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第36回インターネプコンジャパン/第23回半導体・センサパッケージング技術展/第23回電子部品・材料EXPO/第23回プリント配線板EXPO/第12回微細加工EXPO (2022年1月19〜21日)


第36回インターネプコンジャパン/第23回半導体・センサパッケージング技術展/第23回電子部品・材料EXPO/第23回プリント配線板EXPO/第12回微細加工EXPO
成膜インフラで部材、装置ともニュープロポーザルの提案が

1月19〜21日、東京ビッグサイトで開かれた「第36回インターネプコンジャパン/第36回エレクトロテストジャパン/第23回半導体・センサパッケージング技術展/第23回電子部品・材料EXPO/第23回プリント配線板EXPO/第12回微細加工EXPO」。独断と偏見でおもなWhat's Newをピックアップする。


三菱ケミカルが高分子/高屈曲性エポキシフィルム上にLEDアレイを実装


写真1 高分子/高屈曲性エポキシフィルムをサブストレートに用いたMINI/MICRO-LED
 まずマテリアル関連では、三菱ケミカルが新たな透明プラスチックフィルムとして高分子/高屈曲性エポキシフィルムの存在をさらに高めた。エポキシフィルムだけに上層との密着性が高く、基本的に密着層レスでインクやペーストなどをダイレクト塗布・印刷できる。また、ガラス転移点(Tg)がないなど耐熱性も高く、実質的な耐熱温度は250℃程度に達する。可視光透過率は89〜91%、熱膨張係数は54〜71ppm。

 同社は2021年10月の「電子機器トータルソリューション展2021」で初めてこのフィルムを展示し、このフィルムをサブストレートにした分散型無機ELデバイスを披露したが、今回はAg電極付きフィルム上に密着層レスでLEDチップをダイレクト実装したMINI/MICRO-LEDを披露。密着性や耐熱性が問われる電子デバイスに有効なことを証明した格好だ。

タッチパネル配線を黒色化するターゲット材が登場

 今回は部材、製造装置とも成膜関連のWhat's Newが目についた。マテリアルでは、大同特殊鋼が車載向けをはじめとするタッチパネルに有効なメタルメッシュ黒化配線膜用としてスパッタリングターゲット材「STARMESHシリーズ」を提案。一般的なCu配線の上に成膜して配線を黒化し反射を大幅に低減するもので、Cu配線の腐食を抑制する効果も合わせ持つ。


写真3 線幅10μmと3μmのメッシュパターンサンプル

写真2 成膜サンプルの黒色度比較
(左からSTARMESH-β1黒化膜、Cu膜、STARMESH-α1黒化膜)
 Cu合金のSTARMESH-α1とTi合金のSTARMESH-β1をラインアップ。反射率は前者が約19%、後者が約16%(いずれも@400〜800nm)で、ブースでは写真の2のように成膜サンプルの黒色度を比較デモした。ちなみに、前者はCuとの一括ウェットエッチングが可能な一方、後者はそれぞれ各レイヤーを別途ウェットエッチングする必要があるため、コスト面を考えると前者の方がニーズが強いといえそうだ。

 また、写真3のように線幅10μmと3μmにファインパターニングした積層メッシュタッチパネルも披露。10μm以下のファインパターンにも容易に対応できることを示した。いずれも現在、成膜メーカーへサンプル出荷中で、1m級の大型プレーナーターゲットも供給可能だ。

高速スパッタ装置でフィルムにCu膜をダイレクト成膜


写真4 高速PVD法で成膜したCu膜サンプル
 一方、イクイップメントでは芝浦機械が独自の高速PVD装置をFPCなどのCu膜成膜向けとしてアピールした。ここでいうPVDとはPhysical Vapor Depositionの略、つまりスパッタリング装置である。

 最大の特徴は、例えばPETフィルムをはじめとするプラスチックフィルム上に密着層レスでCu膜をダイレクト成膜できること。これは独自のプラズマ生成ユニットによって高密度プラズマを発生するとともに、0.1〜100Paと中真空領域でスパッタ成膜することから、フィルム表面の樹脂が改質されるため。つまり、フィルム表面に官能基が生成され、Cuと酸化結合するためと考えられる。この結果、成膜レートもマックス35nm/secと速い。気になる膜厚均一性は540×630o基板で10%以内。現在、枚葉式R&D装置で成膜テストを行っているが、量産採用が決まればインライン装置をリリースすることにしている。

接着剤をスクリーン印刷でファインパターニング


写真5 接着剤をスクリーン印刷したサンプル
 製造プロセスでは、スクリーン印刷機メーカーのマイクロ・テックがスクリーン印刷の新たな応用シーンとして接着剤のパターニングプロセスを提案した。DELO工業接着剤のオリジナル接着剤をガラスエポキシ基板などへスクリーン印刷パターニングする試みで、マイクロ・テックのスクリーン印刷機「MT-650TVC」でフレーム、正方形、ドット、ライン、ベタなどさまざまな形状でパターニングしたサンプルを披露。線幅はミニマム250μmまでファイン化できることを示した。ファーストターゲットはMINI/MICRO-LEDで、この接着剤印刷技術を用いればMINI/MICRO-LEDが比較的容易に作製できるとしている。



REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

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