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FPD/PCB NEWS〜11月30日
 

太陽誘電 子会社の太陽誘電(常州)に積層セラミックコンデンサ工場を建設

 太陽誘電は、子会社の太陽誘電(常州)電子有限公司(中国江蘇省常州市)に新工場を建設し、2023年より積層セラミックコンデンサの生産を開始すると発表した。投資額は建屋のみで約170億円。

 新工場の延床面積は約8万m2。近く着工し、2023年6月に完成する予定。新工場は各種設備の効率化による省エネや建屋屋上への太陽光発電導入による創エネなどを通じて温室効果ガス低減に貢献し、環境にも配慮した最先端の工場にする。

FPD/PCB NEWS〜11月25日
 

茨城大、阪大、東北大、原子力機構 BaTiO3ナノキューブの粒径を制御する手法を開発

 茨城大学、大阪大学、東北大学、日本原子力研究開発機構の研究グループは、チタン酸バリウム(BaTiO3)ナノキューブの粒径制御に出発原料である酸化チタン(TiO2)の粒径が影響することを明らかにした。

 水溶性チタン錯体を調整し水熱合成することによって得られたTiO2からBaTiO3ナノキューブを合成した結果、TiO2の粒径を制御することでBaTiO3ナノキューブの大きさが制御可能であることを突き止めた。また、電子線トモグラフィによりBaTiO3ナノキューブを立体的に表現することにも成功した。今後、BaTiO3ナノキューブの粒径を自由自在に制御する技術を確立すれば、飛躍的な誘電率の向上が期待できる。

FPD/PCB NEWS〜11月22日
 

伊藤忠商事 E Ink社と電子ペーパーの国内・海外展開で協業

 伊藤忠商事は、電子ペーパーの世界最大手メーカー「E Ink Holdings(台湾)」と電子ペーパーを活用した製品群の国内・海外展開で協業すると発表した。

 今回の提携を通じて、伊藤忠商事は電子サイネージ、電子棚札、電子物流タグといった電子ペーパー関連製品のさらなる拡充・展開を進める。

FPD/PCB NEWS〜11月19日
 

三菱マテリアル 高効率で環境負荷を低減する金属リサイクル技術の開発に着手

 三菱マテリアルは、日本原子力研究開発機構(JAEA)発のベンチャー企業であるエマルションフローテクノロジーズ(EFT社)と先進的な溶媒抽出法である「エマルションフロー法」を用いた金属リサイクル技術の共同研究を開始したと発表した。

 溶媒抽出法は水と油のように混じり合わない2液間における溶質の分配を利用して目的成分を抽出するための技術で、金属成分を高精度で分離抽出する際に利用されている。エマルションフロー法は溶媒抽出法のひとつで、液の混合状態を工夫することにより高効率な抽出と環境負荷の低減が可能とされる。従来の溶媒抽出法に比べ、@装置の小型化や制御の自動化が容易、Aランニングコストが低減できる、B装置が密閉構造であるため作業環境が無臭、C油水分離能力が高く排水による環境負荷が小さい、などの特徴がある。

 今回の共同研究では、こうしたエマルションフロー法の特色を生かした条件最適化、プロセス設計や装置開発を進め、事業化を見据えながら高効率で環境負荷の低いリサイクルプロセスの構築に取り組む。

FPD/PCB NEWS〜11月18日
 

東大 コロイド分散系のガラス状態における粒子の密度を均一化する方法で高い安定性を実現

 東京大学、オックスフォード大学の共同研究グループは、数値シミュレーションを用いてガラス状態を安定化する新たな方法を発見した。

 これまでガラス状態にある物質のエイジングや脱硝を防ぐには、温度を下げその進行を遅らせるアニール法などにより熱力学的に安定化する方法が用いられてきた。今回の研究では、コロイド分散系のガラス状態について粒子の密度を均一化するという新しい方法で高い安定性を実現した。

 この原理はガラス状態を「力学的に均一化」する、すなわち粒子間にかかる力がどの粒子に対しても釣り合った力学的に均一な状態にするという力学的安定化法で、従来の熱力学的な安定化法とは本質的に異なる。また、この結果は密度の超均一性と、時間的に変化しない安定なガラス状態の間に深い関係があることを示している。したがって、熱力学的に非平衡なガラスを機械的に安定化させるための新たな基本原理を提供するのみならず、超安定なガラスを実現する新たな道を拓くと期待される。

FPD/PCB NEWS〜11月17日
 

東レ 5G通信用の透明耐熱フィルムを開発

 東レは、優れた耐熱性や難燃性と5G通信に適した誘電特性を保持しながら高透明性を実現した透明耐熱フィルムを開発したと発表した。5G透明アンテナをはじめ、透明FPCや透明ヒーター基材などの電子部品向けに幅広い用途が期待できる。

 新たに高分子設計技術と独自の粒子分散技術とを組み合わせることにより、2軸延伸PPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムにおいて極微小なボイドをなくす技術を開発。この結果、PPSフィルムの優れた特性を保持しつつ、黄色みを低減し、透明性を大幅に高めることに成功した。実際、この高透明PPSフィルムのヘイズはPETフィルムに匹敵する。5G透明アンテナに適用すると、視認性や意匠性に加え、さまざまな温湿度環境下における信号ロスを低減し、5G通信の安定化に寄与するという。

FPD/PCB NEWS〜11月16日
 

横リコー 薄膜ピエゾアクチュエーター搭載の産業用IJヘッドを発売

 リコーは、薄膜ピエゾアクチュエーターを搭載した産業用インクジェット(IJ)ヘッド「RICOH TH6310F」をリリースすると発表した。

 RICOH TH6310Fは産業用IJヘッドのフラッグシップモデルで、最大80kHzの駆動周波数によりシリーズ最高の生産性を実現。また、MEMS技術による高精度吐出に加え、独自のノズル配置によりテキスタイル印刷などに求められる高ギャップ印刷でも高画質印刷が可能になる。

FPD/PCB NEWS〜11月15日
 

兵庫県立大など 炭素電極を備えたペロブスカイト太陽電池の性能が光照射で回復することを実証

 戦略的国際共同研究プログラム(SICORP) EIG CONCERT-Japan「超空間制御による機能材料」において、兵庫県立大学、紀州技研工業、Solaronix S.A.(スイス)、Fraunhofer ISE(ドイツ)からなる共同研究グループは、炭素電極を備えたペロブスカイト太陽電池の性能が光照射によって回復するメカニズムを提唱。ペロブスカイト太陽電池で世界最長となる屋外環境20年相当の寿命(耐久性)を加速劣化試験(ダンプヒート試験および熱サイクル試験、ともにIEC 61215:2021を準拠、規格に対して試験期間を3倍に延長)により実証した。

 これまでペロブスカイト太陽電池は寿命が短い(耐久性が低い)ことが最大の課題とされてきた。

FPD/PCB NEWS〜11月12日
 

大日本印刷 次世代半導体パッケージ用高性能インターポーザを開発

 大日本印刷は、複数の半導体チップと基板を電気的に接続する中継部材で高性能なインターポーザを開発したと発表した。

 配線の微細化によって顕在化する配線層の劣化にともなう配線抵抗の上昇や配線間絶縁性の低下といった課題を解決し、次世代の半導体パッケージに必要な高性能かつ微細な配線を実現するという。

 この部材のさらなる機能開発と2024年の量産化に向け、同社は次世代半導体パッケージの評価技術・材料・基板・装置の開発を行うコンソーシアム「JOINT2」に参画。JOINT2における開発と参画企業との協業により、インターポーザの機能開発と量産化の取り組みを加速し、次世代半導体のパッケージング技術の開発を推進する。

FPD/PCB NEWS〜11月11日
 

東大、筑波大、北里大、産総研 均整のとれたレンガ塀構造を持つ有機半導体を開発

 東京大学、筑波大学、北里大学、産業技術総合研究所(産総研)の研究グループは、電子輸送性(n型)有機半導体分子を均等なレンガ塀様式に整列させ、高移動度有機トランジスタに適したフレームワークを構築することに成功した。

 研究グループは以前、n型有機半導体BQQDIを開発。この有機半導体は特徴的な分子間相互作用によりレンガ塀型の結晶構造を持つものの、構成分子固有の長軸方向のずれでレンガ塀構造が不均一だった。

 今回、かさ高いシクロヘキシル基を導入することにより、BQQDI分子を均等に並んだレンガ塀のように整列させることに成功。熱運動による電荷輸送の妨害に強い高性能n型有機半導体であることを理論と実験で明らかにした。

FPD/PCB NEWS〜11月8日
 

横浜市大 天然物由来カーボン量子ドットを用いたELデバイスを試作し発光を確認

 横浜市立大学は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)、横浜国立大学との共同研究により天然物由来のカーボン量子ドット(C-QDs)を用いたデバイスを試作し、エレクトロルミネセンス(EL)の観測に成功した。

 これまで研究グループは天然資源の有効利用や環境調和性の観点から天然物からのC-QDsの簡便合成法(2019年)や高効率合成法(2020年)を開発。しかし、天然物由来のC-QDsは固体状態では発光強度が著しく低下するため、ELへの応用は限られていた。今回、材料科学とデバイス作製のスペシャリストの国際的な連携によって天然物由来のC-QDsからのELデバイス試作・発光観測に成功した。

FPD/PCB NEWS〜11月2日
 

産総研とJX金属 連携研究ラボを設立

 産業技術総合研究所(産総研)とJX金属は、JX金属-産総研未来社会創造素材・技術連携研究ラボを設立したと発表した。

 連携研究ラボでは、産総研の製造プロセス技術、素材特性の評価技術と、JX金属の非鉄金属に関する幅広い技術や知見によって革新的な素材・技術の社会実装を促進するとともに、イノベーションを生み出す技術開発への取り組みを通して持続可能な未来社会の創造に貢献する。

FPD/PCB NEWS〜11月1日
 

三菱ケミカル 独で半導体精密洗浄事業を強化

 三菱ケミカルは、グループ会社である独Cleanpart Dresdenの半導体精密洗浄事業の洗浄能力を増強すると発表した。投資金額は約1,000万ユーロで、2022年末の稼働を予定している。

 Cleanpart Dresdenはドイツ東部を中心に半導体の精密洗浄サービスを展開。敷地内にクリーンルーム棟を新設し、最新技術を用いた洗浄設備や洗浄工程での廃棄物を減らす環境配慮型設備などを導入して洗浄能力を増強することにした。