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FPD/PCB NEWS〜6月25日


東大 布地にプリントできる高導電率の伸縮性導体を開発


 東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授らの研究グループは、導電性インクを用いてプリントできる伸縮性導体を開発、テキスタイル型(布状)の筋電センサーを作製することに成功した。

 開発した伸縮性導体は元の長さの3倍以上に伸張させても高い導電性を維持。この導電性インクを使って、通常の半導体プロセス技術では形成することが難しい繊維素材の上に伸縮性の配線や電極をプリントし、テキスタイル型の筋電センサーを作製した。


FPD/PCB NEWS〜6月19日


産総研 アゾベンゼンの結晶が光照射によりガラス板上を移動する現象を発見


▲結晶が光で移動する現象の模式図(左)と顕微鏡写真(右)

 産業技術総合研究所(産総研)は、アゾベンゼンの結晶が光照射によってガラス板上を変形しながら移動する現象を発見した。さらに、垂直に立てたガラス板を垂直方向に上ることも確認した。

 発見したのは、市販のガラス板に載せたアゾベンゼンの結晶に結晶が液化する波長の光(紫外光)と、結晶化する波長の光(可視光)を異なる方向から同時に照射すると結晶が移動する現象。紫外光の光源から遠ざかる方向に移動するため、結晶の移動方向を制御できる。結晶固体が光で固体基板上を変形しながら移動する現象はこれまでに報告がなく、将来的には微小領域での物質や物体の運搬やバルブなどへの応用が期待できるという。


FPD/PCB NEWS〜6月18日


信越化学 福井県に先端フォトマスクブランクス工場を建設

 信越化学工業は、福井県越前市にフォトマスクブランクス工場を新設すると発表した。投資額は約70億円で、2016年末までの完成・稼働開始を目指している。

 同社は2009年からフォトマスクブランクス事業に進出し直江津工場(新潟県)で生産を開始。天災などが発生してもユーザーへの供給責任を果たすため、二つ目の生産拠点を設けることにした。新工場完成後、生産能力は現在の2割増えるが、現在の生産能力の倍増を目指す。


FPD/PCB NEWS〜6月17日


シャープ スマホ向けのインセル型低温poly-Si TFT-LCDを量産

 シャープは、スマートフォン向けのインセル型低温poly-Si TFT-LCDの量産を開始したと発表した。

 タッチセンサー部の回路とLCDの駆動回路をCGシリコン(低温poly-Si TFT)技術によりパネル上にビルトインすることにより、インセル化した。このため、スマートフォンの軽量化、薄型化、デザイン性向上に寄与する。まずは三重第3工場で生産。亀山第2工場での生産も検討している。


FPD/PCB NEWS〜6月16日


東大 CNT透明電極を用いたフレキシブル有機薄膜太陽電池を開発


▲フレキシブル有機薄膜太陽電池

 東京大学大学院理学系研究科の松尾豊特任教授、東京大学大学院工学系研究科の丸山茂夫教授らの研究グループは、高純度で透明性の高いカーボンナノチューブ(CNT)薄膜のエネルギー準位を変え、有機発電層からプラスの電荷(ホール)のみを選択的に捕集して輸送するCNT透明電極を開発、Inレス有機薄膜太陽電池のエネルギー変換効率を向上させることに成功した。また、PETフィルム上にCNT薄膜を転写して用いることにより、フレキシブルなCNT有機薄膜太陽電池を作製することにも成功した。

 今回の研究では、浮遊触媒化学気相成長・転写法で作製した高純度な単層CNT薄膜を使用。ただし、CNT薄膜自体の導電性は透明電極に適用できるほど高くない。そこで、CNT薄膜にMoOxを作用させることにより、CNT薄膜からMoOxへ電子を移動させる。この結果、CNTにプラスの電荷であるホールが注入されてCNTのエネルギー準位が変化する。このため、CNT薄膜にプラスの電荷を選択的に捕集し、高効率で輸送する機能が付与される。また、MoOxを薄く堆積させることによりCNT薄膜の凹凸が少なくなるため、有機化合物薄膜を堆積しやすくなる。

 有機薄膜太陽電池の有機発電層には電子ドナーとして共役系高分子、電子アクセプターとしてフラーレン誘導体が用いられる。有機発電層が太陽光を吸収すると電子ドナーから電子アクセプターへ電子が移動し、電子ドナーにプラスの電荷、電子アクセプターにマイナスの電荷(電子)が生じる。これらの電荷はそのままだと再結合して中性に戻る。

 これに対し、MoOxでプラスの電荷を注入したCNT透明電極はプラスの電荷のみを選択的に捕集し、電子がAl裏面電極へ流れる。すると、CNT透明電極が陽極、Al裏面電極が陰極に変化し、太陽電池になる仕組み。この結果、6%以上と従来の3倍に当たるエネルギー変換効率が得られる。


FPD/PCB NEWS〜6月10日


Samsung Display 55型の透明&ミラー型有機ELDを開発

 Samsung Displayは、香港コンベンションセンターで開かれた「Retail Asia Expo」で55型の透明有機ELディスプレイ&ミラー型有機Eディスプレイを発表した。

 透明ディスプレイは透過率を45%と従来に比べ4倍に向上。さらに、フルHD解像度、NTSC比100%の色再現性を確保した。

 一方、ミラー型有機ELDは反射率を75%に高め、既存のTFT-LCD製品でみられるぼやけ感がないのが特徴。また、コントラストも10万:1、応答速度1msec以下とハイスペックを確保した。


FPD/PCB NEWS〜6月4日


CPT 中国に第6世代TFT-LCDラインを建設

 Chunghwa Picture Tubes(CPT)は、関連会社であるマレーシアCPTと共同で中国にFPD製造会社「華英科技」を設立すると発表した。新会社は120億元を投じて第6世代TFT-LCD生産ラインを導入する。


FPD/PCB NEWS〜6月3日


富士フイルムとimec 有機半導体用フォトレジスト技術を用いてフルカラー有機ELDを作製


▲エレクトロルミネセンス写真

  富士フイルムとimec(ベルギー)は、サブミクロンオーダーのパターン形成が可能な有機半導体用フォトレジスト技術を用いてフルカラー有機ELディスプレイを作製、その動作実証に成功したと発表した。

 両社は2013年に大型基板上で高解像度パターニングが可能なフォトリソグラフィ法を開発。有機半導体材料にダメージを与えずにサブミクロンオーダーのパターン形成可能な有機半導体用フォトレジスト技術を開発することに成功した。

 今回、この有機半導体用フォトレジスト技術を用いてサブピクセルピッチ20μmのフルカラー有機ELDを作製、その動作を確認した。さらに、縦40×横40個にアレイ化した解像度640ppiのデバイスを作製。UV光を照射した試験を行ったところ、RGB各色が分離して発光することを確認した。また、光照射せずに電圧を印加した試験でも全色の発光を確認することができた。


FPD/PCB NEWS〜6月2日


昭和電工 スクリーン印刷用導電性インクを開発

 昭和電工は、スクリーン印刷用導電性Agインクを開発したと発表した。1μm厚の薄膜から30μm厚の厚膜までのグレードをラインアップ、来月よりサンプル出荷を開始する。

 独自のポリマー組成・溶剤組成を改良し、高価なAg粒子の濃度を高めることなく、薄膜でも十分な導電性と粘度を確保できるようにした。実際、後工程の熱処理で溶剤を蒸発乾燥させるだけで1μm以下の薄膜が形成できる。

 なお、このインクは印刷後の熱処理のみでも十分な導電性が確保できるが、同社が従来から導入している光焼成技術(Photonic Curing)を併用すると、短時間でさらなる導電性向上が実現できる。