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FPD/PCB NEWS〜5月29日


日立化成 台湾のTPTと協業し台湾100%子会社を合弁会社に移行

 日立化成は、台湾Taiwan PCB Techvest(TPT)とPCB事業で協業すると発表した。100%子会社である台湾日立化成工業(HCT)の株式80%をTPTに譲渡し、HCTをTPTと日立化成の合弁会社にする。

 TPTへの株式譲渡に先立ち、HCTから感光性フィルム事業を分離し、日立化成の100%子会社である台湾日立化成電子材料(HCET)に移管する。なお、HCTのPCBは今後も日立化成が引き続き販売する。


FPD/PCB NEWS〜5月28日


昭和電工とマイクロ波化学 透明導電パターン用Agナノワイヤーインクを開発

 昭和電工とマイクロ波化学は透明導電パターン形成用Agナノワイヤーインクを共同開発、7月からサンプル出荷を開始すると発表した。

 両社は選択加熱技術のひとつであるマイクロ波加熱を用いたAgナノワイヤー合成方法を開発。Agナノワイヤーの成長過程においてAgナノ粒子にマイクロ波を照射すると、成長末端のみがエネルギーを吸収し発熱する特性を利用し、Agナノ粒子に結晶成長を阻害するキャッピング剤を選択的に吸着させることにより、細長いワイヤーを効率的に生産できるようにした。


FPD/PCB NEWS〜5月27日


キヤノントッキ 電子デバイス用スパッタリング装置「RRシステム」を開発

 キヤノントッキは、膜厚均一性を±2.1%に高めつつ成膜速度を2倍に高速化した電子デバイス用スパッタリング装置「RRシステム」を開発したと発表した。

 RR(Reactive Rotary-cathode)システムは従来のスパッタリング装置に複数の小型円筒カソードを配置して反応性スパッタリング技術と融合させた装置で、膜厚均一性、成膜レート、材料使用効率に優れる。具体的には、従来の円筒カソードに比べ膜厚均一性を±5.1%から±2.1%へ高めるとともに、成膜速度を2倍にまで高めた。さらに、プレーナー型カソードに比べ材料使用効率を40%から80%に高めた。


FPD/PCB NEWS〜5月26日


理研、北陸先端大、高輝度光科学研究センター 塗布型有機薄膜太陽電池で変換効率10%を達成

 理化学研究所(理研)、北陸先端科学技術大学院大学、高輝度光科学研究センターの共同研究チームは、半導体ポリマーを用いた塗布型有機薄膜太陽電池でエネルギー変換効率10%を達成したと発表した。

 理研が以前開発した結晶性の高い半導体ポリマー「PNTz4T」を発電層に用いた素子を改善することにより、従来6%程度だった変換効率を10%にまで向上させた。具体的には、半導体ポリマーとフラーレン誘導体を混合した発電層の膜厚を従来の約150nmから約300nmと2倍に厚膜化することにより、電流密度が大幅に増大した結果、変換効率が約6%から8.5%程度にまで向上。さらに、従来素子に対し陽極と陰極の配置を入れ替えた逆構造素子にすることにより、変換効率を10%にまで改善した。

 太陽電池は発電層を厚くすると光吸収量が増えるため、電荷の発生量も増加するが、一般的に半導体ポリマーはシリコンなどの無機半導体に比べホール移動度が低いため、ホールが電極に到達する前に電子と再結合する。そのため、電流として取り出すことが難しくなり、変換効率が低下する。これに対し、PNTz4Tは従来の半導体ポリマーに比べ結晶性が高くホール移動度が高いため、発電層を厚くしてもホールが電子と再結合せずに電極まで到達する。このため、電流量が増大して変換効率が向上したと考えられる。

 また、研究グループは大型放射光施設「SPring-8」で改善した発電層のX線構造解析を行ったところ、素子の上部電極と下部電極付近で半導体ポリマーの分子配向が異なり、素子の上下方向で電荷の流れやすさが異なることがわかった。さらに、この構造の素子では光吸収により発生した電荷が流れやすい方向に合うように陽極と陰極が配置されており、これが効率向上のカギであることがわかった。


FPD/PCB NEWS〜5月22日


自然科学研究機構 高効率に電子を受け渡すらせん型有機分子を発見

 JST戦略的創造研究推進事業の一環として自然科学研究機構分子科学研究所は、らせん型分子のヒドラジノヘリセンが酸と塩基の刺激に応答して可逆的に電子を受け渡す特異な反応を発見し、その仕組みの解明に成功したと発表した。

 酸刺激によって同じ種類の有機分子が電子を受け渡し、電子を与えた分子と受け取った分子という異なる種類の有機分子に変化する反応は、電子移動不均化反応と呼ばれる。この反応を起こす有機分子は極めてまれで、これまでTTF(テトラチアフルバレン)とTEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル)の二つしか知られていなかった。

 今回、研究グループが発見したヒドラジノヘリセンは従来の有機分子に比べ電子を受け渡す性質が優れており、弱い酸の刺激でも高効率に電子移動を起こす。さらに、生成される有機ラジカルの化学的安定性も高く、電子移動の前後で色や発光の変化を示すなど機能性有機材料として多くの利点がある。また、ヒドラジノヘリセンはTTFやTEMPOとは異なる分子構造を有しているため、この物質を出発点として用途に応じた改良を加えることにより、機能性有機材料の新機能や有効性を引き出すことが期待できる。


FPD/PCB NEWS〜5月14日


宇部興産 高分散性炭酸ストロンチウムナノ粒子の合成に成功


 宇部興産は、光学用途向けの高分散性炭酸ストロンチウムナノ粒子を合成することに成功したと発表した。

 独自開発した気液反応法により径20〜20nmの針状炭酸ストロンチウム粒子を合成。さらに、新たな表面処理技術により有機溶媒中で透過率90%以上の高い分散性を示すことが確認された。

 この炭酸ストロンチウムナノ粒子を添加した樹脂を用いた場合、ヘイズ1%以下の透明フィルムが作製可能で、LCDや有機ELディスプレイ向け光学フィルムに用いると視野角向上や画像鮮明化といった性能向上が期待できる。


FPD/PCB NEWS〜5月11日


三菱ガス化学と近畿大 近畿大に近畿大学MGC共同研究センターを設置

 三菱ガス化学と近畿大学は、近畿大学分子工学研究所に「近畿大学MGC共同研究センター」を設置したと発表した。センターでは、新規高分子材料の基礎研究を行う。

 新規機能性高分子材料の創製およびプロセス創出を研究し、電池材料、電子材料、耐熱複合材料、透明材料などへの応用を目指す。


FPD/PCB NEWS〜5月8日


古河電工 三菱電機メテックスの低錫りん青銅を製造・販売

 古河電工は、三菱電機メテックスより低錫りん青銅「MF202」の技術情報開示を受け、7月から同製品の製造・販売を開始すると発表した。

 MF202はおもに電子部品用途で使用される銅合金で、耐応力腐食性、めっき性、はんだ付け性に優れる。三菱電機メテックスは今年度中に会社を清算する予定で、MF202を含む銅合金事業からも撤退することが決まっている。こうしたなか、古河電工は三菱電機メテックスよりMF202の製造工程・製造条件・製造ノウハウなどに関する技術情報の開示を受け、製造・販売を引き継ぐことにした。すでにMF202を試作済みで、サンプル出荷の結果、従来製品と同等の製品特性が得られたことを確認している。