STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

FPD/PCB NEWS〜7月29日
 

北大とSCREEN 半導体洗浄時におけるナノ構造物の倒壊メカニズムを解明

 北海道大学低温科学研究所の木村勇気准教授らの研究グループとSCREENホールディングスは、半導体洗浄時のナノ構造物の倒壊挙動を解明したと発表した。

 半導体洗浄時のナノ構造物の倒壊は液体の表面張力により引き起こされることがわかっているが、液体によるナノ構造物の倒壊挙動を断面方向から観察した例はない。今回の研究では、集積イオンビーム装置により半導体表面に加工したナノ構造物を切り出し、洗浄工程で使用される2-プロパノール(IPA)とともに液体観察用試料ホルダー内に封入する手法を開発。これにより、透過型電子顕微鏡によるナノ構造物の倒壊挙動を観察することに成功した。

FPD/PCB NEWS〜7月28日
 

NEC NECエンベデッドプロダクツの全株式をメイコーに譲渡

 NECは、電気・電子機器の開発製造受託サービス(ODM)事業・製造受託サービス(EMS)事業を行うNECエンベデッドプロダクツの全株式をメイコーに譲渡すると発表した。譲渡は9月末の予定。

FPD/PCB NEWS〜7月27日
 

SCREEN 半導体製造装置の生産・サービス体制を強化

 SCREENホールディングスは、彦根事業所に半導体製造装置事業(SPE事業)の新工場となる「S3-5」の建設、ならびに国内グループ会社3社への能力増強投資を発表した。投資総額は約160億円で、2023年1月に操業開始予定の「S3-4」に続く大型投資となる。

 今回の設備投資の中核となる新工場「S3-5」は、洗浄装置の生産能力増強に向け部品仕分け機能や装置・ユニットの組み立て機能を強化。主力工場である「S3-3」や建設中の「S3-4」と連結することにより、生産開始から出荷まで効率的な生産フローを実現する。

FPD/PCB NEWS〜7月22日
 

東工大と北大 非平衡プラズマ技術によりCO2の還元反応効率を大幅促進

 東京工業大学工学院機械系の野崎智洋教授、Kim Dae-Yeong大学院生、北海道大学触媒科学研究所の古川森也准教授らの研究グループは、二酸化炭素(CO2)の還元反応の効率を非平衡プラズマ技術によって促進することに成功した。

 CO2分子の直線状構造がもたらす安定性は反応効率向上の障壁となっている。研究グループはプラズマによってCO2分子を選択的に振動励起することにより反応性の高い構造に変化することに着目し、プラズマを作用させながら触媒反応を進行させる新たな反応系を開発。この反応系を用いてプラズマを作用させることでCO2還元反応効率を既存手法の約3倍まで高めるとともに、触媒とプラズマの協奏効果の観測にも成功した。

FPD/PCB NEWS〜7月21日
 

田中貴金属工業 台湾新竹県の湖口工場に新棟を建設

 田中貴金属工業は、台湾新竹県の湖口工場に新棟を建設すると発表した。投資額は約35億円で、台湾内における貴金属リサイクルのワンストップ化とさらなる事業拡大を図る。
 新棟は地下1階地上8階建てで、完成後、湖口工場全体の床面積は約6倍にアップする。稼働は2025年上期を予定している。

FPD/PCB NEWS〜7月20日
 

キヤノン 高生産性と高精細化を両立したFPD露光装置をリリース

 キヤノンは、第8世代ガラス基板(2,200×2,500mm)に対応したFPD用露光装置の新製品として1.5μm解像力と±0.35μmの重ね合わせ精度を実現した「MPAsp-H1003H」をリリースすると発表した。

 65型パネルを一括露光できる第8世代ガラス基板向け「MPAsp-H1003T」の投影光学系を継承し、第6世代ガラス基板対応の「MPAsp-E813H」で実績のある超解像技術を採用することにより、1.5μm解像力を実現。また、高速ステージ技術を進化・改良し、プレートステージの性能を向上させ、MPAsp-H1003Tに比べ生産性を約20%高めた。さらに、MPAsp-E813Hで実績のあるアライメント方式と倍率補正機構を組み合わせ、MPAsp-H1003Tに比べ約20%向上した重ね合わせ精度±0.35μmを実現した。

FPD/PCB NEWS〜7月15日
 

先端技術共創機構と横浜国大 技術インキュベーションにおける連携で基本協定

 先端技術共創機構(ATAC)と横浜国立大学は、「技術インキュベーションにおける連携に関する基本協定書」を締結した。

 今後、横浜国立大学とATACはATACの持つ技術インキュベーションの知見とIGPIグループが持つ産業界とのネットワークや経営資源に加え、ITAP(ATACとトヨタ自動車が行う先端技術の社会実装を支援する貢献活動:Innovative Technology Acceleration Platform)として連携するトヨタ自動車の知見も活用し、横浜国立大学の持つ技術シーズの社会実装・事業化の推進を共に進める。

FPD/PCB NEWS〜7月12日
 

東大 変換効率26%のペロブスカイト/CIGSタンデム太陽電池を開発

 東京大学大学院総合文化研究科の瀬川教授らの研究グループは、ペロブスカイト太陽電池とCIGS太陽電池を組み合わせたメカニカルスタックタンデム太陽電池を開発し、光電変換効率26%を達成した。

 ペロブスカイト太陽電池をタンデム太陽電池に用いるには、従来の金属電極をITOなどの透明導電層に置き換える必要がある。今回の研究では、ペロブスカイト層にダメージを与えずに高性能なITOを積層する手法を開発し、高性能を維持した状態で半透明なペロブスカイト太陽電池を作製。半透明ペロブスカイト太陽電池としては世界最高能となる変換効率19.5%を達成した。

 そして、この高効率な半透明ペロブスカイト太陽電池とCIGS太陽電池を組み合わせ、26%の変換効率を有するメカニカルスタックタンデム太陽電池を実現した。

FPD/PCB NEWS〜7月7日
 

京大とJST 酵素を模倣した金属硫黄化合物により窒素還元反応を実現

 京都大学、名古屋大学、ハワイ大学、コロンボ大学、大同大学、東京大学の共同研究グループは、自然界の触媒(酵素)を模倣する金属-硫黄クラスター錯体を合成し、窒素分子(N2)の還元反応(シリル化反応)を実現することに成功した。

 大気の主成分であるN2の化学変換は、アミノ酸やDNAに含まれる窒素原子を供給するために必要な一方、非常に難しい反応とされる。自然界では、一部の微生物に存在する酵素ニトロゲナーゼだけがこの役割を担い、Fe-Mo-S-Cから構成される酵素活性中心(FeMoco)を用いてN2を還元する。FeMocoの触媒機能は、持続可能社会に向けた新しいN2還元法を開発するヒントになるが、複雑なFeMocoは構造と機能の関係を理解するのが難しく、またタンパク質から取り出すと触媒機能を失う。FeMocoに関連する従来の金属-硫黄化合物もN2を還元できなかったことから、N2還元作用の鍵となる要素は未解明のままだった。

 今回の研究では、N2が結合したFeMocoの予想構造およびタンパク質の一部機能を模した[Mo3 S4 Fe]錯体を合成し、これを触媒としてN2の還元反応を達成。この結果は、金属-硫黄化合物の可能性を切り拓くと同時に、自然界に学び超えるための大きな第一歩といえる。

FPD/PCB NEWS〜7月5日
 

UBE 高純度硝酸工場を増設

 UBEは、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)において高純度硝酸工場を増設すると発表した。生産能力は50%増加する計画で、2024年初頭に試運転を開始する。