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第41回インターネプコン ジャパン/第13回プリント配線板 EXPO/第13回半導体パッケージング技術展(1月18日〜20日) |
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1月18〜20日、東京ビッグサイトで「第41回インターネプコンジャパン/第13回半導体パッケージング技術展/第13回プリント配線板EXPO/第3回先端電子材料EXPO/第2回[精密][微細]加工技術EXPO」が開かれた。インターネプコンの主要テーマであるプリンティングテクノロジーではスクリーン印刷でトピックスが続出。同時開催された「ライティングジャパン2012〜第4回次世代照明技術展〜」では、有機EL照明デバイス向けインフラが注目を集めた。独断と偏見でトピックスをレポートする。
インターネプコンのメインテーマのひとつといえるプリンティングテクノロジーについては、ここにきて用途に応じてそのバリエーションが広がってきたように感じた。まず、通常のスクリーン印刷では印刷機メーカーのマイクロ・テックがAGCのナノCuペーストをスクリーン印刷したサンプルを展示。PETフィルム上に線幅50μmでダイレクト印刷したもので、印刷後、180℃以下で低温焼成した。ただ、比抵抗は通常のポリマー型ナノAgペーストの1.5倍程度と高いため、説明員は「実用化にはさらなる低抵抗化が必要になる」とコメントしていた。 電鋳メタルマスクで印刷断面形状を鋭角に マイクロ・テックは、通常のSUSメッシュスクリーンマスクに代わってメタルマスクを用いることも提案。印刷面にアテネのNi電鋳メタルマスク、その周囲にテトロンメッシュを用いたコンビネーションマスクで、通常のスクリーン印刷機で印刷できる。つまり、クリアランス(印刷ギャップ)をとりながらオフコンタクト印刷する仕組みで、この結果、コンタクト印刷のようにペーストのにじみが大きくなることはない。また、SUSメッシュスクリーンマスクを使う場合と比べると、印刷ラインの断面形状が鋭角になるのが特徴。ブースでは635×550o基板上に3型のタッチパネルを21面取りすると仮定し、「MTP-1100TVC」でPETフィルム上にAgペーストをL&S=50μm/50μmで印刷したサンプルを展示。さらに、MTP-1100TVCによる印刷デモも敢行するなど、すでに実用レベルにあることを示した。
ロータリースクリーン印刷機はフットプリントでも有利 他方、ニューロング精密工業は他の印刷機メーカーが手掛けていないロータリースクリーン印刷機を大々的にアピールした。その原理からクリアランスがゼロになるためペーストのにじみが少なく印刷解像性が高いことを強調。さらに、例えば30インチ幅のワークに印刷する場合、通常の平版スクリーンマスクはフレームサイズ1500×1500oと巨大になるのに対し、ロータリースクリーンは幅740oとコンパクトで、この結果、印刷機のフットプリントも大幅に小さくなるという。ブースではソノコムの30インチ幅ロータリースクリーン、そしてグラフィックインクを印刷したフィルムサンプルを展示。とくに大型ワークに適していることをピーアールしていた。 東海精機が凹版オフセット印刷機市場に進出 同じくスクリーン印刷機メーカーの東海精機は今回初めて凹版オフセット印刷機を披露。プリンタブルエレクトロニクス分野における印刷機のバリエーションを増やす姿勢を示した。展示したのは100×100o基板対応の実験機で、インクはガラス製凹版→シリコンブランケット胴→ワークという順で転写印刷される。印刷速度は5〜50o/secである。最大の特徴は20μmクラスというハイレゾリューション性で、PETフィルム上にDICのAgインクをL&S=30μm/45μmで印刷したサンプルを展示。スクリーン印刷に比べファイン化が容易なことを強調していた。今後、550×650oクラス対応の大型印刷機も製作する予定だ。
樹脂層を設けたメタルマスクで印刷にじみを抑制 メタルマスクでは、ソノコムが太陽電池の電極向けとしてRCメタルマスクと名づけたニュープロダクトを披露した。メタルマスク上に樹脂層を設けたもので、印刷時に樹脂層がワークと接触するためワークとの密着性が向上するとともに、印刷ダメージが抑制できる。展示したプロトタイプはNiメタルが25μm厚、樹脂が15μm厚で、樹脂はスクリーンマスク用の感光性乳剤または市販のネガ型フォトレジストを使用した。 導電性クロムマスクで放電破壊を防止
フォトマスク関連では、竹田印刷が導電性クロムガラスマスクというトピックスを提供した。フォトマスクの放電破壊を防止するためで、ITOなどの透明導電膜上にCr遮光パターンを設けて導電性をもたせたのが特徴。透明導電膜はベタ膜にする必要があるため、Cr膜のウェットエッチング時のプロセス条件を工夫したとみられる。展示したのは9インチマスクで、透明導電膜/Crの2層ブランクスは成膜専業メーカーから調達した。 ユニークな異方性導電材料が登場 マテリアル関連でユニークだったのが、富士フイルムの異方性導電材料(Anisotropic Conductive Device)。陽極酸化によってAl2O3ベースプレート(板厚100μm)に径20〜300nmのナノホールアレイを自己整合的に設け、そのなかにCu、Ni、Auといったメタルをメッキ成膜したもので、いうまでもなく絶縁樹脂中に導電粒子を分散させる通常のACFに比べ微細化対応が容易になり、接続信頼性も大幅に向上する。残念なのはAl2O3プレートを用いるためフレキシブル性がなく、FPDパネルとFPCの接続時に加圧実装しにくいこと。このため、実用化にはやはりフレキシブルサブストレートを用いることが前提になりそうだ。 ナノドットアレイで有機ELの光取り出し効率を向上 次世代照明技術展では、王子製紙が有機EL照明デバイス向けとしてナノドットアレイ(ND)を紹介した。周期0.1〜5μm、アスペクト比0.1:1〜3:1のナノドットによって有機ELデバイスの光取り出し効率を高めるマテリアルで、ナノドットはピラミッド状、ピラー状、円錐状などさまざまな形状が可能。気になる用途は光取り出し改善フィルム(ピラミッドシート)とND付きガラス基板の二つを想定している。前者は有機ELデバイスの前面にND付きプラスチックフィルムを貼り付ける仕組みで、輝度が1.3倍にアップする。写真7はルミオテックの市販パネルにNDフィルムを貼り付けたもので、レスパネルに比べ輝度が高いことがわかる。
後者はガラス基板にNDを設ける仕組みで、デバイスメーカーはこの基板上にアノード、有機EL層、カソードを形成する。その効果だが、これまで熱失活していたカソードの表面プラズモンエネルギーを光に変換する結果、輝度が1.7〜2倍に向上するという。 ちなみに、NDは@独自のナノ粒子を基板上に塗布し自己整合的に配列、A配列したナノ粒子をマスクにしてリアクティブドライエッチング、Bナノ粒子を除去、といったフローで形成。同社はNDを設けたシリコンスタンパとND付きガラス基板を供給する方向だという。なお、当面の対応サイズは6インチとのこと。
日本電気硝子は平滑ITO/積層メタル膜付きガラス基板も供給 日本電気硝子は有機EL照明デバイス用サブストレートとしてノンアルカリガラスをアピール。パナソニック出光OLEDの白色有機EL照明デバイスを展示し、すでに量産採用されていることを誇示した。また、Ra=1.5nm以下という平滑ITO膜、さらに補助導電膜としてMo/Al/Mo膜を成膜した膜付きガラス基板も供給できることもアピール。このテリトリーでも付加価値を高めたガラス基板を製品化していることを示した。
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REMARK 1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。 2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。 |