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FPD/PCB NEWS〜10月31日


第3四半期の大型TFT-LCD出荷枚数は第2四半期比微減の1億1600万枚

順位
モニター
ノートPC
テレビ
その他
1

CMO

Samsung
Samsung
シャープ
2

LG Display

LG Display

CMO
AUO
3
Samsung
AUO

LG Display

LG Display

▲アプリケーション別のメーカーランキング 出所:DisplaySearch

 DisplaySearchの発表によると、第3四半期の大型TFT-LCD出荷枚数は第2四半期比1%減、前年同期比7%増の1億1600万枚となった。第2四半期に出荷枚数が過去最高を記録した反動で供給過剰になったためと分析している。

 アプリケーション別ではモニター用が第2四半期比13%減の4340万枚と減少した一方、ノートPC用は21%増の3860万枚、テレビ用が20%増の2840万枚と好調だった。金額ベースのシェアはSamsung Electronicsがシェア26.3%で1位。以下、LG Displayがシェア20.2%、AU Optronicsがシェア16.6%と続き、日本メーカーではシャープがシェア8.9%で5位となっている。


第3四半期のPDP出荷枚数は第2四半期比18%増で過去2番目を記録

順位
メーカー
第2四半期
第3四半期
前年比成長率
1
パナソニック

36.8%

39.8%

37%

2

Samsung SDI

31.0%

29.4%

30%

3
LG Electronics

24.0%

21.9%

8%

4
パイオニア

3.3%

4.7%

-3%

5
日立プラズマディスプレイ

4.8%

4.1%

-26%

6
Orion PDP

0.1%

0.1%

10%

▲メーカーシェア動向 出所:DisplaySearch

 DisplaySearchは、第3四半期のPDP出荷動向を発表した。それによると、出荷枚数は第2四半期比18%増、前年同期比37%増の420万枚で、過去2番目という高い値を記録した。

 フルHDの1080pパネルの出荷枚数は20%強を占め85万6000枚。金額ベースのシェアはパナソニックが39.8%で1位。同社は50型パネルで過去最高枚数を出荷し、全体でも前年同期比37%増という売上げを記録した。2位はSamsung SDIでシェア29.4%、3位はLG Electronicsでシェア21.9%となっている。


FPD/PCB NEWS〜10月30日


Samsung Electronics 第11世代TFT-LCD工場を建設

 Samsung Electronics(韓国)は、2010〜2011年に第11世代TFT-LCD工場を立ち上げる方針を明らかにした。

 忠清南道の現工場敷地内に新工場を建設する。マザーガラスサイズは3000×3320oクラスで、おもに60型以上のテレビ用パネルを生産する。


9月の大型TFT-LCD出荷枚数はLG Displayが7か月ぶりにトップ

▲大型TFT-LCDの出荷動向 出所:Displaybank

 Displaybankの発表によると、9月の大型TFT-LCD出荷枚数はLG Displayが約900万枚を出荷し、シェア22.2%で7か月ぶりにトップに立った。Samsung Electronicsがシェア21.6%で2位、AU Optronics(AUO)がシェア17%で3位、Chi Mei Optoelectronics(CMO)がシェア16%で4位。

 9月の大型TFT-LCD出荷枚数は前月比3.5%増、前年同期比8.4%増の4020万枚で、2か月連続で増加した。これは、主要セットメーカーの発注量調整によって在庫状況が改善され、これにともない年末需要向けに発注量が増加したため。アプリケーション別ではテレビ用パネルが前月比6.8%増、モニター用が1.8%増、ノートPC用は3.6%増となった。


パイオニア PDP特許でSamsung SDIに勝訴

 パイオニアは、米国連邦地方裁判所テキサス東部裁判区でSamsung SDIとその関係会社2社が同社の特許を侵害したとの評決が出たと発表した。同時に、Samsungサイドが計5900万ドル(約59億円)の損害賠償をパイオニアに支払うことを命じた。


エプソン 車載用TFT-LCD向けディスプレイコントローラーを開発

 セイコーエプソンは2パネル同時制御やヘッドアップディスプレイなどに対応する車載機器用TFT-LCD向けディスプレイコントローラLSI「S2D13515」を開発、サンプル出荷を開始した。サンプル価格は3000円。

 XGAパネルの駆動に対応しており、インスツルメントパネルやカーナビゲーションシステム用に解像度の異なる二つのLCDに異なる画像を同時表示する機能、ヘッドアップディスプレイでフロントガラスに投影する画像データの歪みや輝度をリアルタイムで補正する機能などを搭載している。パッケージはQFP256ピンとPBGA256ボールの2種類を用意している。


FPD/PCB NEWS〜10月29日


広島大学 プラズマジェットでa-SiをPoly-Si化
従来のELA法に比べコストを1/10に低減可能

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の産業技術研究助成事業の一環として、広島大学の東清一郎准教授はアーク放電による熱プラズマジェットでa-SiをPoly-Si化することに成功した。大気圧下で発生させたプラズマジェットを照射するもので、装置コストが数千万円でかつランニングコストも安いため、プロセスコストを従来のエキシマ・レーザー・アニール(ELA)法の1/10程度に低減できるという。

 直径4mmのノズルからプラズマジェットを照射して処理時間2〜3msec、最高温度900〜1800℃で加熱・冷却することでa-SiをPoly-Si化する。a-Siは1100℃程度から固相結晶化(SPC:Solid Phase Crystallization)を開始して融点を超えると溶融し、冷却過程で再結晶化する二段階相変化過程を経て結晶化する。生成したPoly-Si膜は欠陥密度が5×1016cm3以下とELA法の1/10程度に低咸する。また、 熱プラズマジェット照射による高効率不純物ドーピング技術も開発。これらにより、キャリアモビリティ75cm2/V・sec、しきい値電圧2.9Vという高性能Poly-Si TFTを作製した。

 さらに、レーザーを用いてミリ秒時間の分解能をもつ熱処理速度精密制御技術を開発。精密な温度制御による正確なa-Siの結晶化を実現するコア技術で、半導体の製造に必要とされるシリコンウェハー加工中の処理表面の温度測定にも適用できる。

 プロジェクトでは今年度中に試作機を製作してデモ実験を開始。2010年をメドに商品化を目指している。


CNTの特許出願ランクトップはSamsung SDI、2位はNEC

順位

企業・団体名

出願人スコア

出願件数

1

Samsung SDI

767.67

227

2
NEC
743.89
176
3
科学技術振興機構
688.94
178
4
産業技術総合研究所
597.66
183
5
松下電器産業
562.51
175
6
ソニー
449.63
261
7
日信工業
444.43
80
8
中山喜萬
433.77
58

9

キヤノン

420.48

131

10

信州大学

396.13

66

▲CNT出願人スコアランキング 出所:IPB

 アイ・ピー・ビー(IPB)は、日本の特許庁に出願されたカーボンナノチューブ(CNT)関連特許の質と量の両面から評価した「出願人スコアランキング」を発表した。

 それによると、1位はSamsung SDIで767.67ポイント、2位はNECで743.89ポイント、3位は科学技術振興機構(JST)で688.94ポイントとなった。Samsung SDIは特許出願件数が多く、とくに燃料電池・2次電池や電子放出素子の分野で強みを持つ。CNTの基本特許を有するNECは出願件数こそ5位だが、CNT製造法など質の面でランキングを押し上げた。

 トップ10は表のとおりで、JSTや産業技術総合研究所といった公的研究機関が上位にランクインした。なお、8位の中山喜萬氏は大阪大学大学院工学研究科の教授である。


AKT 10世代対応のPE-CVD装置とアレイテスタをリリース

 エーケーティー(AKT)は、2850×3050oクラスの第10世代マザーガラス基板対応のプラズマCVD装置「AKT-90K PECVD」と電子ビームアレイテスタ「AKT-90K EBT」をリリースする。

 AKT-90K PECVDは平行平板・容量結合型プロセスチャンバ5基、トランスファチャンバ、トリプルスロットロードロック、デュアルアーム真空ロボットを搭載。標準スループット60枚/hを実現した。リモートプラズマソースクリーニング(RPSC)技術を用いることにより、in-situでドライクリーニングが可能となっている。


FPD/PCB NEWS〜10月27日


エプソンイメージングデバイス 高コントラストの携帯機器用3.5型TFT-LCDを開発

 エプソンイメージングデバイスは上下左右±80度からでも美しい画像を再現する超広視野角技術「Photo Fine Vistarich(フォトファインビスタリッチ)」をブラッシュアップし、透過率とコントラストをさらに高めた「Photo Fine Vistarich Neo(フォトファインビスタリッチネオ)」を搭載したモバイル機器用3.5型a-Si TFT-LCDを開発した。09年2月からサンプル出荷する。

 パネルの透過率を向上させるとともに、正面コントラストを1000:1に高めた。解像度は320×480画素のHVGAで、1677万色が表示できる。また、輝度もモバイル向けとしては最高レベルの460cd/m2に高めた。


NEC液晶テクノロジー 8面組み合わせ表示が可能なモノクロ電子ペーパーを開発

 NEC液晶テクノロジーは、A3サイズ(1600×1200画素)とA4サイズ(1600×1200画素)のマイクロカプセル型電気泳動方式電子ペーパーモジュールを開発した。独自のアクティブマトリクス駆動技術によって16階調のグレースケール表示、白反射率43%、コントラスト10:1を実現。新聞を上回る階調表現力と視認性を確保した。

 また、マルチタイリング機能を有する独自のコントローラー回路を内蔵することにより、モジュールを最大8枚まで組み合わせて大型化することができる。とくに、A3サイズではモジュール4辺のうち2辺が1oという狭額縁を実現。マルチタイリング表示時の継ぎ目を小さくし、違和感をミニマム化しながら新聞4面分の大画面表示ができるようにした。

 今後、同社ではメインターゲットである産業用TFT-LCD市場における新ラインアップとして用途開拓に取り組んでいく。


エプソンイメージングデバイス カバーと静電容量方式タッチパネルを一体化したTFT-LCDを量産

 エプソンイメージングデバイスは、カバーと静電容量方式タッチパネルを一体化した3.5型HVGA対応TFT-LCDを開発した。09年2月からサンプル出荷し、同年4月から量産する。

 タッチパネルを装着しても画質低下の少ない全面光学接着によって高い視認性を確保。また、カバーレンズ一体構造によって薄型化した。輝度は400cd/m2、正面コントラストは1000:1で、視野角も上下左右80度以上を確保した。


アルバックと三菱マテリアル 大型TFT-LCD用Cu合金ターゲットを共同開発

 アルバックと三菱マテリアルは、薄型大画面テレビ用TFT-LCDの配線向けとしてCu合金ターゲットを共同開発した。三菱マテリアルのCu-Ca系およびCu-Mg系合金素材をアルバックの酸素混合スパッタリング技術によって成膜することにより、低抵抗かつ低コストの配線プロセスが実現するという。

 アルバックは昨年2月、独自のCu合金ターゲットを用いて下地層を酸素混合スパッタ成膜する技術を発表。ガラス基板や下地層との密着性およびバリア性が良好で、Mo系やTi系のバリアメタル層が不要な低抵抗・低コストCu配線プロセスを実現した。しかし、最近のTFTアレイ工程ではソース/ドレイン形成後に水素プラズマ処理を行う場合があり、上記のCu合金ターゲットを用いると界面に形成された酸化物が水素プラズマによって還元されて密着性が低下する懸念があった。

 そこで、両社はソース/ドレイン形成後の水素プラズマ処理に耐性があるCu-Ca系合金ターゲットおよびCu-Mg系合金ターゲットを開発したもの。いずれのターゲットを用いて成膜した酸素混合スパッタ膜は水素プラズマによって還元されず、安定した複合酸化物層が下地層との界面に形成されて良好な密着性とバリア性が得られる。もちろん、1液でのウェットエッチングも容易で、ITO膜との電気的コンタクト性も良好だという。

 今回のCu合金素材は三菱マテリアルと三菱伸銅が製造。アルバックがターゲットに加工し、アルバックマテリアルが販売する。アルバックでは初年度1億円、3年後に5億円の販売を見込んでいる。


FPD/PCB NEWS〜10月24日
▲CFの需要予測 出所:Displaybank


08年のTFT-LCD用CF需要は過去最高の1億m2超に

 Displaybankの発表によると、08年のTFT-LCD用カラーフィルター(CF)の需要は面積ベースで過去最高の1億m2強、枚数ベースで約7200万シートに達する見通し。

 CFの需要拡大は、Samsung Electronics(韓国)、LG Display(韓国)、AU Optronics(台湾)、Chi Mei Optoelectronics(台湾、CMO)の第5世代以上生産ラインの生産能力増強、Samsung Electronicsの第8世代ラインの立ち上げ、CMOの第6/第7世代ラインの稼働によるもの。今後もパネルサイズの大型化とアプリケーション増加などによって需要が増加し、2012年には面積ベースで2億m2を突破すると予測される。


大日本印刷 世界最高レベルの硬度を有するFPD用表面フィルムを開発

  大日本印刷は、世界最高レベルの硬度を有するFPD用表面フィルム「ハードコートフィルム」を開発した。11月からサンプル出荷し、09年4月から販売を開始する。

  開発したハードコートフィルムは、LCDの偏光板に用いられるTACフィルムとタッチパネルに用いられるPETフィルムを基材にした2種類。コーティング層に用いる紫外線硬化樹脂とナノ粒子を新たに開発するとともに、これらの配合・分散を最適化し、世界最高レベルの5Hという鉛筆硬度を実現した。このため、鉛筆やタッチパネル用ペンで画面上を強く擦っても傷がつきにくい。また、撥油性材料を含有しているため、指紋や油などの汚れが付着しにくく、容易に拭き取ることができる。

  今後、高硬度が要求されるノートPCやタッチパネル方式のゲーム機やPDAなどの携帯端末向けとして拡販する。さらに、テレビの最表面に付与される反射防止や防眩機能を有する表面フィルムにも応用していく予定。

▲CCFLの需要予測 出所:Displaybank

2010年にLCD用CCFLの需要は30億本に

 Displaybankは、08年の世界TFT-LCD用CCFL(冷陰極管)の需要が24億本を超え、09年には27億本に達すると発表した。さらに、2010年には30億本を超えると予測している。

 モニター用パネルのバックライト・ユニット(BLU)には通常2本のCCFLが搭載されるのに対し、TV用BLUには10本以上のCCFLが必要なためで、TV用パネルの需要拡大によって2010年までは順調に需要が拡大する。ただし、その後はパネル当たりのCCFL搭載本数の減少によって需要が伸び悩むと推測している。


FPD/PCB NEWS〜10月23日


エプソンイメージングデバイス モバイル機器用反射半透過型TFT-LCDをサンプル出荷

 エプソンイメージングデバイスは、屋内外でも高い視認性と低消費電力を両立したモバイル機器用反射半透過型a-Si TFT LCD「Photo Fine HR(フォトファインハイリフレクト)」を開発、10月末から新製品2機種をサンプル出荷する。

  高反射技術と透過/反射特性両立のための光学設計により、全方位散乱光照射測定による6%以上の反射率と200cd/m2以上の輝度を両立。使用環境に影響されないシームレスな視認性を実現した。新たにリリースするのは3型(240×400画素)と3.5型(240×320画素)で、26万色が表示できる。


三菱電機 −30℃でも使用可能な12.1型TFT-LCDを発売

 三菱電機は、業界トップレベルの動作保証温度範囲を実現した12.1型SVGA TFT-LCD4機種を発売する。

 回路部材や樹脂材料を見直し、動作保証温度の下限と上限をそれぞれ10℃広げ、−30〜+80℃で動作できるようにした。このため、過酷な温度環境で使用される産業機器をはじめ、寒暖の差が大きくなる場所や低温となる場所でも使用できる。

 また、コントラストを600:1、輝度を450cd/m2、応答速度を16msecとスペックをブラッシュアップ。もちろん、従来製品と外形寸法・取り付けネジ穴位置・信号入力コネクタの位置を統一。従来製品からリプレースするのも容易となっている。


FPD/PCB NEWS〜10月21日


LG Electronics PDP生産ラインを太陽電池ラインに転換

 LG Electornics(韓国)は、PDP生産ライン「A1」を単結晶シリコン太陽電池生産ラインに転換すると発表した。PDPラインを太陽電池ラインに転換するのは世界で初めて。

 2010年までに2200億ウォンを投じ、太陽電池生産ライン2本を追加導入する。1本目は2010年第1四半期、2本目は2011年第1四半期から稼働を開始する予定。生産能力はどちらも120MW/年。


FPD/PCB NEWS〜10月17日


TFT-LCDの広視野角技術はVA方式が70%でトップ

方式

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年
2012年

TN+WVF

6%

7%

6%

5%

6%

6%

7%

IPS/FFS

26%

26%

24%

26%

27%

28%

28%

VA

68%

66%

70%

69%

67%

65%

65%

▲TFT-LCDの視野角技術別シェア(面積ベース) 出所:DisplaySearch

 米DisplaySearchは、06〜2012年にかけてのTFT-LCD視野角技術調査結果を発表した。08年はVA方式が70%を占め、IPS/FFS方式は24%、視野拡大フィルムを用いるTN方式は6%にとどまる見通し。

 今後もVA方式がトップをキープするが、面積ベースのシェアは次第に低下し、その一方でIPS方式がシェアを拡大する。そして、2012年のシェアはVA方式が65%、IPS/FFS方式が28%、TN+視野角拡大フィルム方式が7%と予想している。

 ちなみに、VA方式を採用しているTFT-LCDメーカーはSamsung Electronics、シャープ、AU Optronics(AUO)、Chi Mei Optoelectronics(CMO)、Chunghwa Picture Tubes(CPT)など。他方、IPS方式を採用しているのはIPSアルファテクノロジとLG Displayで、IPS方式の一種であるFFS方式はBOE Technology Group(中国)が採用している。


アキレス 導電性を備えた機能性フィルムを開発

 アキレスは、導電性機能を兼ね備えた機能性フィルム「アキレスSTNリリースフィルム」と「アキレスSTN粘着フィルム」を開発した。独自の導電性ポリピロール「ナノ分散ポリピロール液(PPy液)」を活用したもので、静電気対策が必要な電子デバイス・部品製造工程での使用に適するという。

 PPy液は、導電性ポリピロールが有機溶媒中にナノレベルで分散した帯電防止剤。有機溶媒を用いるため、さまざまな機能材料と混合することが可能で、基板に塗布することで帯電防止性やその他の機能を付与することができる。従来、電子部品製造工程では剥離性や粘着性といった機能性フィルムがおもに使用されていたが、同製品を用いることにより静電気問題を解決できる。

 具体的には、アキレスSTNリリースフィルムは1層で帯電防止性能とともに従来のリリースフィルム(剥離フィルム)と同等の剥離性を確保。このため、薄膜化や多層化が進むセラミックコンデンサー製造時に静電気による微小なパーティクルの混入がなくなり、歩留まり向上が見込める。また、LCDの偏光板用リリースフィルムやフォトマスク用防塵保護膜として使用されるペリクルにも使用可能となっている。

 一方、アキレスSTN粘着フィルムは王子タックの協力を得て開発したもので、粘着性と帯電防止性能を1層で兼ね備える。フレキシブルプリント基板の製造工程で用いられる耐熱性粘着シート(補強用裏打ち材)の貼り合わせ時や剥離時に発生する静電気対策に有効なほか、LCDなどの保護フィルムや電子部品搬送時にも使用できる。


FPD/PCB NEWS〜10月16日


NEC液晶テクノロジー 高精細な3D表示が可能な12.1型TFT-LCDを開発

  NEC液晶テクノロジーは、裸眼で3D画像が得られる12.1型SVGA対応a-Si TFT-LCDを開発した。独自の画素配列であるHDDP(Horizontally Double-Density Pixels)方式を採用し、専用メガネを用いることなく高精細3D表示を実現した。

 HDDP方式はRGBサブピクセルを横ストライプ状に配置し、水平方向の画素を倍密度化。縦ストライプ配列の従来方式に比べ、水平方向の解像度を2倍に高めた。倍密度で水平方向に並んだ画素に対し右眼用のデータと左眼用のデータを水平方向に1画素ずつ交互に表示すれば3D表示、隣り合った2画素に同じデータを表示すれば2D表示となる。このため、3D表示と2D表示を同解像度で実現でき、3Dと2Dの混在表示時や3D画面と2D画面の切り換え時にも違和感のない表示が可能となる。さらに、3Dクロストークを抑制し、広い立体視域を確保した。09年度中に産業向けとして量産する予定。


トーカロ 明石工場敷地内に薄膜成膜工場を建設

 トーカロは、明石工場敷地内にスパッタリング法やCVD法による薄膜皮膜工場を建設する。

 半導体・FPD製造装置、電池・エネルギー、医療、樹脂・フィルム、石油化学などで需要拡大が期待される薄膜事業に進出するためで、新たに開発したWIN KOTEの加工を行う。WIN KOTEは耐食性、耐摩耗性、離型性に優れる薄膜で、3次元形状の機械部品への成膜や、1〜20μmと幅広い膜厚に対応可能。新工場は地上4階建て延床面積2851m2で、11月に着工、09年6月に完成する予定。投資額は約12億円。


FPD/PCB NEWS〜10月15日


Osram Opto Semiconductors 大型TFT-LCD向けの高色純度LEDを発売

型名
発光色
波長(nm)
光度 lv(mcd)
光束 Φv(mlm)
放射強度 le (mW/sr)
LR G5AP
Red
623
2400〜4500
13800
-
LT G5AP
True Green
527
3900〜8200
24200
-
LD G5AP
Deep Blue
457
-
-
20.1〜35.5

  独Osram Opto Semiconductorsは、大型TFT-LCDバックライト用LED光源「Advanced Power TOPLED Plus」を発売する。

 製品ラインアップは表の通りで、厚さを2.25mmに薄型化した。指向角は145゜で、広指向特性が求められるLCDバックライトに適する。液晶テレビのバックライトに使用した場合、623nm(赤)、527nm(緑)、457nm(青)のコンビネーションによりNTSC比125%以上という色再現性が得られる。さらに、24型以上の大型TFT-LCDに使用可能で、寿命も5万時間を確保した。サンプル価格は赤色が80円、緑色と青色が180円。


FPD/PCB NEWS〜10月14日


日立製作所と日立産機システム 加熱・冷却時間を短縮した小型熱ナノインプリント装置を開発

 日立製作所と日立産機システムは加熱・冷却時間を従来の1/6に短縮した小型熱ナノインプリント装置「HNPF-06」を開発、11月から受注活動を開始する。日立産機が製作し、日立産機と日立が販売する。

 ヒーター構造などを見直し、60℃から180℃まで加熱した後、60℃まで冷却した際の加熱・冷却時間(昇降温時間)を4分に短縮した。この結果、径150o基板でナノスケールの構造体を10分以内で成形できる。また、真空チャンバの容積をダウンサイジングすることにより、同水準の熱ナノインプリント装置に比べ約50%の小型化を図った。さらに、基板をセットするステージの平坦性を数μmまで高め、加工精度を高めた。加熱温度はマックス300℃で、真空度は1.33kPa(10Torr)以下となっている。


07年の世界カーナビ市場は前年比116.9%の893万台

▲世界カーナビ/PND市場規模推移(出所:矢野経済研究所)

 矢野経済研究所の発表によると、07年の世界カーナビゲーション市場は前年比116.9%の893万台となった。今後も前年比113%以上で成長し、2012年には1653万台に達する見通し。一方、PND(Personal Navigation Device)市場は07年が前年比228%の3080万台。08年以降は成長が次第に鈍化して平均5%程度となるが、2012年には3930万台になると推測される。

 地域別にみると、日本カーナビ市場は06〜08年にかけて315〜320万台と横バイとなっている。純正市場では07年に乗用車の新規登録・販売台数が前年割れしたため、カーナビ搭載比率は高まったものの、ほぼ横バイに終わった。

 欧州市場は06年に日本を抜き、07年には390万台規模になった。PNDの爆発的な普及がカーナビの認知度を高めている。とくに、純正のメーカーオプション市場が拡大しており、市販市場も順調に成長している。

 米国市場は07年に前年比140%弱の150万台と大幅に成長した。純正市場も市販市場も日本メーカー製がマーケットを牽引。純正市場が好調で、自動車メーカの標準搭載意欲も高いため、今後も年間40万台以上の規模で拡大する見通し。

 一方、PND市場を地域別にみてみると、日本市場は06年が10万台、07年が60万台規模だった。

 欧州市場は06年が800万台、07年が1900万台と急成長。08年には2000万台とピークに達する見通しだが、09年以降は減少傾向に入ると予測される。

 米国市場は06年が500万台で、07年には1000万台と倍増した。07年は伸びすぎといえるが、まだ普及余地は大きく、今後も堅調に出荷台数が増加し、2012年には1700万台規模になると推測される。


FPD/PCB NEWS〜10月13日


東北大学 透明な絶縁体を電界効果で超伝導物質に変換

 東北大学の川崎雅司教授と岩佐義宏教授は、材料の電気の流れやすさを電圧によって制御することで電気が流れない物質を超伝導物質に変換することに成功した。

 周知のように、電気の流れやすさは自由に動ける電子が材料にどれだけ含まれているかによって決まる。絶縁体中の自由電子の濃度を化学的な手法でゼロから次第に増やしていくと電気をよく流す金属状態へ、さらには極低温では超伝導状態へ変化する材料がいくつか知られている。1986年に発見された銅酸化物系での高温超伝導物質以来、新超伝導体の探索には添加物を化学的に加えて自由電子を作り出す手法がおもに用いられてきた。

 一方、トランジスタでは電気的な手法によって半導体の電気の流れやすさを制御する(電界効果)。今回の研究では、プラスチックを用いた新しいトランジスタを形成し、電気の流れない物質を金属状態から超伝導へ転移するのに必要な大量の自由電子を誘起した。超伝導化したのはチタン酸ストロンチウムという無色透明の酸化物単結晶で、電界効果が電気の流れやすさを制御するのみならず超伝導状態の実現にも有効であることがわかった。


FPD/PCB NEWS〜10月10日

LG Display ノートPC用14.1型プライバシー保護TFT-LCDを量産

  LG Display(韓国)は、ノートPC用として14.1型のプライバシー保護TFT-LCDを開発した。独自技術の「VIC」により、視野角を通常の175度から60度まで変更可能で、覗き見を防止することができる。今秋から量産を本格化する。


京都大学と日立 高分子の自己組織化現象を活用したナノパターニング技術を開発

 京都大学と日立製作所は、分子が自然に集合して微細パターンを形成する自己組織化現象を活用し微細ドットパターンを高密度化するナノパターニング技術を開発した。半導体、記録装置、センサーなどの電子デバイスに応用可能だという。

 自己組織化現象を活用したナノパターニング技術の一つであるケミカルレジストレーション法を応用した。ケミカルレジストレーション法は基板表面に特定の分子だけが集まりやすいよう電子線によって化学的なマークを形成し、マーク上に分子を集合させて円柱状の微細ドットパターンを形成する技術。ケミカルレジストレーション法で形成するドットパターンをさらに微細化するため、分子が集合しやすいよう基板表面を最適加工し、ドットパターンの欠落を低減させる化学的表面修飾技術を開発した。また、基板上の化学的なマークとマークの間にも分子が集合したドットを挿入し、より密度の高いパターンを形成する高倍率パターン補間技術も用いた。

 この結果、基板表面の100μm四方の領域に電子線直接描画法(EB法)により周期72nmの化学的なマークを形成し、マーク間にもドットを2個挿入することで直径約14nmの円柱状微細なドットを24nmピッチで形成することに成功した。これは従来のリソグラフィ技術であるEB法で形成した化学的なマークのパターンに比べ9倍の密度となる。


アルテック 蘭OTBの研究開発用IJプリンターを発売

 アルテックは、日本で蘭OTB Engineeringの研究開発用インクジェットプリンターの販売を開始した。

  PCBや有機ELディスプレイの研究開発向けで、アルテックとOTBはそのメンテナンスから量産用のソリューションまでを一貫して提供する。3年以内に15〜20億円の売上げを見込んでいる。


FPD/PCB NEWS〜10月9日


KDDI研究所 携帯電話と電子ペーパーをリンクしたポータブルビューアシステムを試作

 KDDI研究所は、携帯電話に収めた画像データを13.1型カラー電子ペーパーに転送して表示できるポータブルビューアシステムを試作した。すでに電子ペーパーは電子書籍リーダーなどに採用されているが、携帯電話の画像を表示できるのは今回が初めてで、電子ペーパーの新たなアプリケーションが登場したといえる。

 電子ペーパーはブリヂストンの13.1型SVGA対応電子粉流体ディスプレイを採用。携帯電話のメインディスプレイに比べ10倍以上の表示面積を有するため、A4版で作成した商品案内パンフレットや約款などをほぼ原寸大で表示できる。表示色は4096色で、画像書き換え時間は約12秒。携帯電話に記録した画像をメインディスプレイ上のサムネイル画像で確認した後、赤外線通信(IrDA)インターフェースによって転送し、電子ペーパー上に表示する。今回のシステムでは操作はすべて携帯電話で行い、電子ペーパー側では電源ボタン以外の操作が不要となっている。

 従来、モバイルプレゼンテーションにはおもにノートPCが用いられてきたが、消費電力が大きく、分厚く重いため持ち歩きに不便で、紛失時のセキュリティにも問題がある。これに対し、電子ペーパーは低消費電力、薄型・軽量でポータビリティ性に優れ、また携帯電話は遠隔ロックや遠隔データ消去などの機能が搭載できるため、万一紛失した時にも高いセキュリティが保証できるとしている。


NEC液晶テクノロジー 医療用21.3型カラーTFT-LCDを発売

  NEC液晶テクノロジーはX線画像の読影診断をはじめとする医療用途向けに21.3型UXGA対応カラーTFT-LCD「NL160120AC27-22B」を製品化、受注活動を開始した。サンプル価格は25万円で、1年間で2万枚の出荷を見込んでいる。

  透過率アップと直下型高出力バックライトの採用により、900cd/m2という高輝度を実現。読影診断用途で求められる階調特性に十分な輝度ダイナミックレンジを確保した。さらに、視野角を水平・垂直176度に高め、見る角度が変わっても違和感やストレスなく情報を読み取れるようにした。

  また、黒色表示時の光遮蔽率を高め、従来品に比べ2割増に当たるコントラスト1100:1を実現。ISP(In-Plane Switching)モードの課題だった画面を斜めから見たときに発生する黒浮き現象も抑制し、コントラスト比の視野角特性を改善した。

FPD/PCB NEWS〜10月7日

IMECと大陽日酸 緑色LED製造技術を共同開発

  IMEC(ベルギー)と大陽日酸は、緑色LED製造技術を共同開発することで合意した。IMECの化合物半導体技術と大陽日酸のMOCVD技術を組み合わせ大口径緑色LEDの製造技術を開発する狙いで、LCDバックライトなどへの応用を見込んでいる。

産総研 張力によって色が変化する高分子膜を開発

  産業技術総合研究所(産総研)は、張力に応じて色が瞬間的・可逆的に変化する高分子(ポリマー)膜を開発した。張力を簡便に可視化できる張力センサーへの応用が期待できる。

  ポリマー膜は、新開発した置換ポリアセチレン溶液を伸縮性基板上にスピンコートして作製した。このポリマー膜を延伸機を用いて伸ばしたり縮めたりすると、瞬間的・可逆的に色が変化。色の変化は繰り返し可能で、さらに人間の手による伸縮のように小さな力でも色を変化させることができるという。

FPD/PCB NEWS〜10月6日

Liquavista 動画対応のフルカラー電子ペーパー開発計画に参加

  Liquavistaは、英国技術戦略委員会(Technology Strategy Board)が推進している次世代携帯ディスプレイ開発計画に参加すると発表した。プロジェクト予算は3年間で1200万ポンド。Liquavistaのエレクトロウェッティング技術を用いて動画対応のフルカラー電子ペーパーを開発する。

FPD/PCB NEWS〜10月2日

コニカミノルタセンシング メガコントラストが測定できる分光放射輝度計を発売

  コニカミノルタセンシングは、FPDや発光デバイスの輝度を0.0005cd/m2から測定できる分光放射輝度計「CS-2000A」を発売する。この結果、100万:1というメガコントラストも測定できるようになる。

  1度の測定角で0.0005cd/m2と従来製品より一桁向上した性能を実現。超低輝度領域まで安定した測定が可能になった。また、測定角切替方式により用途に合わせた最適な測定角が選択でき、オプションのクローズアップレンズを使用すればさらなる微小領域の測定も可能となっている。

FPD/PCB NEWS〜10月1日

松下電器 パナソニックに社名を変更


  松下電器産業は、1日付で社名を「パナソニック梶vに変更した。グループ会社のうち「松下」、「ナショナル」を冠する企業も同日付で「パナソニック」を冠する社名に変更した。

  国内ブランドについては、09年度をめどに「National(ナショナル)」から「Panasonic(パナソニック)」へ順次切り替える。


住友重機械 XYステージの累計出荷が1000台に


  住友重機械工業は、高精度位置決め装置(XYステージ)の累計出荷台数が1000台に達したと発表した。1999年にFPD製造・検査装置向けとして参入して以来、順調に出荷を伸ばし20年弱で大台に達した。