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CEATEC JAPAN 2008(9月30日〜10月4日) |
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9月30日から10月4日、幕張メッセで開かれている「CEATEC JAPAN 2008」。ディスプレイ関連ではネックストジェネレーションを合言葉にシャープやソニーなどが次世代ディスプレイを展示し人気の的に。一方、有機EL面光源や超薄型LED光源が展示されるなど照明デバイスにもレボリューションが迫っている感を強く受けた。
近年、CEATECの主役といえばなんといっても薄型テレビ。昨年は液晶テレビの薄型化競争が熾烈をきわめたが、今年はコントラスト競争に焦点が移ってきたように感じた。結論からいうと、そのコントラストは各社ともハイエンドモデルまたはプロタイプで100万:1。いわゆるメガコントラストだ。昨年までメガコントラストを標榜していたのはシャープだけだったが、今年はシャープに加え、ソニー、日本ビクター、日立製作所もメガコントラストを実現。エキジビションではメガコントラストが当たり前になってきたようだ。 メガコントラストを実現するキーテクノロジーは、RGBバックライト(BL)と輝度エリアコントロール。色純度の高いRGB-BLを1000個以上パネルの直下に配置して色再現性を高めるとともに、パネルを複数のブロックに分割し、画像に合わせてブロックの輝度をエリアコントロールする。例えば、映画でよくみられる暗いシーンはBLの輝度を落としてメリハリのついた映像にする。これによりメガコントラストを実現するとともに、色再現性もNTSC比120%以上に高める。
メーカー別にみてみると、ソニーとシャープは製品レベル、他社は参考出展レベルだった。ソニーは55V型フルHD液晶テレビ「KDL-55XR1」を10月10日にリリース。シャープは今秋、52V型/65V型フルHD液晶テレビ「XS1」をフラッグシップモデルとして世界同時発売する。そのスペックはNTSC比150%というから驚きに値する。これだけコントラスト・色再現性が高いためか、世界の名画14作品をあらかじめインストールしテレビを絵画的に使うピクチャーモードも搭載。テレビをアートとしても使用するという提案が新鮮に感じた。 日本ビクターはメガコントラスト、NTSC比126%、応答速度MRPT5msecの47V型フルHD液晶テレビを参考出展。既存のCCFL(冷陰極管)搭載46V型テレビとの比較展示を行い、消費電力をリアルタイムで表示。プロトタイプは現行製品に比べ1/2以下の消費電力を示すなど、省エネでもRGB-BL&エリアコントロールが効果的なことを実証していた。 日立製作所は37V型フルHD液晶テレビを次世代テレビとして紹介。メガコントラストで色再現性もNTSC比152%という触れ見込みだったが、個人的にはそこまでのハイスペックには感じられなかった。こちらは09年以降にリリースするという。 ちなみに、各社とも共通するのはメガコントラストテレビがウルトラハイコントラストなのは当たり前
ながら、コントラスト1万:1レベルの既存製品に比べスペックほどコントラストが高く感じなかったこと。この点について各社とも「メガコントラストを測定するツールがまだないため、現段階では理論値」と口を揃えていた。 PDPは合従連衡が進み低調なデモに 他方、薄型テレビでTFT-LCDに押され気味のPDPはここにきて実質的にパネルメーカーが国内1社、韓国2社に集約されたため、目新しいデモが少なく、旧来のテクノロジーをピーアールするケースがほとんどだった。唯一のWhat's NEWはパナソニックの150V型パネル(4098×2160画素)で、その桁違いの迫力には圧倒された。ただし、技術の詳細やスペックは明らかにせず、製品化計画も未定のようだ。 異形状で車載用途を開拓 TFT-LCD関連では液晶テレビ以外さほど目立ったデモはなかったなか、東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMD)とNEC液晶テクノロジーがユニークな出し物を披露した。
TMDが東芝のデバイスゾーンで公開したのは異形状の車載用TFT-LCD。写真6、7のように円形タイプとコーナーラウンドタイプを公開。What's NEWは後者の12.8型1280×480画素パネルで、OCB(Optically Compensated Bend)モード+白色LEDの採用によってコントラストを1万:1以上に高めた。通常のTN液晶材料ではなくOCB液晶材料を用いたのは、フレーム期間中に黒画像を挿入してコントラストを高めるため。一般的にOCBモードは視野角や応答速度を高めるために採用されるが、今回はコントラスト向上効果があることも示した格好だ。実際、プロトタイプはバックがピュアブラックで、コントラスト1万:1以上というスペックを裏付けていた。なお、コーナーラウンド型だけに従来の長方形用ドライバICが使用できるため、アクティブマトリクス素子にはa-Si TFTを用いた。 ちなみに、製品化に関しては円形モデルも含め未定とのこと。既存のメカ式メーターに比べ、デジタルメーターは長期信頼性に不安があるためとみられ、車載計器市場では予想以上にメカ式が強いことを再認識させられた。 3D表示も2D表示と同じレゾリューションに
3DディスプレイではNEC液晶テクノロジーがユニークなパネルを展示した。公開したのは9型ワイドVGAパネルで、ゲームやテレビ画像を表示。裸眼で手軽に3D画像を楽しめることをアピールした。 3D方式はHDDP方式と名づけたオリジナルテクノロジーを採用。周知のように、一般的な3D LCDは画素を左目用と右目用に分割するため解像度が低下するという弱点がある。これに対し、HDDP方式は図1のような画素配列を採用。RGBを横ストライプ配列にするとともに、縦方向に左目用と右目用を2分割する。この結果、2D画像と同等のレゾリューションを確保。もちろん、同一画面上で2D画像と3D画像の混在させることもでき、画像を3D、文字を2Dにすれば、“臨場感があり、目に優しい表示”が可能になる。 スマートフォンはTFT-LCD業界の救世主になるか?
飽和しつつあるLCDアプリケーションでニューストリームを感じさせたのがスマートフォン。スマートフォンは海外では比較的認知度が高いものの、日本国内では認知度が低く、ピンと来ない人も多いはず。要は通信機能を備えたハイエンドPDAで、携帯電話とPCの中間的性質を備える。キーボードや大画面TFT-LCDを搭載しているモデルが多く、Web閲覧や文字入力では携帯電話より圧倒的に使いやすいといえる。このため、ハイエンドなセカンドケータイとして普及が期待されている。 今回スマートフォンを展示したのはNTTドコモとKDDI。ドコモはHVGA(480×320画素)対応の2.7型半透過型TFT-LCDを搭載した「Blackberry Bold」を公開。Blackberry BoldはResearch In Motion(カナダ)が開発したスマートフォンで、世界で1900万台以上という出荷実績を誇る。写真8のようにBlackberry Boldは本体下部にキーボードを搭載。カメラ機能はもちろんのこと、GPS機能も備える。ドコモでは08年度第4四半期にリリースする。 いまさら説明するまでもないが、TFT-LCDはこれまでノートPC、デスクトップモニター、携帯電話、液晶テレビといった4大アプリケーションを制覇。今後、上記のようなビッグアプリケーションは見当たらないだけに、スマートフォンはLCD市場の飽和に歯止めをかける救世主として期待できそうだ。 今年もソニーが有機ELDで超薄型化をPR
有機ELディスプレイでは予想されたこととはいえ、やはりソニーが圧倒的な存在感を放っていた。昨年12月から製品化している11型ワイドSVGA有機ELテレビ「XEL-1」、各種展示会で公開している27.3型有機ELテレビに加え、厚さ0.3oの超薄型11型ワイドSVGAテレビを披露した。今春の「Display 2008」で公開したプロトタイプで、パネルの構成は従来のままながらパネル化後に両面ガラス基板をウェットエッチングもしくは研磨によって薄型化した。いうまでもなく、ガラスでも超薄型化すれば曲がる。これを実証するため、ブースでは故意に曲げたパネルも展示。それでも動画像はまったく歪まないなど完成度の高さをみせつけた。 さらに、同社は液晶テレビ上でのVTR紹介ながら有機TFT駆動有機ELDもアピール。試作したのは160×120画素の小型パネル(精細度80ppi)。線欠陥など欠陥は多数みられたものの、大きく曲げても表示品位は変化せず、有機トランジスタと有機ELのフレキシブル性を印象づけた。 海外勢ではNeoView KOLONが存在感
海外勢では唯一NeoView KOLON(韓国)が有機ELDをデモ。メインエキジビションはボトムエミッション構造の2.4型アクティブ駆動フルカラーQVGAパネルで、内製の低温Poly-Si TFTを使用。厚さは1.2oで、すでに携帯電話のメインディスプレイとして量産出荷中だという。同社は写真13のように同型同解像度のTFT-LCDとの比較デモも敢行。有機ELDの方が明らかにコントラストが高く、画質では有機ELDに歩があることを再認識させられた。 また、同社は透明なパッシブ有機ELDも公開。展示したのは青色モノカラーパネルと緑色モノカラーパネルで、背面に置いた名刺が認識できるデモを敢行。こちらは神秘的なディスプレイとしてLCDと差別化できることをアピールした。輝度は200cd/m2、パネルのトータル透過率は50%。ちなみに、透明化についてはカソードに従来のAlに代わって光透過性材料を用いていると推測される。 マルチライン駆動によりパッシブパネルでQVGAを ソニーの有機ELテレビや携帯電話用メインディスプレイへの搭載で有機ELDはアクティブ化への流れが急速に進展しているが、パッシブパネルではTDKからサプライズがあった。
TDKが公開したのは3型ワイドQVGA(432×240画素)パネルで、なんといってもこのレゾリューションのパネルをパッシブ駆動したのは驚愕に値する。周知のように、有機ELDをパッシブ駆動すると線順次走査の場合、パネルのピーク輝度は“有機EL素子のピーク輝度÷走査電極数”になる。このため、高精細化すると必要な素子のピーク輝度が大きくなり、ライフを大きく低下させる。したがって、パッシブ駆動ではQVGA以上の高精細パネルは困難とされてきた。 TDKはダイアログ・セミコンダクターが開発した新規マルチラインアドレス駆動方式を採用、上記の問題をブレークスルーした。詳細はノウハウのためか明らかにしなかったが、スキャン走査を従来の1本づつから2本づつへ変更することによって素子に要求されるピーク輝度を半減した。つまり、マルチラインを走査することにより素子への負荷を1/2に減らした。これによってライフを1万時間程度にまで高めるメドをつけた。輝度は250cd/m2、コントラストは1万:1で、26万色が表示できる。実際、解像度と合わせこのスペックなら、見た目もアクティブパネルと変わらないといった印象だった。このため、パッシブパネルで携帯電話のメインディスプレイをはじめとする有機ELDのメインアプリケーションに挑戦する考え。もちろん、製造コストはアクティブパネルに比べ圧倒的に有利で、まずはTFT-LCD並みを目指すという。ちなみに、高輝度高精細パッシブパネルなので消費電力が懸念されるが、この点については「現在改善中で、数値は公表できない」とのこと。 電子ペーパーの存在感が急速にアップ
ここにきて最終製品への搭載が加速してきた電子ペーパーでは、まずシチズングループがE Ink方式電子ペーパー「VIZPLEX」とメモリー性液晶ディスプレイを公開。What's NEWはフレキシブルE Ink方式電子ペーパーで、PETフィルムを用いた2型クラスのモノクロパネルを披露した。直接の担当者が不在で詳細が聞けなかったのが残念だったが、写真16のように曲げても表示特性が低下しない様子をアピール。電子ペーパーならフレキシブル化も容易なことが再確認できた。 一方、メモリー性のあるコレステリック液晶ディスプレイで電子ペーパー市場に進出している富士通フロンテックは8型XGAと12型XGAをデモ。写真17、18のようにe-bookや情報端末としてすぐにでも量産出荷できることをアピールした。最大のセールスポイントは他の電子ペーパーでは比較的困難なカラー化が容易なことで、透明→発色を示すコレステリック液晶層をR/G/B3層構造にしてカラー化するためマイクロカラーフィルターが不要となる。プロトタイプは4096色が表示でき、TFT-LCDとはいわないまでもカラーディスプレイとして表示特性は及第点に達していた。もちろん、コレステリック液晶なので画像保持時の消費電力はゼロ。ただ、厚さが12oと厚いため、お世辞にもペーパーライクとはいえなかった。両モデルともマーケティング的な意味合いも込め、企業向けとして最小10セットからサンプル出荷しており、実際にマーケットに登場するのも時間の問題といえそうだ。 電子ペーパー搭載iVDRが登場
電子ペーパーではアプリケーションでもWhat's NEWがあった。日立マクセルがiVDR(Information Versatile Disk for Removable usage)の情報表示ディスプレイとしてE Ink方式電子ペーパー「VIZPLEX」を搭載。容量の残量、録画した番組のタイトルやサムネイルなどのコンテンツ情報を表示する仕組みで、写真19のようにセグメントパネル搭載の残量表示タイプ(右)とドットマトリクスパネル搭載の内容表示タイプ(左)を用意。ローパワーなため、モバイルに適している点をアピールしていた。ちなみに、iVDRは著作権保護技術を搭載したカセット型リムーバブルHDDで、ハイビジョン映像を長時間録画できるのが特徴。 FEDでは今年も双葉電子が孤軍奮闘 FEDでは車載機器として量産中の双葉電子工業が孤軍奮闘。主力のVFDと同等の展示スペースを設けるなど、その普及に本腰を入れ始めた印象を受けた。すでに3型から11.5型までをラインアップ。5.9型QVGAパネルは潟fジタルの産業機器に量産採用されていることをアピールしていた。また、各種モデルにタッチパネルを搭載したタッチパネル搭載パネルも参考出展した。
テクノロジー面でのWhat's NEWは@異形状モデル、A高色純度緑色蛍光体、B高精細パネルの三つ。@は写真1のように底辺108×高さ54oの丸型(240×120画素)で、スピードメーターなどに最適。Aは蛍光体メーカーと新たな緑色蛍光体を共同開発したもので、この緑色蛍光体を用いたフルカラーパネルで色純度をNTSC比62%に高めた。Bはドットピッチを従来の0.12oから0.06oに高精細化したもので、プロトタイプとして2.8型QVGAパネルを披露した。これは、従来用いてきたスペーサをレス化し実質開口率を高めることで実現した。説明員によると、「スペーサレス化とともに額縁を広げれば、このサイズなら大気圧にも耐えられる」という。競合するTFT-LCDを考えると2.8型でQVGAはハイレゾリューションとはいえないまでもこのレゾリューションならFEDもフルカラーディスプレイとして通常解像度には達したといえる。前記のように色再現性が不十分な点を差し置けば、実際、見た目の印象もa-Si TFT-LCDと遜色なかった。このため、携帯電話などへの搭載も期待できるが、この点について説明員は「当社は車載機器や産業機器に特化しているため、高精細パネルもハイエンドなインパネ向けとして提案したい」と控えめにコメントしていた。 Lumiotecが来夏から有機EL面光源をサンプル販売
次世代照明デバイスといえばなんといっても有機EL面光源。今回は展示しなかったが、すでにコニカミノルタはテレビCMまで放映するなど実用化がカウントダウン状態に迫ってきた印象がある。 こうしたなか、インパクト抜群のデモを敢行したのがローム。周知のように、同社は5月に三菱重工業、凸版印刷、三井物産、山形大学 城戸淳二教授らと有機EL面光源事業会社「Lumiotec」を設立。今回は設立後初のエキジビションになるだけに、有機EL面光源を次世代のeco照明として位置づけプロトタイプを披露した。 展示したのが高演色性タイプ「フェナレン」と超高輝度タイプ「B・LIGHT-TILE」。前者は写真21の150×150oデバイスで、09年夏からサンプル出荷する。最大輝度は5000cd/m2、発光効率は20lm/W、色温度は3800K、輝度半減寿命は1万時間(1000cd/m2時)で、写真21のように擬似果物を照らして演色性が高いことをアピールしていた。もちろん、デバイス構造は発光ユニットを直列でマルチ化したマルチフォトンエミッション(MPE)だが、発光ユニット数や白色化方法については明らかにしなかった。一般的なガラス封止だが、トータル厚みはわずか2.3oと薄く、インテリア照明などニッチ分野から侵攻していく考えだ。 他方、後者は40o角デバイスをタイリングしたもの。最大のセールスポイントは100万cd/m2という超高輝度にある。写真22は通常発光時の様子で、横についているボタンを押すと超高輝度で発光する。いうまでもなくこれだけの高輝度なので、まぶしくて直視できないレベルだ。こちらは無影灯や面状フラッシュ光源として最適で、例えばカメラのフラッシュ光源に用いれば膨大なマーケットになる。これだけの高輝度なのでライフが懸念されるが、フラッシュ光源というアプリケーションの性格上、ライフはさほど問われないという。 現在、Lumiotecは山形県米沢市に工場を建設中で、来夏にも完成する予定。当面のキャパシティは月産数十万枚(150×150oデバイス換算)だという。 Osramも世界最高レベルの高効率有機EL面光源を展示
米Osram Opto Semiconductorsも今回初めて有機EL面光源を公開した。展示したのは写真23の123×33oデバイス。色度はx=0.46、y=0.42で、演色性を示すRa(平均演色評価数)は85。ライフは輝度1000cd/m2時で5000時間を確保した。最大の特徴は輝度1000cd/m2時で46lm/Wという発光効率。これはデバイスレベルでは世界最高水準に当たる。その秘訣について説明員に聞いたところ、燐光か蛍光かも含めデバイス技術については一切話せないとのことだった。製品化は2011〜2012年を想定している。 LED光源でもフレキシブル化が可能
当面のターゲットは従来通りLCD用バックライトだが、ここまで薄型化するとフレキシブル化が容易になる点を強調。写真24のように曲げ伸ばしを繰り返したサンプル、また写真25のようにグラスの曲面に貼り付けたサンプルも展示。フレキシブル光源として新たな用途を模索する姿勢をみせた。大型化も容易で、現在の設備では14型クラスにまで対応できるという。これまでフレキシブル面光源といえば有機ELの専売特許といった感が強かったが、シート型LED光源はこのカテゴリーで有機ELの強力なライバルになりそうだ。 グラビア印刷のフィールドをさらに拡大 まずはグラビア版を光学フィルム製造時の金型として用いるアイデアで、グラビアロール表面にDLC(Diamond Like Carbon)を成膜し硬度を高めることでこうしたエンボス加工を実現した。ブースでは実際にエンボス加工したプラスチックフィルムを展示。写真26のように径30μmの微細マイクロレンズをエンボス加工することに成功した。
二つ目はグラビアロール内部に誘導発熱ジャケット機構を設け、ロールを加熱しながら印刷するという提案。誘導発熱ジャケットロールメーカーのトクデンとアライアンスしたもので、マックス250℃まで加熱することができる。用途はNDAの関係からか明確にしなかったが、印刷時のインクの流動性を高めることによってワーク上でのレベリング性を高めたり、インクの溶剤成分比を少なくしても従来と同等の流動性が得られるなどのメリットが考えられる。 ウェットITOでフレキシブル透明導電膜を 一方、TDKはITO膜をウェットコートした透明導電フィルム「FLECLEAR」を紹介。粒径数十nmのナノITOパウダーをバインダーや溶剤によって分散化してウェットコートし光硬化させた膜で、熱処理レスなのが特徴。このため、バインダー中にナノITO粒子が分散した構造となる。標準的な膜厚は1μmである。
透明導電膜に要求される可視光透過率と導電性の関係は図2のとおりで、表面抵抗150Ω/□クラスという低抵抗仕様から、透過率91.5%という高透過率仕様までニーズに合わせて特性を設定することができる。PETフィルム、PENフィルム、PESフィルム、ガラスといった各種基板に対する密着性も良好で、バインダー中にITO粒子が分散されているため、基板を曲げても剥離しにくい点がコンベンショナルなスパッタリング膜に対する優位点となる。実際、ブースでは写真28のようにFLECLEARをコーティングした円筒型透明アンテナを展示、フレキシブル性が高いことをアピールしていた。なお、パターニングに関してはコンベンショナルなウェットエッチングは困難だが、レーザーダイレクトエッチング法によってパターニングすることができる。 |
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REMARK 1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。 2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。 |