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FPD/PCB NEWS〜2月29日
 

DIC 200℃以上の耐熱性とリサイクル性を備えエポキシ樹脂硬化剤の基本技術を開発

 DICは、200℃以上の耐熱性とリサイクル性を備えたエポキシ樹脂硬化剤の基本技術を開発したと発表した。従来のエポキシ樹脂が持つ高い耐熱性・耐久性、優れた機械的性質などの優れた特性が発現するだけでなく、リサイクルが困難とされる熱硬化性プラスチックであるエポキシ樹脂に再成形機能が得られる。

 さらに、エポキシ樹脂成形物の用途に合わせた再成形が可能。これにより、製品のライフサイクル全体における環境負荷を低減し、カーボンニュートラルの実現に貢献。2027年に実証実験フェーズへの移行を目指す。

FPD/PCB NEWS〜2月28日
 

ADEKA 子会社のADEKA KOREA工場内に先端半導体用新規材料の製造棟を新設

 ADEKAは次世代半導体向け新規材料の量産体制構築にともなう生産スペースを確保するため、連結子会社であるADEKA KOREAの全州第三工場内に製造棟を新設すると発表した。

 製造棟を新設する場所は、2022年に用地を取得した全州第三工場。2024年9月に完成予定で、次世代以降DRAM、次世代ロジック、NAND向け材料を量産する予定。

FPD/PCB NEWS〜2月21日
 

静岡大 Auナノ粒子でできた高色彩性カラーフィルムを開発

 静岡大学工学部の小野篤史教授の研究グループは、Auナノ粒子でできたカラーフィルムを開発した。

 研究グループは直径50nm程度のAuナノ粒子を自己組織化的に集積させた膜を作製し、シリコーンの一種である無色透明なPDMS(ポリジメチルシロキサン)を滴下することによりAuナノ粒子固有の発色を示すカラーフィルムになることを発見。このカラーフィルムはAuでできているため、顔料や染料といった着色剤とは異なり色褪せることがない。そして、Auナノ粒子の大きさや形状に応じて青色、緑色、マゼンタ色など様々な色のカラーフィルムを作製することに成功した。

FPD/PCB NEWS〜2月20日
 

慶大 蛍光イメージングに汎用されるローダミン蛍光色素のねじれを利用した蛍光消光機構を発見

 慶應義塾大学薬学部の花岡健二郎教授らの研究グループは、蛍光イメージングで汎用されるローダミン蛍光色素の新たな蛍光特性を発見した。

 ローダミン蛍光色素において分子内で「ねじれ」を起こすことで蛍光をほぼ完全に消すことに成功し、この現象を立体反発誘導型TICT(steric repulsion-induced twisted intramolecular charge transfer:sr-TICT)と名付けた。これをもとに、主要な薬物代謝酵素であるCYP3A4活性によって100倍以上の大きな蛍光上昇を示す蛍光プローブを開発した。さらに、この蛍光プローブを用いてヒトiPS細胞から分化させた成熟肝細胞および腸管上皮細胞の分離・精製に成功した。

FPD/PCB NEWS〜2月14日
 

村田製作所 研究開発拠点「守山イノベーションセンター」を設立

 村田製作所は、滋賀県守山駅前に新たな研究開発拠点「守山イノベーションセンター」を設立すると発表した。2月中に工事を開始し、2026年5月に完成する予定。

 守山イノベーションセンターの設立は、既存・新規事業の基礎研究、企画、デザイン、設計の強化が目的。新たな研究開発拠点の設立を通じて、研究開発機能の拡充を図るとともに、顧客や協力会社、地域住民などとの関係性を強化し、価値創出に向けた取り組みを加速させ競争力を高める。また、本社、滋賀県近隣の事業所との地理的メリットを生かし、企画・研究開発拠点との連携を強化するとともに、社外との技術交流や協働開発によるオープンイノベーションを促進することで業界をリードする革新的な製品や技術を提供していく。

FPD/PCB NEWS〜2月13日
 

九大と日東電工 グラフェンなどの2次元材料テープを共同開発

 九州大学と日東電工は、NEDO先導研究プログラムにおいて2次元材料に特化したUV光で粘着力が低下する機能性テープを開発、最高99%の転写率を達成する高効率なグラフェンを転写することに成功した。

 開発したUVテープによる転写はグラフェンに限らず、半導体や絶縁体などの2次元材料にも使用可能。また、従来の転写法に比べ2次元材料を大幅に節約できるほか、簡単に転写できる。さらに、このUVテープで転写したグラフェンを使い、フレキシブルなテラヘルツ波のセンサーも開発した。

FPD/PCB NEWS〜2月8日
 

東大、都立大、NIMS 溶液中での高い安定性と反応性を両立したAuナノ粒子を開発

 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻の鈴木康介准教授、夏康大学院生、谷田部孝文助教、米里健太郎助教、山口和也教授らの研究グループは、同研究科附属総合研究機構の石川亮特任准教授、柴田直哉教授、幾原雄一教授、東京都立大学大学院理学研究科の吉川聡一助教、山添誠司教授、物質・材料研究機構の中田彩子主幹研究員と共同で、金属酸化物ナノクラスターで保護することにより高い安定性と触媒活性を両立したAuナノ粒子を開発した。

 有機溶媒中で金属酸化物ナノクラスターを保護剤として用いた合成法により、直径約3nmのAuナノ粒子を開発した。このAuナノ粒子は触媒反応を行う条件で安定であり、空気中に豊富に存在する酸素を酸化剤として用いるとアルコールなどの有機化合物の酸化反応に優れた触媒特性を示す。

FPD/PCB NEWS〜2月7日
 

SCREENセミコンダクターソリューションズ 樹脂加工を手掛けるフェニックス精工の全株式を取得

 SCREENセミコンダクターソリューションズ(SCREEN SPE)は、樹脂製品などの製作・加工を行うフェニックス精工の全株式を取得し、完全子会社化することを決定した。3月31日に取得する予定。

 フェニックス社は、樹脂製品の精密加工やユニット組立などを展開。なかでも半導体製造装置に欠かせない塩化ビニル製品の溶接加工が得意で、従来からSCREEN SPEの重要なパートナー企業の1社として取引を行ってきた。

 今後、同社の樹脂加工技術とSCREEN SPEの洗浄装置の技術ノウハウを融合することで、半導体製造装置に用いられる塩化ビニル製品の性能向上を図る。また、両社の設計部門・生産部門の連携強化により、生産改善によるリードタイムの短縮を目指す。

FPD/PCB NEWS〜2月6日
 

東北大とSWCC 「SWCC×東北大学高機能金属共創研究所」を設置

 東北大学とSWCCは、東北大学片平キャンパスに「SWCC×東北大学高機能金属共創研究所」を設置した。

 共創研究所の設置により、東北大学での基礎研究、SWCCでの製品開発・製造までのプロセスを仙台地区に集約する。また、銅合金等の革新的材料をはじめ次世代の技術・商品につながる研究開発と人材育成を進める。

FPD/PCB NEWS〜2月5日
 

村田製作所 出雲村田製作所で新生産棟に着工

 村田製作所は、生産子会社の出雲村田製作所(島根県出雲市)が新生産棟を建設すると発表した。総投資額は建物、生産設備を含め約470億円。

 新生産棟は鉄骨造10階建てで延床面積6万9,676m2。2026年3月に完成する予定で、積層セラミックコンデンサを生産する。

FPD/PCB NEWS〜2月2日
 

名大と九大 次世代有機EL発光材料の発光効率増幅効果を新理論から発見

 名古屋大学大学院理学研究科の羽飼雅也博士前期課程学生、名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)の柳井毅教授、藤本和宏特任准教授、九州大学高等研究院の安田琢麿教授らの研究チームは、次世代有機EL発光材料の発光効率を増幅する新しい量子機構の理論的発見に成功した。

 今回の研究では、熱活性化遅延蛍光(TADF)の律速過程であるスピン反転を飛躍的に高速化する新しい量子機構を発見。この量子機構では分子の振動が誘発するスピン反転効果と高次の励起三重項状態を用いるスピン反転効果が協調し合うことで、スピン反転が飛躍的に高速化する。この機構に基づく新理論を導き出し、従来理論での見積もりと比べ約1000倍以上のスピン反転速度をもたらす加速効果を生み出すことをシミュレーションから発見した。今後の研究により、この手法が明らかにした新原理に基づく高性能な有機EL発光材料の創出が期待される。

FPD/PCB NEWS〜2月1日
 

リコーとリコージャパン ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始

 リコーとリコージャパンは、馬込第三小学校(東京都大田区)と厚木市役所本庁舎(神奈川県厚木市)でペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始すると発表した。

 因幡電機製作所、竹中製作所、立花電子ソリューションズ、大阪エヌデーエスと連携し、屋外設置の庭園灯の電力としてペロブスカイト太陽電池を設置し、発電量や電池の耐久性を検証する。また、馬込第三小学校では子供たちの次世代太陽電池・エネルギーの関心が高まるような取り組みになるよう、課外授業も含めた取り組みも進めていく。一方、厚木市役所では本庁舎前における実証を通して市民に先進的な取り組みを紹介するとともに、道路や公園での活用に向けたデータの計測等を実証する。