STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。 |
FPD/PCB NEWS〜5月30日 |
パナソニックは、さまざまな種類の半導体パッケージへの適用が可能な基板材料「MEGTRON GXシリーズを開発、6月から量産を開始する。 材料の応力を低減し反りを110μm(室温25〜260℃まで昇温した際の反りの変化量)に抑制、半導体パッケージの薄型化に寄与する。このため、ICチップのサイズや基板の厚みに関わらず、PoP、MCP、SiPなどさまざまな種類のパッケージに適用可能。半導体パッケージ基板材料の選定時間の短縮と設計自由度の拡大に貢献する。さらに、反りを防止するための特殊なガラスクロスが不要となる。 |
FPD/PCB NEWS〜5月23日 |
大日本印刷は、有機ELディスプレイの製造に使用する蒸着マスク(メタルマスク)の生産ラインを広島県三原工場に増設し、生産能力を3倍に引き上げると発表した。投資額は60億円。高精細化が要求されるスマートフォン向けを中心に2020年に300億円の売上げを目指す。 |
FPD/PCB NEWS〜5月19日 |
SCREENファインテックソリューションズ(SCREEN FT)は、フレキシブルディスプレイ用ポリイミド塗布装置「SK-Pシリーズ」を開発したと発表した。 同社は2013年から高粘度材料塗布技術を開発。世界シェア約8割を誇るコーター・デベロッパーで培った塗布・乾燥技術とノウハウを承継・活用し、光の透明度や乱反射に影響を与えるポリイミド内の微小なごみや気泡の発生を抑える技術を確立。厚さ約10μmのポリイミドを均一に塗布することに成功した。最大サイズは第6世代と呼ばれる1500×1850mmまで対応でき、120秒以内で高速処理することができる。 |
FPD/PCB NEWS〜5月18日 |
日立製作所は、7月1日付でLCD製造装置事業を新設分割によって分社し、新たに設立する会社「AIメカテック」に承継するとともに、同社の株式の大半をポラリス・キャピタル・グループが新たに設立した会社「ヒューストン・ホールディングス」に譲渡すると発表した。 ポラリス・キャピタル・グループは、企業の事業再編・再構築を支援するプライベートエクイティ(未公開株)ファンド運営会社。日立グループは、株式譲渡で得た資金を活用し「社会イノベーション事業」のグローバル展開を加速する。 |
FPD/PCB NEWS〜5月17日 |
|||
NLTテクノロジーは、アミューズメント機器などの産業機器向けとして高演色LEDバックライトを搭載した17型SXGA TFT-LCDを開発したと発表した。6月からサンプル出荷し、2017年から量産する予定。 バックライトに高演色LEDを採用し、NTSC比90%という鮮やかな色彩表現を実現。このため、鮮やかな表現が求められるアミューズメントやPOS、放送・印刷・医療用途などの機器に適するという。 |
FPD/PCB NEWS〜5月16日 |
|||
九州ナノテック光学と凸版印刷は、液晶調光フィルム事業で協業することで合意した。 液晶調光フィルムは、液晶を用いて電源のON/OFFにより「透明」と「白濁」を瞬時に切り替え、通過する光をコントロールするフィルム。今回の提携により、凸版印刷は九州ナノテック光学の液晶調光フィルム販売および独占製造権を取得。5月より液晶調光フィルムを販売するとともに、九州ナノテック光学から技術支援・ライセンスを受けて生産ラインを新設し、2017年度前半期より量産を開始する。 また、九州ナノテック光学は電源OFFの際には透明で、電源をONにすると白濁する新タイプ(リバースモード)の液晶調光フィルムも開発。9月より販売を開始する。この新製品も今後、凸版印刷が販売・量産する予定。 |
FPD/PCB NEWS〜5月13日 |
|||
東北大学の藤掛英夫教授、石鍋隆宏准教授らの研究グループは、極めて薄いプラスチック基板2枚を高分子壁スペーサで接着して貼り合わせることにより超柔軟構造のLCDデバイスを開発することに成功した。フレキシブル有機ELデバイス並みの柔軟性があるため、携帯情報端末、ウェラブルシステム、車載ディスプレイ、デジタルサイネージなどへの応用が期待できるという。
周知のように、既存のプラスチック基板を用いたLCDは曲げると液晶層を挟む2枚の基板間隔(セルギャップ)が不均一になり、表示が乱れやすいという問題がある。そこで、今回は極薄ポリイミド透明基板(厚み10μm)で液晶層を挟み、基板を高分子壁スペーサで接着することにより、極めて柔軟なLCDデバイスを作製した。 極薄基板は透明ポリイミド用溶液(三井化学社製)の塗布と剥離工程により作製でき、食品包装用透明フィルムのような柔軟性を有する。さらに、電極やカラーフィルタなどの画素構造を作製できるよう耐熱性を備えるとともに、高コントラスト・広視野角表示が得られるよう屈折率異方性が極めて小さいという特徴も備える。両基板を接着して一体化する高分子壁スペーサは、高分子原料を混ぜた液晶層に極薄基板越しに紫外線パターン露光を行うことで合成・構築した。 これにより、デバイスを曲げても表示が乱れず、さらに曲率半径3mmまで丸めて戻してもスペーサが壊れず均一な表示が維持できることを確認。今後、画素構造を作り込むとともに、偏光板などの周辺部材を含めてデバイスの柔軟化を進める予定だ。 |
FPD/PCB NEWS〜5月10日 |
||||||
産業技術総合研究所(産総研)は、360度どの方向から見ても画像が正面を向いているように見えるディスプレイを開発したと発表した。特殊なレンズ構造を使った表示技術を開発し、どの方向からみても表示面が自分の方向を向いているように見える静止画ディスプレイを試作した。
このディスプレイは、複数の利用者が同時に異なる角度から見ても、歩きながら見た場合でも、常に正面が表示されるため、これまでの一般的な表示では必ずあった見にくい角度や死角がなく、すべての利用者が最も見やすい正面向きの表示で内容を確認できる。また、表示装置のサイズには制限がほとんどないため、大規模イベント会場や駅・病院などの公共施設の案内や標識、文房具や玩具まで数多くのシーンでの活用が期待される。公共スペース、交通機関、大型施設など生活環境のあらゆる場所で高齢者や障がい者を含むより多くの人々が情報にアクセスしやすい環境を実現するとともに、既存の情報環境の改善へ貢献することが期待される。 図1のように通常の表示方法で円形の柱の表面に情報を掲示した場合、情報の表示面に垂直な方向からだけ最も見やすい状態で表示を見ることができるが、方向が変わるにつれて見にくくなり、90度ずれた方向からは表示が見えない(図1上)。一方、今回開発した技術を適用すると、あたかも柱の内部の平面(図1下の点線の見かけの表面)に見ている方向を正面とした表示面があるように見える(図1下)。そのため、柱の周囲のどの方向からも見ている方向が正面になり、常に最も見やすい条件で表示を見ることができる。また、何人もの利用者が同時に別の方向から見ても、すべての利用者が自分の方向を向いた最適な条件で表示を見ることができる(図2)。さらに、利用者やディスプレイが移動しても、あたかも利用者に合わせて表示面の向きが変わるかのように、常に正面向きの表示を見せることができる。 今後、大都市における情報環境の整備や公共施設での静止画ディスプレイなどを対象に2年以内の実用化を目指すとともに、国、自治体、民間企業と連携して技術移転を進める。また、動画用ディスプレイも試作中で、2020年には公共スペース、イベント、展示会、商業施設などでの業務用としての実用化を目指し、2030年までには民生用として家庭でも楽しめるように実用化を図る考えだ。 |