第34回インターネプコンジャパン/第34回エレクトロテストジャパン/第21回半導体・センサパッケージング技術展/第21回電子部品・材料EXPO/第21回プリント配線板EXPO/第10回微細加工EXPO/第12回LED・半導体レーザー技術展
信越化学がマイクロLEDプロセスとそのマテリアルソリューションをPR
1月15〜17日、東京ビッグサイトで開かれた「第34回インターネプコンジャパン/第34回エレクトロテストジャパン/第21回半導体・センサパッケージング技術展/第21回電子部品・材料EXPO/第21回プリント配線板EXPO/第10回微細加工EXPO/第12回LED・半導体レーザー技術展」。独断と偏見ながらおもなトピックスをレポートする。
西展示棟の1Fエントランスで開かれたLED・半導体レーザー技術展では、信越化学工業が圧倒的な存在感を誇示。ここにきて次世代ディスプレイとして認知されつつあるマイクロLED向けとして、ディスプレイガラス基板へのマイクロLEDチップ実装プロセス例と同社のソリューションを紹介した。
写真1 ガラス基板へのLEDチップ実装サンプル |
GEN
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1st GEN |
2nd GEN |
3rd GEN
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35×35mm |
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石英基板厚
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1.2mm |
1.2mm
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1.2mm
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シリコンベースエリア |
29×29mm |
44×44mm |
65×65mm |
ドットエリア |
27×27mm |
42×42mm |
63×63mm |
ドットサイズ |
3μm |
3μm |
3μm |
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表1 EZ-PETAMPのロードマップ
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そのプロセスフローだが、まず青色または緑色LEDが形成されたサファイア基板と石英ドナープレートを貼り合わせ、サファイア基板側からレーザービームを照射してLEDチップをドナープレート側に転写。この後、HClと純水で洗浄してGaなどを除去する。続いて、石英基板上に樹脂製粘着層パターンが設けられたスタンプEZ-PESTAMPをドナープレートに貼り付け、LEDチップを粘着層パターン上に再転写する。最後に、EZ-PESTAMPをディスプレイガラス基板に接触させてLEDチップパターンを転写する仕組み。同社はドナープレートとEZ-PESTAMPを供給する。表1のように、ブースではEZ-PESTAMPのロードマップを明示。現段階では1Gのプロトタイプをサンプル供給しているが、技術的には3Gに相当する大型サイズも開発済みとしている。
フレキシブルデバイス用マテリアルとしてPEDOTが再び脚光
ディスプレイや照明デバイス用有機材料では、独Heraeus(ヘレウス)がフレキシブルデバイス向けとしてPEDOT「Cleviosシリーズ」をアピールした。周知のように、PEDOTは塗布成膜可能な透明導電ポリマーで、有機ELデバイスのホール注入材料や各種透明導電材料として使用することができる。ブースでは、写真2のようにCleviosホール注入層を用いた有機EL照明デバイス(香港FIRST LITE製)を展示。すでに、このカテゴリーでは量産採用されていることを誇示した。
写真2 ホール注入層にPEDOTを用いた有機EL照明 |
一方、透明電極向けではPEDOTとAgナノワイヤーを組み合わせた「Clevios HY E」をリリース。PEDOTのフレキシブル性とAgナノワイヤーの導電性を両立したもので、表面抵抗は30〜150Ω/□。さらに、曲率半径1mmの曲げ試験でも30万回以上という耐久性を誇る。ちなみに、総じてPEDOTはウェットエッチングが困難なため、透明電極として用いる場合は@Clevios層上をフォトレジストまたは印刷レジストでマスキング、Aレーザー照射によってClevios層をパターニング(化学的不活性化により非物理的にパターニング)、Bマスキング層を除去、という独自のレーザーエッチング法を推奨している。
常温焼結したAgパターンを実基板に転写
写真3 転写サンプル(三菱製紙) |
他方、三菱製紙はPCB向けとして新たな製造プロセス用マテリアルを相次いで提案した。まずは銀ナノ転写用メディアで、転写プロセスによってAgパターンを実サブストレートに転写する。
具体的には、図1のように同社が供給する銀ナノ転写用メディアをインクジェット印刷やスクリーン印刷で印刷。この際、ナノAg粒子についていた保護膜や溶剤成分などがアンダーレイヤーに吸収され、表面には常温で融合したポーラスなAg膜だけが残る。つまり、この時点でほぼピュアAg膜が得られる。この後、転写ワークに銀ナノ転写用メディアをラミネートした後、リリースすることによりワークにAgパターンを転写する仕組み。気になるシート抵抗値は0.2Ω/□クラスだが、さらなる導電性が求められる場合はAgをメッキ成膜によって積み増していけばいい。
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図1 Agナノ転写用メディアを用いた転写プロセスフロー(三菱製紙) |
同社は、ガラス基板やBT(ビスマレイミド・トリアジン)レジストを使用するPCB向けとしてサンドブラスト用ドライフィルムレジスト(DFR)もアピールした。周知のように、サンドブラスト法はコンベンショナルなウェットエッチングでは困難なハイアスペクト比パターンが形成できるため、ここにきて再びエレクトロニクス分野で注目を集めている。今回はその応用例としてガラス基板をダイレクト切削するケース、そして50〜200μmという厚いBTレジストをマスキングパターンに用いて銅箔にホールパターンを設けるケースを提案。いずれも同社のDFRを用いれば、ハイアスペクト比で断面形状もシャープなパターンが得られることを示した。
伸縮してもほとんど抵抗値が上昇しないストレッチャブル導電ペーストが登場
写真5 ストレッチャブル導電ペーストのスクリーン印刷サンプル |
写真4 サンドブラスト法で作製したホールパターン |
一方、東洋インキSCホールディングスはフレキシブルデバイス向けとしてスクリーン印刷用ストレッチャブル導電ペーストを紹介した。80〜120℃で硬化後の体積抵抗率は標準タイプで2×10-4Ω・cm、低抵抗タイプで3×10-5Ω・cm。20%までの伸縮率なら10万回以上の耐久テストでも抵抗値はほとんど上昇せず、元の形状に戻せばイニシャルの抵抗値に戻る。伸縮性配線材料としてセンサー、アクチュエーター、ロボットなどに有効だという。 |