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第19回マイクロマシン/MEMS展(7月30日〜8月1日)


第19回マイクロマシン/MEMS展
産総研がレーザー援用IJ技術で驚異のハイアスペクト比パターンを

 7月30日から8月1日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「第19回マイクロマシン/MEMS展」。FPD/PCB関連から二つのトピックスをレポートする。

 インクジェットプリンティング(IJ)技術でWhat's NEWを提供したのが産業技術総合研究所(産総研)。その名はレーザー援用インクジェットシステムで、IJノズルから吐出したインクが基板に滴下された瞬間にレーザービームを照射するというメカニズムだ。

 つまり、基板上でのインクのダレを抑制してファインライン化するとともに厚膜化する。レーザーには安価なCO2レーザーを使用。エネルギー密度など詳細なプロセス条件は明らかにしていないが、すでにAg、Cu、Pt、Pdインクで実用性を確認済み。

 その効果だが、写真のように表面処理していない基板に液滴サイズ4pL(径20μm相当)でナノAgインクをIJ滴下すると線幅は約250μmだったのに対し、レーザーを照射すると約50μmと1/5に減少。これにともない、膜厚は約0.6μmから約2μmに厚膜化された。

 今回、最新成果としてアピールしたのがアスペクト比1:1の配線パターン。ナノAgインクを液滴サイズ4pLで滴下したところ、線幅7〜10μm、膜厚10μmというハイアスペクト比パターンが得られた。つまり、ファインライン化するとともに厚膜化によって導電性を高めることができる。このAgラインの比抵抗は5×106Ω・cmで、描画後、200℃前後で低温焼成した。描画速度も600o/minと速く、IJヘッドをマルチ化すれば大型基板にも対応可能だ。

 産総研ではとくに有効な応用例として@MEMSチップと半導体チップの実装、A圧電素子の描画、Bベアチップ実装などを挙げており、急峻な段差があるデバイス上でもファイン配線が容易なことを強調していた。

東京プロセスサービスはハードコートクロムマスクをPR

 各種マスク関連では、東京プロセスサービスがハードコートクロムマスクを展示した。通常のクロムマスクに透明樹脂を塗布して保護膜機能を付与したもので、フォトマスクの耐久性が向上。とくに、クロムマスクで問題となる静電気による静電破壊が防げるというメリットがある。

 保護膜材料の組成は明らかにしていないが、独自のウェットコート法によって塗布。膜厚は3μmで、パターン露光時に問題となるUV光透過性も80%前後とハードコートレス状態と変わらない。もちろん、エタノールやIPA(イソプロピルアルコール)といった溶剤にも侵食されない。このため、通常のクロムマスクと同様、ウェット洗浄が容易だ。

 ブースでは写真のように9×9インチのハードコートマスクを展示。マックス700×800oサイズまで供給可能だという。

 

REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。