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Inter BEE 2019(2019年11月13〜15日)


Inter BEE 2019 NHKがシャープと共同開発した30型フレキシブル有機ELDを披露
収納自在なデモでテレビの新しい使用シーンを提案

NHKは11月13〜15日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された国際放送機器展「Inter BEE 2019」でシャープと共同開発した30V型フレキシブル有機ELディスプレイを披露した。カラーフィルタレスのRGB独立発光方式パネルで、パネル自体をベース筐体に収納するデモはインパクト抜群だった。

 パネルは反射アノード/ホール注入層/ホール輸送層/EL発光層/電子輸送層/電子注入層/光透過性カソードというトップエミッション構造。ベースサブストレートと封止サブストレートにプラスチックフィルムを用いることにより厚さを0.5o、重さを100gに薄型軽量化しフルフレキシブル化した。構造自体はシャープがスマートフォン用パネルに採用している技術を流用したもので、とくに目新しい技術はないという。また、有機EL素子を駆動するTFTにはLCDで量産採用しているIGZO(In-Ga-ZnO)-TFTを用いた。

 冒頭のように、最大の特徴はそのフレキブル性からベース筐体にすっきり収納できること。写真3のように、ベース筐体に設けた直径4cmのバーでパネルを巻き取ることができる。つまり、使用しない際は存在がなくなるという究極の省スペースディスプレイだ。シャープが近い将来製品化する方針だが、具体的な計画はまだ決まっていないという。

 気になるライフタイムは定量的に測定していないが、フレキシブル化したからといって表示特性が劣化することはない。つまり、特殊な技術を用いなくてもプラスチックフィルム基板と固体封止技術を用いれば、比較的容易にフレキシブルディスプレイが実現する。これこそが有機ELDのレゾンデートルを証明した表現といえよう。

写真1 通常時


写真2 収納途中

写真3 収納時 


REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

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