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FPD/PCB NEWS〜1月26日
 

デクセリアルズ 反射防止フィルムをリリース

 デクセリアルズは、最表面の防汚層を真空蒸着法で形成することで摺動耐久性を従来品比40倍以上に高めた反射防止フィルム「HDシリーズ」をリリースしたと発表した。すでに複数のノートPCメーカーへ出荷中だという。

 防汚材を気化させ基材である反射防止層に直接付着させる真空蒸着法を用いることにより、高耐久かつ低摩擦で滑りのよい防汚層を形成。その高い摺動耐久性から、タッチパネルを搭載したノートPC、タブレット形状にもなる2in1タイプの機器、自動車の電装化にともないニーズが拡大する車載ディスプレイなどに適している。

FPD/PCB NEWS〜1月25日
 

住友化学 愛媛工場に液晶ポリマー生産プラントを増設

 住友化学は液晶ポリマー(商標名「スミカスーパー」、LCP)の供給体制を強化するため、愛媛工場(愛媛県新居浜市)に生産プラントを増設すると発表した。

 2023年夏に完成する予定で、増設後の生産能力はグループ全体で現行比約3割増となる。

FPD/PCB NEWS〜1月21日
 

ジャパンディスプレイ 中国Tianma社とTFT-LCD特許訴訟で和解

 ジャパンディスプレイとパナソニック液晶ディスプレイ(PLD社)は中国Tianma Microelectronicsに対し2020年8月に米国で特許侵害訴訟を提起していたが、3社はすべての訴訟を取り下げ相互の特許権を尊重することで合意した。

 合意の一環として3社は特許クロスライセンス契約を締結し、ジャパンディスプレイとPLD社はTianma社からライセンス料を受領することに。これにともない、ジャパンディスプレイはライセンス料の一部を収益計上する結果、2022年3月期に営業損益、経常損益、親会社株主に帰属する当期純損益ともそれぞれ約20億円改善する見込み。

FPD/PCB NEWS〜1月20日
 

東レ 厚膜・高解像度のネガ型感光性ポリイミドを開発

 東レは、ポリイミドの特徴である耐熱性、機械特性、接着性を維持しながら厚膜高精細パターン加工が可能なネガ型感光性ポリイミド材料を開発したと発表した。

 機能性ポリイミドの設計技術を駆使し、光透過率を高めて光反応性を制御することにより、100μmの厚みで直径10μmのビアが加工できるようにした。また、露光時の光反応によるポリイミド樹脂の架橋密度を制御して硬化収縮を低くすることで、一般的なポリイミド材料に比べ熱応力を半分以下に抑え、反りを軽減することが可能になった。

 なお、開発品はワニス・シート両方での製品展開を目指し、現在パイロット出荷中だという。

FPD/PCB NEWS〜1月17日
 

東レ 半導体CNT複合体を用いフレキシブルフィルム上に半導体回路を塗布形成する技術を確立

 東レは、高性能半導体カーボンナノチューブ(半導体CNT)複合体を用いてフレキシブルフィルム上に半導体回路を塗布形成する技術を確立、汎用フィルム上にRFIDやセンサーを作製して無線動作することを実証したと発表した。

 プロセスの低温化・短時間化に取り組み、サブストレートフィルムの伸縮を抑制するとともに、東レエンジニアリングが開発した形状追従型高精度インクジェット技術を適用することにより、CMOS回路をはじめとするさまざまな半導体回路、整流素子、メモリーをフィルム上に精度よく塗布形成する技術を確立した。これらの要素技術とアンテナを組み合わせて汎用のポリエステルフィルム上にRFIDを作製し、UHF帯無線での通信を達成した。また、無線通信機能を有するセンサーを作製し、無線で水分を検出することにも成功。これにより、小売・物流分野や偽造防止などのセキュリティ分野のほか、排尿検知など医療・介護現場への適用も期待できるようになった。

FPD/PCB NEWS〜1月14日
 

栗田工業 北米で超純水製造用機能材が量産採用

 栗田工業は、半導体製造工程で使用される高純度な超純水製造用機能材「KR-FM樹脂」が北米メーカーに採用されたと発表した。

 KR-FM樹脂は半導体産業向けに三菱ケミカルと共同開発した超純水製造用機能材(イオン交換樹脂)で、超純水製造プロセスにおいて適用される際、微粒子の発塵が極めて少ないのが特長。KR-FM樹脂を超純水製造設備に適用することで高純度の超純水が製造でき、製造プロセスで生じる有機物や金属イオン類に加え、微粒子など超純水の純度に影響を及ぼす不純物を低減することが可能となる。

 KR-FM樹脂はこれまで日本を中心とするアジアのユーザーに供給してきたが、北米大手半導体メーカーからも超純水中の微粒子などの不純物が従来に比べ低減できることが評価され、今回量産採用に至った。

FPD/PCB NEWS〜1月13日
 

SCREEN 次世代パターン用直接描画装置を開発

 SCREENホールディングスは、高精細パターン形成に対応するパッケージ基板用直接描画装置「LeVina」を開発したと発表した。4月から販売を開始する。

 ICパッケージ基板向け直接描画装置として累計600台以上の導入実績を持つ「Lediaシリーズ」に独自開発のGLV光学エンジンを搭載した描画ヘッドと光学システムによるレーザー制御技術を融合。世界最高水準の解像度5μmを達成した。毎秒480mm移動する高速ステージの採用やスキャンアライメント機能の搭載により、L&S=5μm解像度で100枚/hという高スループットを実現した。

FPD/PCB NEWS〜1月12日
 

日本ゼオン 透明性や高純度が維持可能なシクロオレフィンポリマーリサイクル技術を確立

 日本ゼオンは、シクロオレフィンポリマーのリサイクル技術を独自開発したと発表した。これまでの課題だった透明性や高純度を維持し、バージン樹脂と同等の品質レベルまで再生可能になる。10月より富山県・高岡工場内に年産能力6,000トンのリサイクルプラントを建設し、2024年8月の稼働を予定している。

 新たに開発したリサイクル技術は、光学フィルム製造時に排出される廃棄樹脂を再生するもの。リサイクル樹脂はバージン樹脂に比べ、製造時のCO2発生量を約12,000トン削減できるという。

FPD/PCB NEWS〜1月11日
 

早大 芳香環にフッ素を導入しながら変形する芳香環開環型フッ素化反応を開発

 早稲田大学の研究グループは、芳香環にフッ素原子を導入しながら環を開き変形する"芳香環開環型フッ素化反応"を開発することに成功した。

 窒素を含む芳香環にフッ素化剤を作用させることにより、フッ素を導入しながら芳香環の結合(窒素-窒素結合)を切断して有機フッ素化合物を合成。得られる有機フッ素化合物は元の構造からはまったく異なる第三級フッ素化合物で、医薬品などを含む40種類以上の化合物をさまざまな第三級フッ素化合物に変換した。

FPD/PCB NEWS〜1月7日
 

村田製作所 鯖江村田製作所に新研究開発棟を建設

 村田製作所は、生産子会社の鯖江村田製作所(福井県鯖江市)に新研究開発棟を建設すると発表した。

 新研究開発棟では、電子部品の軽薄短小化などに対応しためっき技術の開発・量産化技術の立ち上げを予定。地下1階地上6階建てで、延床面積は1万1,322m2。投資額は建物のみで64億円。2月に着工し、2023年8月に完成する予定。

FPD/PCB NEWS〜1月4日
 

京都工芸繊維大 強固で安定したポラリトン状態の室温凝縮を実現

 京都工芸繊維大学の研究グループは、光と物質間のハイブリッドな量子状態として知られるポラリトン状態が全無機ペロブスカイト材料の使用により新しい形態で形成されることを示した。

 従来の無機半導体もしくは有機半導体を用いた技術では、高励起下ではポラリトン状態が崩れやすい、もしくはエネルギー凝縮が起こりにくいといった問題があったが、今回の技術ではより強固で安定にポラリトン状態が形成でき、しかも室温で凝縮可能にした。ポラリトン状態の物性解明と制御技術の開拓に寄与するもので、レーザーや太陽電池の高効率化や低消費電力での量子デバイス開発の発展に資するという。