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FPD/PCB NEWS〜8月31日

田中貴金属 Agナノインクを用いた低温焼結技術とエッチングプロセス対応のAg全面フィルム形成技術を開発


 田中貴金属工業は、低温焼結Agナノインクを用いて70℃で低温焼結できる配線形成技術、および従来のエッチングプロセスに対応するAgメタル全面フィルム形成技術を開発した。

 前者では、70℃という低温焼結でも高温焼結と同等の50μΩ・cm以下の抵抗値が得られる。このため、有機発光素子などの既存構造物を傷めることがなく、折り曲げ特性(フレキシブル性)にも優れる。

 一方、後者では低温焼結Agナノインクを用いることにより、ITOと同等以上の光透過率・面抵抗値を有するエッチング対応可能なAgメタル全面フィルムが形成できる。
 

東京農工大 優れた正孔輸送特性を有するポリチオフェン系有機半導体材料を開発

 東京農工大学は、ポリ3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とポリスチレン(PSt)からなるブロック共重合体がP3HT単体よりも3桁以上高い正孔移動度を有することを発見したと発表した。

 互いに相分離したポリチオフェンとポリスチレンドメイン間に形成された剛直なアモルファス領域がポリチオフェンの結晶領域を結ぶ役割を果たし、その結果、効果的な電荷の通り道を形成。高い正孔移動度を発現させることに成功した。

FPD/PCB NEWS〜8月24日

デンソー JOLED社に300億円を出資

 デンソーは車載用有機ELディスプレイの開発を加速するため、印刷方式有機ELDを開発するJOLED社に300億円を出資したと発表した。

 JOLED社は、世界で初めて印刷方式による有機ELDを製品化。今回の出資により、デンソーはメーターやセンターディスプレイなど多様な有機ELDの開発・量産化を加速する。

FPD/PCB NEWS〜8月23日

JOLED、パナソニック・プロダクションエンジニアリング、SCREENファインテックソリューションズ
印刷方式有機ELD製造設備事業で業務提携

 JOLED、パナソニックプロダクションエンジニアリング、SCREENファインテックソリューションズの3社は、テレビ向けを想定した印刷方式大型有機ELディスプレイ製造のための印刷設備の開発・製造・販売・サービスで業務提携したと発表した。

 JOLEDは、大型テレビ向け有機ELD製造を目指すメーカーに対し印刷方式製造技術を提供する技術ライセンスを推進。具体的には、JOLEDは印刷方式有機ELD製造技術の提供や技術導入サポートなどを行う。一方、パナソニックプロダクションエンジニアリングは印刷設備の設計・開発を担当。SCREENファインテックソリューションズはパナソニックプロダクションエンジニアリングからのライセンスのもと、印刷設備を製造・販売・メンテナンスなどのサービスをJOLEDとともに行う。

 ちなみに、JOLEDはプロセスを含め印刷方式の量産技術を確立。現在、パイロットラインで21.6型4K有機ELDを医療用モニターやハイエンドモニター向けに出荷中。
 

住友化学 JOLEDに50億円を出資

 住友化学はJOLED社が第三者割当増資により発行した株式の一部を取得し、同社に50億円を出資したと発表した。

 JOLEDは今回の第三者割当増資により石川県能美市に能美事業所を開設し、世界初の印刷方式有機ELD量産工場(第5.5世代基板サイズ、投入能力約2万枚/月)を2020年に稼働させる予定。車載向けやハイエンドモニター向けなどを想定した中型サイズ(10〜32型)の印刷方式有機ELDを生産する計画で、住友化学は有機EL発光材料を納入する予定。

FPD/PCB NEWS〜8月22日

三菱電機 産業用7型WXGA TFT-LCDをサンプル出荷

 三菱電機は、屋外の計測器・産業機器などの表示器向け7型WXGA TFT-LCDモジュールをサンプル出荷すると発表した。

 上下左右176度という超広視野角により視認性を高めるとともに、新規設計のLEDバックライトの採用により輝度効率を30%高めた。

FPD/PCB NEWS〜8月21日

三菱ケミカル 半導体関連サービス会社の独Cleanpart Groupを買収

 三菱ケミカルは、欧州・米国で半導体関連サービス事業を手掛ける独Cleanpart Group の株式を取得することで独投資ファンドDeutsche Beteiligungs AGと合意したと発表した。同社の子会社でCleanpartに出資するServiceInvestment S. ar. Lから10月をめどに全株式の引き渡しを受ける予定。

 Cleanpart社は、欧州・米国で半導体製造装置の精密洗浄やコーティングサービスなどの事業を展開。一方、三菱ケミカルグループの新菱は同様の事業を日本やアジア地域を中心に展開している。Cleanpartと新菱は地域的な補完関係にあり、今回の買収により三菱ケミカルは半導体製造装置の精密洗浄やコーティングサービスをグローバルに提供できるようになる。

FPD/PCB NEWS〜8月6日

日立化成 量子ドットフィルムが米VIZIOの新型4Kテレビに採用

 日立化成は、LCDの広色域化を実現する量子ドットフィルムが米VIZIO社の新型4Kテレビ「PSeries Quantum65」に採用されたと発表した。

 採用された量子ドットフィルムは、欧州連合のRoHS指令に適合した環境負荷低減製品。量子ドットフィルムを用いることにより、P-Series Quantum 65は色域規格のBT.2020を80%達成、より色鮮やかな画像が表示できる。

FPD/PCB NEWS〜8月2日

三井金属 CeO2系研摩材を増産

 三井金属鉱業は酸化セリウム(CeO2)系研摩材「MIREK」の増産体制が整い、新設備の稼働を開始したと発表した。

 MIREKは、電子部材や光学関連のハイエンド分野に使用されるガラス基板やレンズなどの各種研摩用途に使われる。当初予定通り7月に新設備の設置が完了し、8月より稼働を開始した。この結果、月産能力は現行の180トンから240トンにアップする。

FPD/PCB NEWS〜8月1日

ジャパンディスプレイ 高透過透明カラーディスプレイをヘルメットに装着した走行実験

 ジャパンディスプレイは、高透過透明カラーディスプレイをヘルメットに装着した走行実験をアジア最高峰のフォーミュラレース“スーパーフォーミュラ”に参戦する「DANDELION RACING」と共同で実施したと発表した。透明ディスプレイを活用した実走実験は世界初めて。

 走行実験に使用されたディスプレイは、カラーフィルターと偏光板をレス化した透過率80%の高透過・透明カラーディスプレイ。この透明ディスプレイをヘルメットのシールドに重ねて装着。走行中に確認が必要となる温度や燃費などの車両情報を透明ディスプレイに表示し、レースでの実装を想定したテスト走行を富士スピードウェイで行った。通常は手元のモニターまで視線移動が必要となるが、運転時の視界内に情報を表示することでより運転に集中できる環境が整う。