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FPD/PCB NEWS〜10月29日
 

大阪府立大、高輝度光科学研究センター、東大
水たまりに油膜ができる現象を利用した高機能シート材料を開発

 大阪府立大学、高輝度光科学研究センター、東京大学の研究グループは、水たまりに油膜ができる現象を利用した高機能シート材料を開発することに成功した。

 水面に均一で大面積の油膜ができる現象は古くから知られており、この現象が省エネプロセスにつながることに着目。原材料の組み合わせを工夫することにより、原材料溶液を水面に滴下するだけで精密な立体ナノ構造を構築し、多孔質で電気を流す極薄シートを作製した。必要な器具は水を入れる容器と注射器だけで、常温常圧の省エネプロセスで高機能ナノ材料の製造が可能になる。このため、センサーや電池の小型化・高機能化に寄与するという。

FPD/PCB NEWS〜10月28日
 

大日本印刷 半導体QFNタイプのパッケージ用リードフレームを開発

 大日本印刷は、高精度に銀めっきエリアを形成するとともに、封止材と密着する銅の表面に粗化技術で密着性を向上させたリードフレーム技術を開発したと発表した。車載用などの半導体パッケージQFNの幅広い用途への展開を目指す。

 QFNタイプのパッケージは、外部接続のリードがパッケージの外側でなく内側にあるため面積が小さく、半導体チップを固定するダイパッドを樹脂で封入するタイプの半導体パッケージに比べ放熱性が高い。このQFNタイプのパッケージに使われるリードフレームには、チップ性能の向上に関わる小型・多ピン化に対応する高精度な銀めっきエリアの形成が必要で、車載用のパッケージでは水分の侵入を抑える高い信頼性が求めらる。

 今回、リードフレームの銀めっきエリアの形成を±25μmの高精度で実現するとともに、樹脂とリードフレームの密着性を向上させることで高い信頼性を確保した。

FPD/PCB NEWS〜10月27日
 

ニッパツ 半導体製造装置用部品の生産能力を増強

 ニッパツは、半導体製造装置用部品の生産能力を増強すると発表した。

 半導体製造装置用部品は、神奈川県の伊勢原工場と2年前に新設した長野県の宮田工場(伊那郡宮田村)で生産しているが、今回の投資対象は宮田工場で2022年10月に稼働する予定。投資額は9億円。

 さらに、宮田工場では建屋の増設も含め数十億円規模の生産能力増強も検討している。

FPD/PCB NEWS〜10月26日
 

ニコン 中小型FPD用露光装置をリリース

 ニコンは、中小型FPD用露光装置「FX-6AS」をリリースすると発表した。

 FX-6ASは高機能モバイル機器に用いられる高精細有機ELパネルやTFT-LCD製造に最適な露光装置で、新開発の投影レンズを搭載し、高解像度、高精度アライメント、高スループットを実現。また、光源波長には従来モデルと同じi線を採用しているため、現行の製造プロセスを踏襲したまま高精細パネルの量産が可能となっている。

FPD/PCB NEWS〜10月25日
 

三菱ケミカル PCB用熱可塑性樹脂フィルムの新グレードを開発

 三菱ケミカルは、PCB用熱可塑性樹脂フィルム「IBUKI」の新グレード「New-IBUKI(仮称)」を開発したと発表した。

 New-IBUKIはIBUKIの特長はそのまま継承しながら、高周波領域における伝送損失を軽減させた製品で、次世代通信用の配線基板材料として使用できる。

FPD/PCB NEWS〜10月22日
 

広島大、京大、名大、東大、物質・材料研、高輝度光科学研究センター
ポリマー半導体の高性能化に向けた新たな分子デザイン手法を開発

 広島大学、京都大学、名古屋大学、東京大学、物質・材料研究機構、高輝度光科学研究センターの共同研究チームは、ポリマー半導体の化学構造を少し組み替えるだけで電荷となるπ電子が主鎖に沿って高度に非局在化し、電荷移動度が20倍以上向上することを発見した。

 ポリマー半導体にはポリマー主鎖に沿った「主鎖内」とポリマー主鎖同士の重なりを介した「主鎖間」の二つの電荷輸送パスがあり、従来は律速である主鎖間の電荷輸送性を改善することが指針だったが、ここにきて主鎖間の電荷輸送性の改善だけでは電荷移動度を向上させることが難しくなっている。共同研究チームは、以前開発していたポリマー半導体の化学構造を少し組み替えることでπ電子が主鎖に沿って高度に非局在化し、これまで着目されてなかった主鎖内の電荷輸送性が高まることを見出した。この結果、ポリマー半導体の電荷移動度を著しく向上させることに成功した。

FPD/PCB NEWS〜10月19日
 

住友重機械 新型全電動導光板専用機を発売

 住友重機械工業は、全電動導光板専用機「SE315EV-A-LGP」をリリースすると発表した。

 スマートフォンなどに使用される導光板生産用で、導光板専用設計の低慣性・大容量サーボモータ採用の射出装置により、射出速度を60%高めストレスの少ない充填を可能に。薄肉化はもちろん、樹脂黄変の抑制や高輝度化を実現した。

FPD/PCB NEWS〜10月18日
 

JOLED 石川県の能美ふるさとミュージアムに有機EL大画面ディスプレイを設置

 JOLEDは、同社の有機ELディスプレイ30台を組み合わせた大画面ディスプレイが石川県能美市の「能美ふるさとミュージアム」に設置されたと発表した。

 この大画面ディスプレイは能美ふるさとミュージアムのエントランスホールに設置。10月16日に開催された同館の開館1周年を記念するイベントで披露された。27型の4K有機ELディスプレイ30台からなる縦1.9×横3.8mという迫力ある大画面で、能美市の魅力的な美しい映像を映し出す。

FPD/PCB NEWS〜10月15日
 

日本パイオニクス 半導体製造プロセス用ガス精製装置を製作する新棟を建設

 ガス精製装置や排ガス処理装置を製作・販売する日本パイオニクスは、平塚工場内に半導体製造プロセス用ガス精製装置を製作する新棟を建設する。

 2022年4月に着工し、同年11月に完成する予定。新棟の稼働により、ガス精製装置の製作能力は現行比1.6倍を見込んでいる。

FPD/PCB NEWS〜10月14日
 

理研、東大 カテナン分子を3次元的に精密配列し外力に応答する柔らかい結晶を開発

 理化学研究所(理研)、東京大学らの共同研究グループは、カテナン分子を3次元的に精密配列することにより外から加えた力に応答する柔らかい結晶を開発することに成功した。指でつまんだり離したりすることで、CO2などの気体分子を吸脱着できる多孔性材料の応用につながることが期待される。

 二つのリング状分子が鎖状につながったカテナン分子とコバルトイオン(Co2+)を溶媒中で加熱することで、カテナン分子が配位結合によって3次元的に配列した結晶を作製した。単結晶X線構造解析を用いて結晶構造を調べたところ、結晶の90%以上がカテナン分子からできていること、多数の微小な穴が空いた構造をしていること、温度変化にともなって構造を変えることなどがわかった。さらに、外から力を加えると形が変わり、力を除くと元の形に戻ることから、結晶でありながらゴムのような性質を示すことも確認された。

FPD/PCB NEWS〜10月13日
 

田中貴金属工業 スクリーン印刷向け低温焼成ナノAgペーストを開発

 田中貴金属工業は、スクリーン印刷向けに最適化した印刷配線用低温焼成ナノAgペーストを開発、サンプル出荷を開始したと発表した。

 30μm以下の微細配線が直接印刷できる。また、折り曲げ半径0.5mmの屈曲試験において10万回の折り曲げでも断線しないことを確認。フレキシブルデバイスへの適用が容易だという。

FPD/PCB NEWS〜10月6日
 

東大 ポリマー半導体トランジスタで最高のスイッチング特性を実現

 東京大学の研究グループは、ポリマー半導体によるTFTのスイッチングの鋭さと安定性を決定づける要因を解明し、これをもとに高急峻なスイッチング動作、高いバイアス耐性、低電圧駆動を示す塗布型TFTを開発した。

 キャリアの動きを阻害しスイッチング特性を劣化させるトラップがポリマー半導体層内部や半導体-絶縁層界面近傍に潜むことを突き止め、その発生を抑え込む技術を開発した。具体的には、高撥液なフッ素樹脂層上に均質にポリマー半導体を塗布成膜し、内因的/外因的トラップの密度を極小化。これにより、高精細な電極配線印刷技術と統合した実用性の高い逆コプラナー型デバイス構造において従来にないきわめて高急峻なスイッチングと高いバイアス耐性による安定した低電圧駆動を示す塗布型TFTを実現した。

FPD/PCB NEWS〜10月8日
 

岩谷産業 タイにヘリウムセンターを開設

 岩谷産業は、100%子会社の泰国岩谷会社がタイに「バンコクガスセンター(サムットサコーン県)」を建設し、11月より開業すると発表した。ヘリウムを主体とした工業ガスの充填拠点で、東南アジア域内でのヘリウム拠点はマレーシアに次いで2拠点目。

FPD/PCB NEWS〜10月7日
 

凸版印刷 マイクロ流路チップの大量生産・低コスト化技術を開発

 凸版印刷は、フォトリソグラフィ工法を用いたガラス製マイクロ流路チップ製造技術を開発したと発表した。現在、一般的なポリジメチルシロキサン(PDMS)を金属製の型に注入する射出成形技術で作られるチップに比べ、大量生産と低コスト化が可能になるという。
 マイクロ流路チップは、がん検診や臨床検査などでの需要が見込まれるリキッドバイオプシー(血液など少量の体液を採取して行う身体への負担が少ない診断技術)分野や体外診断薬分野で使用される。

 同社はLCD用カラーフィルタの製造で培ったフォトリソグラフィ法による微細加工技術を応用し、マイクロ流路チップを製造する技術を開発した。具体的には、ガラス基板に塗布したフォトレジスト上に幅10μm〜数mm、深さ1〜50μmの流路を形成し、硬化処理されたフォトレジストの上に分注(検体や試料となる液体を注入)する穴の開いたカバーが装着される。

FPD/PCB NEWS〜10月6日
 

昭和電工マテリアルズ PCB用高機能積層材料の量産を開始

 昭和電工マテリアルズは、実装信頼性を高めたPCB用高機能積層材料「MCL-E-795G」シリーズの量産を開始すると発表した。

 低熱膨張樹脂の適用やフィラーの高充填化などにより、実装時のそり量を従来比15〜20%低減。なかでも低熱膨張ガラスクロスを組み合わせたLHタイプは、さらに20%低減した。また、骨格部の構造に熱衝撃や外部応力に強い樹脂を設計・導入したことにより、高耐熱特性、高絶縁信頼性を実現した。