STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター 第4回シンポジウム(11月15日)


山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター 第4回シンポジウムを開催

山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター(INOEL)は11月15日、「第4回シンポジウム」をGLOBAL LIFESCIENCE HUB(新日本橋/三越前)&Zoomでハイブリッド開催した。


 開催プログラムは以下の通り。
T.開会挨拶:飯塚博 山形大学理事・副学長(オープンイノベーション推進本部本部長)
U.INOEL概要及び増設棟(新棟)の紹介:佐野健志センター長/教授
V.INOEL関連研究取り組み1
  酒井真理産学連携教授
  熊木大介研究専任教授
  佐野健志教授
  森下正典研究専任教授
W.INOELクリーンルーム及び研究設備の紹介(動画)
  硯里善幸副センター長/教授
X.INOEL関連研究取り組み2
  水上誠研究専任教授
  古川忠宏産学連携教授
  杉本美穂産学連携准教授
  硯里善幸教授
Y.「イノベーション創出に向けた米沢市の立地支援施策について」:米沢市
Z.質疑応答
[.閉会挨拶

 ここでは、森下氏と杉本氏の講演の一部をピックアップする。

印刷型有機TFTで有機ELDと電子ペーパーをドライブ
 
 森下氏は印刷法で作製した有機TFTについて報告した。研究グループでは、とくにインクジェットプリンティング法とリバースオフセット印刷法を研究。前者で有機半導体層、後者で電極を形成している。

 おもに開発しているのは作製しやすいボトムゲート-ボトムコンタクト構造TFTで、ウシオケミックス開発の5H-21DNTT有機半導体を用いたデバイスは15cm2/V・sと無機TFT並みのハイモビリティを達成。ただし、この有機TFTはチャネル長50μmと比較的ローレゾリューションで、ハイレゾリューションが求められるディスプレイ用途には適さない。

 そこで、東ソー製のDTBDT-C6有機半導体を用いてチャネル長5〜10μmのディスプレイバックプレーン用有機TFTを作製。そのキャリアモビリティは2.5cm2/V・cmと決して高くないが、解像度50ppiの有機ELディスプレイと130ppiの電子ペーパーディスプレイをドライブすることに成功。ディスプレイも印刷型有機TFTでドライブできることを実証した。

スパッタSiNx/ALD-Al2O3/スパッタSiNxで高い水蒸気バリアを


▲水蒸気ガスバリア技術を用いた有機EL
(INOELのホームページから転載)
 杉本氏は、フレキシブル有機ELやフレキシブル太陽電池向けの水蒸気ガスバリア技術を発表。おもな開発成果は無機膜と有機樹脂膜をスタックしたハイブリッドバリア技術で、前者はスパッタリング法やALD(Atomic Layer Deposition)法、後者はIJプリンティング法やスピンコート法で成膜する。

 このうち、無機膜はスパッタ成膜SiNx/ALD成膜Al2O3/スパッタ成膜SiNxの3層構造がスタンダードで、Al2O3膜の膜厚(30nm、60nm、90nm)によって水蒸気透過性が決まり、膜厚90nmで10-5g/m2/dayクラス(WVTR)というハイバリア性が得られる。

REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

ステラ・コーポレーションのフィルムマスク貼り付け装置
フィルムマスクでガラスマスク並みの寸法安定性が得られます。