電機×東北大学先端技術共創研究所」を設置した。設置期間は2028年3月末まで。

 東北大学が2021年4月に創設した「共創研究所」制度は大学内に企業との連携拠点を設け、大学の教員・知見・設備等に対する部局横断的なアクセスを可能とすることで共同研究の企画・推進、人材育成、大学発ベンチャーとの連携をはじめとする多様な活動を促進するもの。富士電機と東北大学はこれまでもパワーエレクトロニクス、パワー半導体分野における共同研究を行っており、共創研究所では富士電機のパワーエレクトロニクス、パワー半導体分野における技術に東北大学の材料、プロセス、デバイス、回路、装置、システムなど多岐にわたる先端的な研究力を融合させ、高効率な小型パワーモジュールや電源・駆動システムの研究を行うとともに、脱炭素社会の実現に貢献する新たな価値創出に向けた共同研究テーマの探索に取り組む。

FPD/PCB NEWS〜12月6日
 

アキレス 独自のポリピロールめっき法によりガラス基板上に高密着めっきを形成


▲ガラス基板上にめっき形成した微細配線
 アキレスは、独自のポリピロールめっき法によりガラス基板上への高密着めっき形成技術を開発したと発表した。

 独自のポリピロールめっき法を用い、低温・常圧プロセスで密着性の高いめっき膜をガラス基板に形成することに成功した。12月11日から東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan 2024」に出展する予定。

FPD/PCB NEWS〜12月5日
 

富士フイルム 熊本拠点の先端半導体材料CMPスラリー生産能力を強化

 富士フイルムは、熊本県菊陽町の生産拠点に先端半導体材料であるCMPスラリーの生産設備を増強すると発表した。AI向け半導体の需要拡大にともなうアジアでの需要増に対応するもので、2025年1月の稼働を予定している。

 半導体材料事業の中核会社である富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズが約20億円を投じて、銅配線用を含めたCMPスラリーの生産設備を増強する。この結果、同拠点のCMPスラリーの生産能力は約3割アップする。

FPD/PCB NEWS〜12月4日
 

産総研 リン酸を直接的にトリエステルへ変換できるケミカルリサイクル技術を開発

 産業技術総合研究所(産総研)は、東京科学大学、北海道大学とともに安定なリン酸を直接的にエステル化する技術を開発した。さらに、不純物を多く含む下水汚泥焼却灰から回収した粗リン酸のケミカルリサイクルに対しこの技術を適用し、難燃剤用途として有用なリン化成品であるリン酸トリブチルの合成に成功した。

 ケイ素化合物であるテトラアルコキシシラン(TROS)を用いて、リン酸を直接的にエステル化させる技術を開発した。これまで、リン酸の直接的エステル化反応はほとんど例がなく、既存の報告もリン酸モノエステルやジエステルの合成に関するものだった。今回の技術では、リン酸から一気に難燃剤や可塑剤として利用可能なリン酸トリエステルへ変換することが可能となる。

FPD/PCB NEWS〜12月3日
 

日本板硝子 ガラス端材を活用しリサイクル光輝材を開発

 日本板硝子は、フロート板ガラス製造時に発生するガラスの端材(ガラスカレット)を活用して産業用光輝材の原料となるフレーク状ガラスを製造することに成功した。今後、表面処理プロセスの量産化技術の確立を進め、2026年にリサイクル光輝材「METASHINE ECO」をリリースする方針。

 METASHINE ECOは、再利用が困難と思われてきたガラスカレットを原料として活用。これにより廃棄ガラスの削減に加え、図の採掘、海上輸送、混合、溶融といった従来品の製造プロセスに使用されるエネルギー量の削減によってCO2の発生量を従来比最大30%の削減が期待される。

FPD/PCB NEWS〜12月2日
 

レゾナック 先端半導体パッケージ向け感光性フィルムを開発

 レゾナックは、先端半導体製造用の高解像度感光性フィルムを開発したと発表した。先端パッケージの有機インターポーザー上にL&S=1.5μm/1.5μmという微細なCu配線が形成できる。

 要求される高解像度を達成するためのカギとなる新たなポリマー樹脂を開発。さらに、この樹脂を使用して配合とフィルム化を実施。最終的に、パッケージングソリューションセンターが実際にこのフィルムを用いてパネル上にCu配線を試作・評価し、最適なプロセスまで検証した。

FPD/PCB NEWS〜11月29日
 

東京科学大 プラズマ技術を用いてCOから電気伝導性が高いカーボンブラックを大量合成

 東京科学大学工学院機械系の野崎智洋教授、Xiaozhong Chen博士研究員は、非平衡プラズマでCOを活性化し鉄触媒に作用させることで高い電気伝導性を示すカーボンブラックを大量合成することに成功した。

 安価な鉄触媒を流動媒体とするプラズマ流動層反応装置を用い、約600℃という低温でCOから電気伝導性が高いカーボンブラックを大量連続合成した。合成した炭素材料は電気伝導性が高く、燃料電池や二次電池など低炭素技術で有望される電気化学デバイスの電極材料として利用することができる。

FPD/PCB NEWS〜11月28日
 

UBE 半導体用途向け高純度硝酸の生産能力を増強

 UBEは、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)の高純度硝酸の生産能力を増強すると発表した。2024年度初頭に増設した製造設備に続くもので、生産能力は30%程度アップする予定。

FPD/PCB NEWS〜11月25日
 

東京理科大 低消費電力の色素増感太陽電池ベース光電子シナプス素子を開発

 東京理科大学先進工学部電子システム工学科の生野孝准教授、東京理科大学大学院先進工学研究科電子システム工学専攻の小松裕明氏、細田乃梨花氏の研究グループは、光強度を変化させることで時定数を制御できる色素増感太陽電池ベースの光電子シナプス素子を開発した。また、開発したデバイスを物理リザバコンピューティング(PRC)に応用したデバイスが消費電力を抑えつつ、人の動きを高い精度で識別できることを実証した。

 開発したデバイスは、光強度に応じてペアパルス促進やペアパルス抑制といったシナプス可塑性特性を示した。また、時系列データの処理において、入力パルス幅が変化しても光強度を調整することで高い計算性能が得られた。さらに、人の動作認識においても、消費電力を抑制しつつ、90%以上の高い精度で判別可能であることを実証した。

FPD/PCB NEWS〜11月21日
 

日本曹達とKyulux 有機EL発光材料の量産体制構築に向け資本業務提携

 日本曹達とKyuluxは、次世代有機EL発光材料である熱活性化遅延蛍光材料(TADF)の量産体制構築に向け資本業務提携契約を締結した。

 今後、日本曹達はKyuluxに資本参加するとともに、量産体制確立に向けたプロセス開発・設備投資を行い、Kyuluxは日本曹達の量産体制構築を技術面から支援することによりTADFの量産と安定した供給体制を実現する。

 Kyuluxは、有機ELディスプレイなどに用いられる次世代有機EL発光材料を開発した九州大学発のスタートアップ。KyuluxのTADFはレアメタルを使用しない環境負荷低減型材料で、このTADFをアシストドーパントとして活用した有機EL発光技術Hyperfluorescenceは高効率、高色純度、長寿命、低コストを同時に実現するとされる。

FPD/PCB NEWS〜11月20日
 

日本電気硝子とビアメカニクス コア基板開発加速に向けた共同開発契約を締結

 日本電気硝子とビアメカニクスは、ガラスおよびガラスセラミックス製半導体パッケージ用無機コア基板の開発加速に向けた共同開発契約を締結した。

 今後、日本電気硝子はCO2レーザーによるビア形成を可能にするべく、長年培ってきたガラスやガラスセラミックスのノウハウとビアメカニクスのレーザー加工技術を融合するため、ビアメカニクスと共同開発契約を締結するとともに、ビアメカニクスのレーザー加工装置を導入し無機コア基板の早期開発を目指す。

FPD/PCB NEWS〜11月19日
 

住友電工 ディーピーエスとFPC製造工程で使用されるレアメタルの回収で契約

 住友電気工業は、ディーピーエスとフレキシブルプリント回路(FPC)製造工程で使用されるレアメタルの回収事業に関する契約を締結した。

 DPS社より住友電気工業ベトナムのFPC製造拠点に対し独自構造のシリカゲル「DualPore」の応用によって超低濃度で排水に含まれたPdを吸着・回収する技術提案を受け、検証の結果、採用を決定した。この回収されたPdを日本国内の金属精錬業者に売却するスキームを確立することで原価を低減するとともに、レアメタルであるPdの国際資源循環や採掘・精錬にともなう環境負荷低減に貢献することが可能になる。


FPD/PCB NEWS〜11月15日
 

リガク 非晶質炭素材料の原子構造を3Dで可視化する技術を開発

 リガクは、X線研究所で非晶質炭素材料の原子レベルの3D構造を明らかにする新技術「TXS-RMC法(全散乱測定+RMC法)を開発した。

 従来、非晶質炭素材料の原子レベルの構造は定性的に扱うか、分子動力学法(MD)によって予測・推定していた。TXS-RMCの3D構造可視化技術によってより正確な情報を得ることが可能となり、物質的特性に対する理解の促進や機能の予測への活用が期待される。

FPD/PCB NEWS〜11月14日
 

マクニカ ペロブスカイト太陽電池の実用化に向け苛烈環境下で大規模実証

 マクニカは、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証を横浜市の大さん橋デッキ上で開始したと発表した。ペロブスカイト太陽電池の課題の一つである耐久性と容易な交換を可能とする着脱方法を検証するためで、国内でも最大規模の実証となる。

 今回行われる「港湾などの苛烈環境におけるPSCの活用に関する技術開発(委託)」は環境省の「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択され、2023年度より3年間で技術開発・実証事業を実施。ペロブスカイト太陽電池の発明者である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授の指導のもと、マクニカが代表事業者として、ペクセル・テクノロジーズ、ペロブスカイトの製造を担当する麗光の3社で推進中。

 2023年度は重塩害環境下でのPSCモジュールの開発を進め、大さん橋実証では発電効率10%以上を実現し、塩害調査と併せてPSC稼働システムを実証。2024年度はPSCモジュールのさらなる高効率化と容量の拡大対応を進めるとともに、量産化を実現する生産方式(RtoR)でのPSCモジュール製造技術を開発中。

 今回の大さん橋実証では、RtoR方式によって製造したPSCモジュールで非常用電源電力サイズのシステムを構築し、海風の強い重塩害環境である大さん橋デッキ上で屋外でのPSC発電システムの稼働実証を行う。また、フィルム形態のPSCモジュールの交換可能な装着方法の検証も行う。

FPD/PCB NEWS〜11月13日
 

田中電子工業 NITTOKUとボンディングワイヤ事業のFA設備開発・製造で業務提携

 田中電子工業は、NITTOKUとボンディングワイヤ事業に係るFA設備の開発・製造に関する業務提携することで合意した。

 業務提携にともない、田中電子工業は巻線システムのリーディング企業であり精密FAラインビルダーとしての事業も拡大しているNITTOKUから製造ラインのFA化に関する開発リソースの提供を受ける。

FPD/PCB NEWS〜11月12日
 

日本触媒 イーテックの株式を取得し子会社化

 日本触媒は、エマルジョン事業等を営むイーテックの株式を取得することでJSRと合意し、株式譲渡契約を締結したと発表した。

 イーテックは1963年、JSRの子会社として設立され、エマルジョン事業とファイン事業を営む。日本触媒は、今回の株式譲渡を通じてコンストラクションケミカルズを中心とした製品ポートフォリオの強化、エマルジョン重合技術や生産能力の拡大、コンパウンド技術による製品提案力の強化が可能になると判断した。

FPD/PCB NEWS〜11月7日
 

デクセリアルズと三菱総研 生成AIによる技術開発領域可視化システム構築を開始

 デクセリアルズと三菱総合研究所(MRI)は、生成AIを用いた技術領域の自動可視化システムの構築を開始したと発表した。

 両社は、2022年よりAIを活用したPoC(概念実証)を行ってきた。その結果、AIによって求める事業領域の技術資料を選定、解析・図化し、素早く必要な材料をそろえることができるなど、変革の可能性を見出した。この成果をもとに、技術領域の自動可視化システムを構築し、新規事業探索部門で業務効率化と知見・ノウハウの組織知化を進める。将来的には、研究開発の現場でも生成AIの活用により、迅速かつ多様な分野での業務遂行を実現させることを目標とし、検証を加速する。

FPD/PCB NEWS〜11月6日
 

レゾナック 液状封止材の特許維持が決定

 レゾナックは、保有する液状封止材に関する日本国特許(特許第7343977号)が第三者から特許の有効性に関する異議申立てを受けていたが、特許庁により有効と判断されたと発表した。大型化するAI向け先端半導体パッケージの性能向上に貢献する特許で、同社はこの技術を適用した製品を10月から販売している。