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電子機器トータルソリューション展2022 (2022年6月15〜17日)


電子機器トータルソリューション展2022 MICRO/MINI-LED向けマテリアルの提案が活発に


写真1 Agナノインクの印刷サンプル

6月15〜17日、東京ビッグサイトで開かれた「電子機器トータルソリューション展2022」。ディスプレイ関連で目立っていたのは次世代ディスプレイとされるMICRO/MINI-LED向けマテリアルで、Agナノインクや感光性黒色材料などが新鮮に映った。おもなトピックスをレポートする。


 低温焼成可能でフレキシブルサブストレートに適するナノメタルインクでは、ダイセルが完成度を高めたAgナノ粒子インク「Picosil」を大々的にアピールした。粒径20nm程度のナノAg粒子を均一に分散したインクで、インクジェット印刷用、スプレー印刷用、ディスペンス印刷用、スクリーン印刷用など多様なプリンティング法に対応するラインアップを用意。焼成条件は120℃×30minで、焼成後は数μmサイズの多結晶膜が得られる。気になる比抵抗は3〜5μΩ・cmで、焼成温度を150℃程度にまで上げるともっとも低い比抵抗が得られる。

 ブースでは、熱線をスクリーン印刷した透明ヒーター、半球面にファインラインを印刷した曲面サンプル、配線をスクリーン印刷したMINI-LEDモジュールなどを展示。幅広い分野で応用可能なことを誇示した。気になる価格はコンベンショナルなμmサイズAgインクの1.5〜2倍程度とのこと。

TAIYO INKがMicro-LEDのBM用感光性材料を紹介


写真2 L&S=10μm/10μmのBMパターン
 一方、TAIYO INKはWhat's NewとしてMicro-LED向けの感光性黒色材料をパネル展示した。RGBサブピクセルを仕切るブラックマトリクス(BM)形成用で、OD値が1.1と高いのが特徴。スリットコート法をはじめとする各種コーティング法で塗布した後、一般的なTMAH現像液で現像でき、L&S=10μm/10μmクラスというファインパターンが得られる。なお、同社は感光性の白色材料、透明材料も開発中だという。

Roll to Roll方式でCVD成膜した膜で十分なガスバリア性が

 有機EL関連では、今年も山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンターが存在感を誇示した。トピックスはRoll to Roll方式対応製造プロセスの提案で、PENフィルム上にSiOxガスバリア膜をプラズマCVD法、IZO透明導電膜をスパッタリング法で連続成膜し、エッチングレジスト印刷〜ウェットエッチングによって透明電極をパターニングしたサンプルを紹介。気になる水蒸気透過性も10-6g/m2/day(WVTR)とガラス基板製デバイスと遜色ないガスバリア性を実現。つまり、プラスチックフィルム製デバイスでも比較的リーズナブルなコストで十分なガスバリア性が得られることを示した。

帝国インキがユニークなLEDスクリーンで存在感


写真4 フレキシブルLEDスクリーン

写真3 各種有機ELサンプル
 完全なエレクトロニクス関連製品とはいえないかもしれないが、今回もっともユニークに見えたのが帝国インキ製造のフレキシブルLEDスクリーン。波長650nmの赤色または波長380〜420nmの青色だけを透過する透明インク層をスタックし、背面に配置した赤色・青色LEDによって赤色または青色、さらに両色で文字などを表示するスクリーンシステムで、LEDの直上に設けたスモークフィルターによって暗室コントラストを高めた。

 ブースでは、写真4のように大型スクリーンを展示。そのアイキャッチ効果は抜群にみえた。なお、同社は透明インクとスモークフィルター材料を供給する方針。

REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

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