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FPD/PCB NEWS〜12月27日


京セラ LCDメーカーのオプトレックスを買収

 京セラはLCD・タッチパネル事業を強化するため、LCD専業メーカーのオプトレックスを買収する。日本産業パートナーズが運営する投資事業有限責任組合ら4社から全株式を取得し、2012年2月1日に100%子会社化する予定。

 オプトレックスは車載用LCDに強く、京セラは現在主流の産業機器用途に加え、車載用途でもLCD事業を強化する。


エプソン LCDカルテル訴訟でNokiaと和解

 セイコーエプソンは、米国と英国でNokia(フィンランド)から提起されていたLCDの価格カルテル民事訴訟に関し、Nokiaに8000万USドル(約62億円)を支払うことで和解したと発表した。今後も訴訟を継続した場合の経営への影響や費用などを総合的に勘案し、和解するのが望ましいと判断した。


三井金属 TAB/COF事業から撤退

 三井金属鉱業は、TAB/COF事業から撤退すると発表した。

 価格競争が激しく今後も利益が出せないと判断したもので、子会社のエム・シー・エス(山口県下関市)がPDP用TAB/COFの生産を2012年6月末、その他TABの生産を2013年3月末で打ち切る。


FPD/PCB NEWS〜12月26日


ソニー Samsung ElectronicsとのTFT-LCD合弁事業を解消

 ソニーはSamsung ElectronicsとのTFT-LCD合弁事業を解消し、合弁会社である「S-LCD」の全保有株式をSamsung Electronicsへ譲渡すると発表した。

 これによりS-LCDはSamsung Electronicsの100%子会社になる。譲渡額は約1.08兆ウォン。

 同時に、ソニーはSamsung ElectronicsからTFT-LCDを安定調達する戦略契約を締結。契約には両社が引き続きTFT-LCD分野で技術協力することも含まれている。


三菱化学 LED用赤色蛍光体の特許侵害で米社と韓国販売代理を提訴

  三菱化学は、物質・材料研究機構と共同保有している赤色蛍光体に関する特許(韓国特許第816693号)を侵害しているとして、米Intematixと韓国販売代理店であるGVPに対し蛍光体製品の韓国への輸入および販売差し止めを求める訴訟を韓国ソウル中央法院に提起した。

 この特許は通称CASN、SCASNと呼ばれる窒化物系の赤色蛍光体、これらを用いたLED、照明器具、画像表示装置に関するもの。CASNおよびSCASN蛍光体は、高い輝度と信頼性からLED用として使用されているほぼ唯一の赤色蛍光体だという。


FPD/PCB NEWS〜12月22日


パナソニック電工 機器に組み込みやすい有機EL照明モジュールを発売


 パナソニック電工は、機器に組み込みやすい薄型・狭枠設計の有機EL照明モジュール(電球色タイプ:3000K)を発売する。

 サイズは102×95o(発光部は80×80o)で、厚さを8.9o、重さを96gに薄型軽量化。輝度は3000cd/m2、色温度は3000K、演色性はRa90以上、効率は17lm/W(発光パネル効率30lm/W)で、3〜100%の範囲で調光できる。

 パナソニック出光OLED照明が発売している有機EL照明パネルを使用。パナソニック電工は照明器具、什器、自動車、設備機器などへの組込み照明デバイスとして提案する。


FPD/PCB NEWS〜12月21日


2012年の低温Poly-Si TFT、a-IGZO-TFTの生産能力は前年比150%増に

 DisplaySearchは、2012年に低温Poly-Si TFT-LCDとアモルファスIGZO-TFTの生産能力が前年比150%増になるという予測を発表した。

 2011年の生産能力は560万m2だが、2012年は1400万m2にまで向上する見込み。低温Poly-Si TFT-LCDは第5.5世代以上の大型基板対応ラインが稼働する一方、a-IGZOはシャープ、Samsung Electronics、LG Displayが既存ラインで量産を開始するためと説明している。


FPD/PCB NEWS〜12月19日


NIMS メソポーラス・プルシアンブルーの合成に成功

 物質・材料研究機構(NIMS)は、無数のナノ細孔(メソポーラス)をプルシアンブルーの結晶構造体中に形成させることに成功した。

 周知のように、プルシアンブルーはゼオライトなどの天然鉱物と並び高いCs吸着能を有する。プルシアンブルーの吸着能向上には微細化・メソポーラス化することで表面積を大きくするのが一般的だが、従来の合成法は微細化によってプルシアンブルーの結晶性が大幅に低下し期待いたほど表面積が向上しなかった。そのため、結晶性を維持しつつプルシアンブルーの表面積を向上し、吸着性能を最大限に発揮する合成法が求められていた。

 今回、NIMSはエッチングによる新合成法を用いてプルシアンブルーナノ粒子を分散させた溶液に水溶性高分子を加え、酸性条件で攪拌することにより、自発的に無数のナノ細孔を粒子中に形成。その結果、表面積は1g当たり330m2以上と世界最高の値を達成した。これは、市販のプルシアンブルー粒子の10倍以上に当たる。このメソポーラスプルシアンブルーを用いてCs吸着実験を行ったところ、市販のプルシアンブルーに比べ8倍以上のCsが吸着できることが確認できた。


FPD/PCB NEWS〜12月16日


CMI 11月の売上高は前月比8.1%増

 Chimei Innolux(CMI)は、11月の売上高が前年同月比3.5%減、前月比8.1%増の434億台湾ドルになったと発表した。大型TFT-LCDの出荷枚数は前年同月比1.8%増、前月比18.4%増の1214万3000枚。


FPD/PCB NEWS〜12月15日


2012年第1四半期のTFT-LCD生産量は前期比5%増に

 DisplaySearchは、世界TFT-LCD市場に関するレポートを発表した。それによると、2011年は大型TFT-LCDの価格下落から生産量は第2四半期の4210万m2から第3四半期は3650万m2にまで減少。第4四半期の生産量は3780万m2にまで回復すると予測している。

 一方、2012年第1四半期は前期比5%増の3980万m2と予測。生産ラインの稼働率は77%となる見通し。アプリケーション別ではテレビ用パネルが2440万m2、モニター用パネルが810万m2、ノートPC用パネルが400万m2、タブレット・ミニノートPC用パネルが140万m2となっている。


FPD/PCB NEWS〜12月12日


AUO 11月の売上高は前年同月比17.1%減

 AU Optronics(AUO)は11月の売上高が前月比2%減、前年同月比17.1%減の305億7900万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが前月比1.3%増の915万枚、中小型パネルが11.8%減の1455万枚。


FPD/PCB NEWS〜12月7日


産総研 絶縁体基板表面へのグラフェン吸着機構を理論的に解明

 産業技術総合研究所(産総研)は、グラフェンと酸化シリコン基板の相互作用を調べた結果、特定の電子構造を持つ酸化シリコン表面上でグラフェンが強く基板に吸着されることを発見した。

 グラフェンは炭素原子が蜂の巣状に6角形のネットワークを形成した原子1層のシートで、シート上に高移動度の電子が存在する。代表的な生成法として知られる剥離法は、固体グラファイトから数層グラフェン薄膜を粘着テープで剥離し、酸化シリコン表面上に転写するが、転写過程において単層グラフェンが酸化シリコン表面上に生成される機構は明らかになっていなかった。

 今回、研究チームは特定の電子構造を持った酸化シリコン基板の表面を用いると、グラフェンと酸化シリコン表面の相互作用がグラフェン-グラフェン層間相互作用よりも強くなることを発見。これまで未解明だった剥離法による酸化シリコン表面上でのグラフェン生成機構の一部を明らかにした。


図1 酸化シリコン上に吸着されたグラフェンおよびグラファイトの原子構造

 具体的には、グラフェン転写基板として広く用いられる酸化シリコン表面にグラフェンを吸着させ、基板-グラフェン複合系に対してそのエネルギー安定性と電子状態を精密な第一原理電子状態計算法で明らかにした。計算では、酸化シリコンの構造モデルとして常温安定SiO2相のαクオーツ構造(図1A、B)および高温安定SiO2相のβクリストバライト構造(図1C、D)を導入し、原子レベルで平滑な数種類の表面構造を仮定して表面にグラフェンを吸着させた。その結果、酸素原子が表面に突き出た構造を持つβクリストバライト構造上ではグラフェン(図1赤枠)の基板に対する束縛エネルギーは46.3meV/Å2となり、グラファイトの層間相互作用エネルギー(約19.8meV/Å2)を上回った。この大きな束縛エネルギーの起源は、グラファイトから酸化シリコン基板への電荷移動による静電相互作用の効果である。すなわち、表面に吸着されたグラファイト薄膜は剥離法における最終の生成過程である基板転写の結果、単層のグラフェンを基板上に形成する。これは、ある特定の電子状態を持つ酸化シリコン表面を用意すればグラフェンを効率的に生成できるとともに、基板上の任意の位置、サイズで生成できることを意味する。また、表面構造の制御によりグラフェンの高品質化と大面積化も期待できる。


FPD/PCB NEWS〜12月5日


Samsung Electronics 光センサータッチパネル一体型の40型TFT-LCDを開発

 Samsung Electronicsは、光センサータッチパネル一体型の40型TFT-LCDを開発した。50点以上の検出が可能で、キーボード、マウス、スキャナの役割を果たすことができる。

 テーブルタイプと壁面タイプの2種類をラインアップ。筐体表面は強化ガラスにより80kgの重量にも耐えられる。


FPD/PCB NEWS〜12月1日


浜松ホトニクス 改質・洗浄用RF放電型・平面長尺バルブのエキシマランプを発売

 浜松ホトニクスは、高周波(RF)放電型で平面長尺バルブを用いたエキシマランプ「L11751」を発売すると発表した。

 Xeガスのエキシマ発光を利用して中心波長172nmの紫外線を効率よく発生する紫外線光源で、半導体ウェハーやFPDガラス基板の表面改質や有機物の洗浄に用いることができる。点灯周波数2MHzで雲状のグロー放電を用いるRF放電型を採用することにより、ちらつきが少なく安定発光を実現。また、照射面積が長さ488mm、幅38mmと平面長尺バルブによる広い面積で近接照射が可能にした。さらに、独自開発した点灯周波数のオートチューニング機能によりロスが少ない高効率点灯が可能で、これらにより従来のエキシマランプに比べデバイス製造工程での処理速度、品質、歩留まりがアップするという。