ステラ 800×800o対応のスクリーンマスク用座標寸法測定装置を出荷 新開発の画像フィルタリング技術で乳剤パターンのエッジを正確に検出
CAD/CAMソフトウェアや独自の画像処理装置を手がける潟Xテラ・コーポレーション(代表取締役:大竹信男、本社:千葉県船橋市)は、このほど800×800o基板対応のスクリーンマスク用座標寸法測定装置「ST800」を出荷しました。弊社STシリーズでは最大対応サイズで、新開発の画像フィルタリング技術によってスクリーンマスク上の乳剤パターンのエッジを正確に検出し、高精度測定を実現しました。
今回出荷したST800は、測長精度を高めるためシステムを恒温チャンバでカバー。システム内を±0.5℃以内に制御できるようにしました。図1は温度変化を測定したグラフで、青色がクリーンルーム内の温度変化、ピンク色がチャンバ内の温度変化を示しており、チャンバ内では温度変化がきわめて少ないことがわかると思います。
もうひとつの特徴は、独自開発した画像処理技術によってスクリーンマスク上のメッシュパターンを消し、乳剤パターンの輪郭を正確に検出できることです。周知のように、ステンレスなどのメッシュパターンと乳剤パターンが混在するスクリーンマスクを画像処理する際は輝度による2値化処理が一般的ですが、この場合、写真1のように乳剤パターン内のメッシュが残ってしまい、乳剤パターンを正確に測定することが困難です。これに対し、ステラでは色相による2値化処理など20種類以上におよぶ画像フィルタリング処理プログラムを開発。メッシュパターンを消し、乳剤パターンだけを浮かび上がらせることに成功しました。
具体的な手順は、まずCCDカメラで元パターンを撮像します(写真2)。続いて、上記の各種フィルタリング処理を設定します(写真3)。この結果、スクリーンマスクの紗が消え、乳剤パターンだけがモニター上に映し出されます(写真4)。ここで検出した乳剤パターンの輪郭を元パターンに重ね合わせることによりエッジが正確に検出できるようになります(写真5)。この後、設定した測定ポイントを自動で測長する仕組みです。この結果、従来の輝度による2値化処理に比べ測定精度が大幅に向上しました。
なお、上記の恒温チャンバと画像フィルタリング機能はST-800以外のSTシリーズにももちろん搭載可能となっています。
写真5 抽出した輪郭を重ね合わせた元データ画像