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FPD/PCB NEWS〜9月28日
 

TANAKAホールディングス CVD・ALD用プリカーサを開発


 TANAKAホールディングスは、貴金属グループの製造事業を展開する田中貴金属工業がこれまでの液体ルテニウム(Ru)プリカーサに比べ蒸気圧を100倍以上に高めたCVD・ALD用プリカーサー「TRuST」を開発したと発表しまた。

 開発にあたっては、プリカーサの設計・合成を田中貴金属工業、成膜特性の最適化の研究を韓国・嶺南大学校工科大学新素材工学科のSOO-HYUN,KIM教授が担当した。

 コンピュータシミュレーションを用いて分子構造を小型化・最適化し、プリカーサにとって重要な特性である液体で、かつ蒸気圧が高く、成膜に適した熱的安定性を持つ貴金属化合物を開発した。この結果、これまでの液体Ruプリカーサー比べ蒸気圧を100倍以上と世界最高水準に高めた。プリカーサの蒸気圧が高いほど、またプリカーサの分子構造が小さいほど、成膜室内のプリカーサ濃度を高めたり、基板表面へのプリカーサ分子の吸着密度を高めることができるため、既存のプリカーサに比べ優れた段差被覆性と成膜速度の向上を図ることができる。

 さらに、嶺南大学校の研究結果によると、ALD成膜した際の成膜速度は1サイクルあたり約17nmで、液体RuプリカーサのALD成膜としては世界最高水準を示した。さらに、比抵抗も成膜後に約13μΩ・cmと、バルクのRu金属の値(7.6μΩ・cm)に近い結果が得られた。

FPD/PCB NEWS〜9月24日
 

東北大東大、産総研、NIMS 有機トランジスタの高速応答特性と微細化度の超系統的解析に成功


 東京大学、産業技術総合研究所(産総研)、物質・材料研究機構(NIMS)の共同研究グループは、数μmレベルで微細加工した有機トランジスタアレイのデバイス構造と動的特性(周波数依存性)を系統的に調べ高速応答特性をモデル化することに成功した。この定式化したモデルにしたがって適切に設計した有機トランジスタで世界最速となる45MHzという遮断周波数を達成した。

 これまで未解明だった有機トランジスタの高速応答特性をモデル化したことにより、将来、有機集積回路の大規模化・微細化に明確な見通しが立ったとしている。

FPD/PCB NEWS〜9月23日
 

住友精密工業 LCD製造装置事業から撤退


 住友精密工業は、2021年3月末をもってLCD製造装置事業から撤退すると発表した。

 事業撤退にともない新規装置案件、既存装置改造、メンテナンス案件は7月末で受注を終了。メンテナンス部品については12月末で受注終了、2021年3月末で販売終了の予定。

FPD/PCB NEWS〜9月8日
 

東北大と生理学研究所 電子顕微鏡の像コントラストを向上させる手法を開発


 自然科学研究機構生理学研究所と東北大学の研究グループはフレネルゾーンプレートを用いた新規位相差STEM法を開発し、電子顕微鏡の像コントラストを飛躍的に向上させることに成功した。

 電子顕微鏡は光学顕微鏡では見えない試料の分子や原子レベルでの観察に用いられるが、生体分子や有機材料など軽い原子からなる試料の直接観察には向いていない。これは、軽い原子中では電子線がほとんど散乱や吸収されず、十分な像コントラストが得られないため。そこで、試料中の電子線の屈折と干渉を利用した位相差電子顕微鏡の開発が進められてきたが、位相差電子顕微鏡では位相板を対物レンズの直後に配置しなければならず、集光した強力な電子線に曝されるためすぐに変性・劣化して使えなくなることが問題だった。

 今回、研究グループはSTEMを用いて位相板を対物レンズよりも前方に配置することにより、位相板の変性・劣化を防ぎ、かつ像コントラストを飛躍的に向上させることに成功した。

FPD/PCB NEWS〜9月7日
 

日本触媒とNHK 有機ELの長寿命化に資する電子注入技術を開発


 日本触媒とNHKは、有機ELの低消費電力化と長寿命化に寄与する新たな電子注入技術を開発したと発表した。
    
 金属電極と有機材料の間に大きな分極を生じさせる配位結合を用いることにより、アルカリ金属のような反応性の高い材料を用いることなく、有機ELの低消費電力化と長寿命化を実現した。用いた材料は塩基性の有機化合物で、種々の金属元素への配位によって安定な錯体を形成し、その配位力の強さに応じて金属原子との間で電荷の偏り(分極)が発生する。

FPD/PCB NEWS〜9月4日
 

早大 形状を自由に変形できる液体材料を用いた発光デバイスを開発


 早稲田大学の研究チームは、常温下で液状の液体有機半導体と量子ドット水溶液を組み合わせることにより色鮮やかな発光デバイスを開発したと発表した。

 自由に形状が変形できる液体の利点を維持しつつ、従来の液体有機半導体を用いた有機ELデバイスのなかで最も色鮮やかな発光を実現した。このため、曲げへの強い耐性と色純度の高い発光を必要とするフレキシブルディスプレイに有望としている。