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イノベーション・ジャパン2023〜大学見本市&ビジネスマッチング〜(2023年8月24〜25日) |
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8月24〜25日、東京ビックサイトで「イノベーション・ジャパン2023〜大学見本市&ビジネスマッチング〜」が開かれた。新型コロナウィルス感染流行の影響で過去3年間、ONLINE開催を余儀なくされていたが、今年は4年ぶりにリアル展示会に。ペロブスカイト太陽電池関連を中心にWhat's Newをレポートする。
オリジナルテクノロジーはそのデバイス構造と製造プロセスにある。図1のように、FTO透明電極付きガラス基板上に緻密TiO2膜をスプレー塗布した後、ポーラスTiO2をスクリーン印刷して500℃で焼成。次に、ポーラスZrO2、背面電極としてポーラスカーボンをスクリーン印刷し400℃で焼成する。そして、最後にPb系ペロブスカイト溶液をポーラス部全面に食い込ませる形で吸着させる。つまり、色素増感太陽電池を模したMeso-porous型デバイス(透明電極/電子輸送層/ペロブスカイト層/ホール輸送層/背面電極)をさらに発展させ、従来の真空蒸着AuまたはAgに代わって印刷カーボンを背面電極に用いる非スタック型構造(MPLE:Multiporous-Laered-Electrodes)をとる。このため、大気下で印刷をはじめとしたオールウェットプロセスが実現する。もちろん、ペロブスカイト中で電子の移動距離低減が可能なため、光電変換効率が向上するというMeso-porous型デバイスの特徴はそのまま継承する。
ブースでは写真1のように80×80oサンプルやさらに小型のサンプル群などを展示。技術的にはすでに実用レベルにあることをアピールしていた。ちなみに、上記のようにプロセス温度の制約からサブストレートはガラスに限られ、フレキシブル化は事実上不可能といえる。 ポリシラン処理でペロブスカイト太陽電池の耐久性・効率を改善 一方、滋賀県立大学の研究グループはペロブスカイト上にポリシラン膜を設けてデバイス耐久性を向上したことを報告した。
図2は光電変換効率の比較で、クロロベンゼン(CB)のみで処理したデバイスはそもそも効率が低かったのに対し、CB+DPPS処理したデバイスは前者に対し2.5〜5倍という高い効率を示した。さらに、220℃で熱処理すると光電変換効率がほとんど変化せず、高い信頼性が得られた。 水溶液を用いてPVKを成膜して耐水性を向上 佐賀大学はハロゲン化鉛ペロブスカイトが水分によって劣化しデバイス信頼性が問題になっているなか、水溶液を用いてペロブスカイト膜を成膜することにトライした。 一般的に、ペロブスカイトは高濃度ハロゲン化メチルアミンでは安定なため、水分による水和反応(平衡反応)を抑制するのが狙いだ。この結果、デバイス耐水性を改善することに成功。このため、H2Oをブロックするガスバリア膜や強固な封止膜が不要になることが期待できる。 ただし、光電変換効率は3%程度と低い。これは、ITO/TiO2/ペロブスカイト/電解質/Ptというシンプル構造のためで、キャリアトランスポートレイヤーのインサートや材料・レイヤー構成の工夫などデバイス構造を最適化すれば、2倍以上の効率改善が見込めるという。 プラズマによるナノミストに無限の可能性
図3のようなプラズマナノミスト生成装置により各種溶液をミスト化するもので、ヒマシ油から食塩水まで幅広い溶液がミスト化可能。例えば医療分野では麻酔薬の経皮吸収促進、エネルギー分野ではガソリンの燃焼効率向上、アグリ分野では農作物の殺菌など用途は無限ともいえるほど。エレクトロニクスデバイス分野では各種ナノ薄膜の成膜に有望で、ナノミスト化によって緻密かつ平滑性の高い薄膜が成膜できそうだ。 |
REMARK 1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。 2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。 |
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