電極の抵抗測定シミュレーションソフトが新登場
電極形状に制約なく10秒以内で比抵抗が予測可能
Stella Vision for Javaのオプションソフトに

ステラ・コーポレーションは、電極設計ツールとして抵抗値を自動的に予測し、かつ調整することができるソフトウェアを開発しました。従来は電極形状がライン状に制約されていましたが、新たなアルゴリズムによってあらゆる電極形状の抵抗値が予測できるようになりました。これは世界初の快挙で、パッシブマトリクスLCD、パッシブマトリクス有機ELディスプレイ、FPCの設計支援ツールとして有効です。マルチプラットホーム対応CAMシステム設計ソフトウェア「Stella Vision for Java」のオプションソフトとしてリリースします。

 新開発した電極抵抗予測ソフトウェアは、まず電極パターンをPC画面上で設計します。続いて、ITOやメタルといった電極材料や設定膜厚に合わせて体積抵抗率を入力します。そして、測定したい範囲をマウスで指定するだけで写真のように抵抗値が10秒以内で表示されます。

 冒頭のように従来は電極形状がライン状に制約されていましたが、ニューバージョンでは独自アルゴリズムにより曲線など異形状にも対応できるようになりました。ちなみに、膜厚はすべて同じと仮定しています。  このソフトウェア上ではマニュアル操作で電極形状を曲げたり、削ったりといった設計変更も容易で、変更後の抵抗値も瞬時に予測できます。

 こうした機能をさらにパワーアップさせたのが抵抗自動調整機能です。上記の予測をもとにすべてのラインの抵抗値を揃えることができます。具体的には、ライン間のギャップを変更せずに、ライン幅を微調整することによって抵抗値を揃えます。その際も従来設計を変更したくないブロックはそのままに、その他のブロックのライン幅を変更することにより抵抗値を揃えることができるなどフレキシビリティも高くなっています。このため、見た目的には従来設計とほとんど変わらない設計を維持することができます。この設計微調整もパターン容量にもよりますが、簡易的なものなら十数秒で完了します。

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