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FPD/PCB NEWS〜8月31日
 

東北大と産総研 高速な流体の流れをリアルタイム計測

 東北大学大学院工学研究科の野々村拓准教授、産業技術総合研究所省エネルギー研究部門の中井公美研究員(元東北大学特任助教)らの研究グループは、2021年に「低次元モデル」と「センサー位置最適化技術」を組み入れた疎点解析粒子画像流速計測法(スパースプロセッシングPIV)を開発、この度、リアルタイム高速度カメラを組み込んだ風洞実験装置を製作し実際にリアルタイム計測が可能であることを実証した。

 この技術には汎用性があり、画像解析などを伴う解析時間がかかる計測手法に対し低次元モデルと最適化を組み合わせることにより解析するデータ量を減らして処理時間を短縮できる。このため、流体力学に留まらず、様々な分野でのリアルタイム計測とそれに基づく制御が可能になると期待される。

FPD/PCB NEWS〜8月30日
 

田中貴金属工業 100%リサイクル貴金属材を適用したAuボンディングワイヤの受注を開始

 田中貴金属工業は、各種ボンディングワイヤを製造する田中電子工業が原材料に鉱山から直接産出された金を含んだ従来製品に加え、新たに100%リサイクル貴金属材「REシリーズ」のみで製造した金(Au)ボンディングワイヤの受注を開始すると発表した。

 REシリーズ原料の製品はすでに第1弾としてめっき液用化合物に適用されており、今回、第2弾としてAuボンディングワイヤへも製品展開する。

FPD/PCB NEWS〜8月26日
 

三井化学 シンガポール子会社MPSを英INEOS社に譲渡

 三井化学は、2023年3月に連結子会社のMitsui Phenols Singapore(MPS)の全株式を英INEOS Holdings(INEOS社)に譲渡すると発表した。

 MPSは1999年の設立以来、シンガポールでフェノール事業(フェノール、アセトン、ビスフェノールA、α-メチルスチレン)を展開。三井化学はMPSの運営について他社との協業も含め検討してきたが、フェノール事業規模で世界大手のINEOS社に対し全株式を譲渡するのが最善との結論に至った。

FPD/PCB NEWS〜8月25日
 

東大と広島大 水溶液が分離するか否かを細胞サイズの器が制御することを発見

 東京大学大学院総合文化研究科の柳澤実穂准教授(東京大学 生物普遍性連携研究機構准教授/大学院理学系研究科准教授)、広島大学大学院統合生命科学研究科の渡邊千穂助教らは、2種類の高分子が溶けた水溶液を大きさが変えられる人工細胞の器に入れることで、試験管中ではよく混ざっていても細胞のように小さな器では分離し、器が小さいほど分離が進むことを発見した。

 さらに、この現象を細胞膜が分子を選り好みする傾向が小さな器の中で強められ、より親和性の高い特定の分子を膜に引き寄せることを確認した。

FPD/PCB NEWS〜8月24日
 

東北大 電子デバイスの排熱制御に向けたスピン梯子系銅酸化物の配向成膜技術を開発

 東北大学大学院工学研究科応用物理学専攻藤原研究室の渡辺祥太氏(研究当時:博士前期課程)、寺門信明助教(研究当時:JSTさきがけ研究者兼任)、藤原巧教授らは、同大学院工学研究科技術部の宮崎孝道博士、東京電機大学の川股隆行准教授(研究当時:東北大学助教)らとの共同研究により、熱マネジメント技術への応用が期待できる磁性原子が梯子状に配列したスピン梯子系銅酸化物La5Ca9Cu24O41を配向成膜することに成功した。

 開発した技術は、簡便なスパッタリング法を用いてガラスや単結晶シリコン上に低温成膜(約400℃)できるうえ、結晶中で高熱伝導な梯子面を基板に対して平行に堆積できるため、異方的かつ効率的な排熱やその再利用を可能にする次世代熱制御デバイスへの応用が期待される。

FPD/PCB NEWS〜8月19日
 

東大 光に対し安定なのに光で分解できる材料を開発

 東京大学大学院総合文化研究科の寺尾潤教授、正井宏助教、ラッセル豪マーティン大学院生らは、光が単独で作用し分解を引き起こすのではなく、光と酸を同時に作用させた時のみ材料を分解させる技術を開発した。つまり、酸を用いることにより光分解や光微細加工が可能でありながらも、酸が存在しない状況では光に対する長期安定性を材料が有するという従来の問題を打開することに成功した。

 今回の研究によって、光の下でも長期的に使用可能でかつ使用者が意図したタイミングで光分解できるプラスチック材料など、環境的・産業的に有益な材料の創成が期待される。

FPD/PCB NEWS〜8月18日
 

BASF プラスチックのリサイクルを可能にする触媒と吸着剤を発表

 独BASFは、廃プラスチック由来の熱分解油を精製する製品として「PuriCycle」を発売すると発表した。

 PuriCycleには廃プラスチックから得られる熱分解油中のさまざまな不純物を選択的に除去または転換するために開発された新規触媒と吸着剤が含まれており、プラスチック資源循環における下流処理が可能になる。

FPD/PCB NEWS〜8月17日
 

京セラ 鹿児島国分工場に新工場棟を建設

 京セラは、鹿児島国分工場内(鹿児島県霧島市国分山下町1-1)に積層セラミックコンデンサ(MLCC)の第5-1-2工場を建設すると発表した。投資総額は約150億円。

 新工場棟は地上6階建て延床面積3万7,600m2。地元自治体である霧島市と立地協定締結の調印式を行った後、9月より既設研究棟を解体し、2023年2月から新工場棟の建設を開始する予定。

FPD/PCB NEWS〜8月12日
 

東大、AGC、広島大、京大 すべての頂点にフッ素原子が結合した立方体型分子を合成

 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻の杉山真史大学院生、秋山みどり特任助教(研究当時)、野崎京子教授、AGC株式会社岡添隆上席特別研究員らの研究グループは、広島大学大学院先進理工系科学研究科の駒口健治准教授および京都大学大学院工学研究科の東雅大准教授との共同研究により、すべての頂点にフッ素原子が結合した立方体型分子「全フッ素化キュバン」を合成し、その内部に電子を閉じこめた状態を観測することに成功した。

 AGCが開発したPERFECT法を用いて世界で初めて全フッ素化キュバンを合成。この分子の内部に電子を閉じこめた状態を観測することに成功した。今回の成果は、電子を受けとる機能性分子の設計指針に新たな可能性を示すものとなる。

FPD/PCB NEWS〜8月11日
 

東大と分子科学研 NHC配位子がリン光発光に寄与することを理論計算により解明

 東京大学大学院理学系研究科の塩谷光彦教授および小澤岳昌教授、自然科学研究機構計算科学研究センター・分子科学研究所の江原正博教授、東京工業大学生命理工学院の蒲池利章教授らは、含窒素複素環状カルベン(NHC)配位子を用いた炭素中心金銀(CAuI6AgI2)クラスターを設計・合成し、この分子が溶液中で強いリン光を発光することを見出し、NHC配位子がリン光発光に寄与することを理論計算により明らかにした。

 この発光寿命の長いリン光性金銀クラスターを細胞イメージングに用いたところ、細胞への取り込みの経路や特定の小器官に選択的に局在することが明らかになり、従来のホスフィン配位子の非選択的な取込みとは異なる優れた機能が確認された。今回の研究は、高設計性の配位子と金属イオンから成る多核金属イオンクラスターが強リン光性の新物質群として光バイオ分析の発展に大きく貢献しうることを示す。

FPD/PCB NEWS〜8月9日
 

東大 結晶の誕生・成長における液体構造の重要性を発見

 田中肇東京大学名誉教授(先端科学技術研究センター シニアプログラムアドバイザー)と東京大学生産技術研究所のフーユアンチャオ外国人特別研究員(研究当時)の研究グループは、液体の結晶化について分子動力学シミュレーションに新たな工夫を行って結晶前駆体が結晶核形成および結晶成長に与える影響について調査した。

 具体的には、液体中に自発的に形成される結晶前駆体を周期的に消滅させる手法を開発し、この手法を用いて結晶前駆体の量を制御し、結晶化への影響を系統的に調べた。その結果、過冷却液体中の結晶前駆体構造を減少させると、結晶核形成が大幅に抑制されるばかりでなく、結晶成長も劇的に遅くなることを見出した。また、結晶成長過程において結晶・液体界面に形成される結晶前駆体の存在が鍵を握っていることが明らかになった。このことは、従来の理論でその重要性が認識されていなかった液体・結晶界面エネルギーが結晶核形成のみならず、結晶成長においても重要であることを示す。

FPD/PCB NEWS〜8月8日
 

カネカ 欧州で変成シリコーンポリマー生産能力を増強

 JX金属は、Horizon Recyclingが所有するeCycle Solutionsの全株式を取得したと発表した。
 カネカは、Kaneka Belgium N.V.(ベルギー)の変成シリコーンポリマー(製品名:カネカ MSポリマー)生産能力を増強すると発表した。

 年産1万トンに増強するもので、投資金額は約50億円。2024年6月の稼働を予定している。

FPD/PCB NEWS〜8月5日
 

UBE エーピーアイコーポレーションの全株式を取得

 UBEは、三菱ケミカルグループの生命科学インスティテュートが保有するエーピーアイコーポレーション(APIC社)の全株式を取得すると発表した。

 APIC社は三菱化学の医薬原薬事業・ファインケミカル事業の一部と吉富ファインケミカルの経営統合により、2002年10月に設立。長年培ってきた有機合成技術とバイオ技術を組み合わせた融合プロセスを駆使し、CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品受託製造)として合成ルート探索から、工業化研究、パイロット製造、商用生産まで幅広い事業を営み、また独自技術によりプロセス開発した原薬・中間体の提案型ビジネスも展開し製造・販売も行っている。

FPD/PCB NEWS〜8月4日
 

JX金属 カナダeCycle Solutionsの株式を取得

 JX金属は、Horizon Recyclingが所有するeCycle Solutionsの全株式を取得したと発表した。

 eCycle社は、カナダ・オンタリオ州の主要拠点をはじめ同国内8カ所に拠点を持ち、強固な集荷ネットワークを有すE-waste(廃家電・廃電子機器)回収・処理事業者。今後使用済み家電・電子機器の適正処理への要求の高まりが予測されるなかで成長が期待されるITAD事業や廃プラスチック処理なども手掛けており、幅広く資源の有効活用を進めている。

FPD/PCB NEWS〜8月3日
 

リコージャパン 青森県と包括連携協定を締結

 リコージャパンは、青森県と包括連携協定を締結したと発表した。両者が相互に緊密に連携し、双方の資源を有効に活用した協働の取組を推進することにより、青森県の県民が健康で豊かに暮らせる環境づくり、県民サービスの向上及び地域の一層の活性化に資することを目的とする。

 具体的な連携事項は、@SDGsの推進に関すること、A県内企業のICT・デジタル化、科学技術・産業の振興及び人材育成に関すること、B健康増進に関すること、C結婚・子育て・男女共同参画社会の推進に関すること、D地域の安全・安心に関すること、Eその他県民サービスの向上・地域社会の活性化に関することの6点。