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FPD/PCB NEWS〜10月27日
 

早大と静岡大 世界一長尺なCNTフォレストを開発


 早稲田大学と静岡大学の研究グループはカーボンナノチューブ(CNT)の新たな成長方法を開発し、従来最長の2cmを7倍長い14cmのCNTフォレストを成長させることに成功した。

 ガス中に鉄(Fe)とアルミニウム(Al)の原料を極微量添加する成長方法を開発。近年開発された触媒技術と組み合わせることにより、早い成長速度と長い触媒寿命を両立させ、長尺成長を可能にする必要条件を見出した。この結果、ガス中へのFeとAl原料の添加がCNTの成長中に起こる触媒の構造変化を抑える効果があることが確認された。また、長尺CNT密度は銅の1/7と軽量でありながら銅とほぼ同程度の大きな許容電流密度を有することがわかった。

FPD/PCB NEWS〜10月26日
 

日本曹達 Kyuluxと次世代有機EL新規化合物を共同開発


 日本曹達は、九州大学発のファブレスベンチャー企業「Kyulux」と次世代有機EL発光材料であるTADF向け新規化合物の共同開発契約を締結したと発表した。契約により、Kyuluxが開発したTADFの高性能化・高品質化と新規化合物の生産効率向上を目指し共同開発に取り組む。

FPD/PCB NEWS〜10月22日
 

東大、筑波大、北里大、産総研 世界最小クラスの接触抵抗を示す電子輸送性有機半導体を開発


 東京大学、筑波大学、北里大学、産業技術総合研究所(産総研)の研究グループは、大気安定性および電子移動度に優れるn型有機半導体材料を開発した。

 研究グループは従来、新しいパイ電子系としてBQQDI骨格を開発。とくに、側鎖にフェニルエチル基を有するPhC2-BQQDIは印刷法により高い電子移動度と大気安定性を示す単結晶薄膜が成膜可能であることが判明している。

 今回、PhC2-BQQDI類縁体における側鎖の役割を明らかにするため、フェニルアルキル側鎖を有するPhCn-BQQDI(n=1-3)を開発し、その集合構造および半導体特性について調査した。印刷法ではPhC2-BQQDIが最も高い半導体性能を示した一方、真空蒸着法ではPhC3-BQQDIがより優れた電子移動度および大気安定性を示すことがわかった。また、有機半導体と金属電極の間に生じる接触抵抗は有機半導体デバイスの性能を抑制している課題の一つだが、PhC3-BQQDIの接触抵抗はn型有機半導体として世界最小クラスを示した。

FPD/PCB NEWS〜10月22日
 

NIMSと東大 機械学習により薄膜作製プロセスを高速化


 物質・材料研究機構(NIMS)と東京大学の研究グループは、材料開発に欠かせない薄膜作製プロセスに機械学習を応用することにより高品位な試料を作製する最適条件の探索を高速化する技術を開発した。試料作製回数を数分の一から1/10程度と大幅に低減できるという。

 機械学習を組み合わせることにより、少ない作製回数で薄膜作製パラメータを最適化する技術を開発した。具体的には異なるパラメータで作製した数回分の薄膜試料の評価結果を初期の学習データとして用い、次回以降の薄膜作製パラメータを機械学習で推定。この条件で作製した薄膜試料の結果を機械学習の推定のためのデータに加えることを繰り返すことにより、条件の最適化が少ない試行回数で可能になる。

 実際に、結晶性によって超伝導転移温度などの性質が変化するTiN薄膜の作製に用いた結果、6回の初期実験を含む11回の薄膜作製実験で最高レベルの超伝導転移温度を実現する最適な薄膜作製パラメータの組み合わせが得られた。

FPD/PCB NEWS〜10月21日
 

SCREEN PE PCB向け直接描画装置の高生産性モデルをリリース


 SCREEN PEソリューションズは、高密度多層基板やパッケージ基板などのパターン形成に対応するPCB向け直接描画装置の高生産性モデル「Ledia Twin」を開発、2021年1月から発売すると発表した。初年度は25台の販売を見込んでいる。

 ソルダーレジスト部において穴径60μmの開口パターン露光に対応するなど高精細描画性能はそのままに、新たにツインステージ機構を採用。片側ステージでの露光中にもう一方のステージで基板の入れ替えやアライメントマークのスキャンが可能なため、作業時間が大幅に短縮できる。さらに、光源のハイパワー化によって描画時間を短縮するなど、生産性を最大50%高めた。

FPD/PCB NEWS〜10月19日
 

OKI PCB事業会社2社を経営統合


 OKIはグループのプリント配線板(PCB)事業会社であるOKIサーキットテクノロジー(OTC)と沖プリンテッドサーキット(OPC)を経営統合し、2021年4月1日に新会社を設立すると発表した。OTCが存続会社としてOPCを吸収合併する。

 高多層・高品質なPCB事業を展開する2社を統合し、営業・技術・製造リソースの融合と最適化による事業基盤強化と事業規模拡大を図る。技術力と新商品開発スピードの向上、商品ラインアップ強化と設計段階からの一貫受注の拡大により競争力を高め、成長が続く国内の高付加価値PCB市場でトップシェアを目指す。

FPD/PCB NEWS〜10月14日
 

東北パイオニア PolyPhotonix社へ糖尿病網膜症治療スリープマスク用有機ELを供給


 東北パイオニアは、英国のバイオフォトニック研究会社「PolyPhotonix」が開発する糖尿病網膜症の治療に使用されるスリープマスク「Noctura 400」向けに有機EL発光パネルを供給すると発表した。

 糖尿病網膜症は高血糖値が目の奥にダメージを与えることによって引き起こされる糖尿病の合併症で、適切な治療を行わないと失明の原因になることがある。PolyPhotonixのスリープマスクは糖尿病網膜症の症状を軽減・回復させるために夜間に装着するもので、家庭での通常の睡眠時間中に正確な量の光を用いた治療を行うことができる。睡眠を妨げない軽量バッテリを搭載したスリープマスクは、東北パイオニアが新開発した高効率長寿命な有機ELパネルの採用により、長期安定した十分な光の照射を実現する。

FPD/PCB NEWS〜10月8日
 

東大 液滴をはじく基材表面に半導体結晶を均質に塗布成膜


 東京大学の研究グループは、液滴を強くはじく基材表面に有機半導体結晶薄膜を塗布形成する技術を開発、理論限界に迫る高急峻なスイッチング性能を示す塗布型TFTを試作して動作確認することに成功した。

 有機TFTの高性能化には、撥液性がきわめて高いフッ素樹脂などのゲート絶縁層上に均質な半導体薄膜を積層するのが有効とされる。しかし、高撥液表面上では塗布したインクが強くはじかれて丸くなる傾向が強く、従来の塗布法では均質な塗布成膜に不可欠とされる薄い液膜の形成が困難で、低分子系有機半導体を均質成膜するのは不可能だった。

 そこで、シャボン膜メカニズムをヒントに撥液性の高い表面上でも薄い液膜がはじかれることなく濡れ広がった状態を維持できる技術を考案。棒状の有機半導体分子が半導体溶液による液膜表面で自己整列し薄膜形成する性質を活用したもので、半導体結晶膜を高均質で塗布形成することに成功。これを用いて作製した塗布型TFTは2V以下の低電圧で駆動し、室温動作での理論的限界値に迫るきわめて高急峻なスイッチング特性を示した。

FPD/PCB NEWS〜10月2日
 

三菱ケミカル 米国の有機・無機ハイブリッドケミカルメーカーGelest社を買収し連結子会社に


 三菱ケミカルは米国でSiケミカルや金属化合物を手掛けるメーカー「Gelest(ペンシルバニア州)の買収手続きを完了し、10月1日付で連結子会社化したと発表した。

 買収完了に合わせ、三菱ケミカルはGelestに役員を派遣するとともに同社内に「PMI Office」を設置し、早期の統合シナジー発揮に向けて取り組んでいく。