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FPD/PCB NEWS〜3月30日


大日本印刷 既存の印刷機で紙や布に印刷できる発光材料を開発

 
▲ガラス基板への印刷サンプル(左)と布への印刷サンプル(右)

  大日本印刷は、既存の印刷機を使って文字や絵柄などを印刷できる低電圧発光材料を開発した。紙や布などに印刷できるため、ポスターやPOPなど幅広い応用が見込め、5年後の実用化を目指している。

  高輝度が得られるRu系遷移金属錯体を母体にしてイオン液体を電解質に用いることにより、封止レスで大気中での発光を実現した。これにシリカナノ粒子を混練して発光体をゲル状にすることでインキを作製。紙や布などに文字や絵柄などの任意パターンを既存の印刷機で印刷できるようにした。発光層は25μm以上と比較的厚膜で、異物の影響も受けないため、クリーンルームで製造する必要もない。気になる発光特性は、乾電池でも駆動できる3.3Vで200cd/m2という高輝度が得られた。


FPD/PCB NEWS〜3月24日


出光興産 FPD用IZOターゲットを太陽電池向けにも供給

 出光興産は、FPD用透明電極材料「IZO」を化合物系太陽電池向けにも供給すると発表した。

 Cu-In-Ga-Se薄膜材料を用いるCIGS太陽電池では現在、ZnO系透明電極が使われており、透明電極には@発生した電気を無駄なく取り出すため抵抗値が低いこと、A光透過率が高いこと、B高温高湿下での耐久性に優れてること、の三つの特性が要求される。いうまでもなく、@とAは変換効率を大きく左右し、IZOがこれらの要求を満たすと判断した。2015年に50億円の売上げを見込んでいる。


トプコン 輝度・色度ユニフォミティ測定装置を発売

 トプコンは、FPD用輝度・色度ユニフォミティ測定装置「UA-1000A」を発売する。

 現行モデル「UA-1000」をブラッシュアップしたもので、400cd/m2の輝度・色度を約5秒で高速測定できる。また、0.005〜10万cd/m2という広いダイナミックレンジを確保。16bit分解能により微小な濃淡差も正確に測定できる。価格は496万円で、台湾のTFT-LCDメーカーからパイロットライン向けとして受注が内定しているという。


FPD/PCB NEWS〜3月25日


シャープ ソニーとのTFT-LCD合弁の母体会社を設立

 シャープは、4月1日付でソニーと合弁で設立するテレビ用大型TFT-LCD会社の母体会社「シャープディスプレイプロダクト」を設立する。

 資本金は1億円で、シャープが全額を出資。代表取締役社長にはシャープ元副社長の佐治寛常任顧問が就任する。2010年3月までにソニーと設立する合弁会社へ移行する予定で、大阪府堺市に建設中の第10世代マザーガラス対応工場を運営する。

 両社は昨年2月に同年9月までに合弁会社を設立する覚書を交わしていたが、景気悪化によりスケジュールを延期していた。


FPD/PCB NEWS〜3月24日


大日本印刷とミクロ電子 フィルム基板上にCu配線パターンを形成する技術を開発
IJ印刷後にマイクロ波を照射し低温かつ短時間で焼結

  大日本印刷とミクロ電子は、PETフィルムなどのプラスチックフィルム基板にインクジェットプリンティング(IJ)法でCu配線パターンを形成することに成功した。

  CuナノインクをIJ印刷した後、マイクロ波を照射することによりCuナノ粒子を焼結し配線パターンにする仕組み。マイクロ波プラズマの使用により、これまで300℃×1時間程度が必要だった焼結処理を150℃前後の低温で数十秒から数分にまで短縮できる。この結果、耐熱性の低いPETフィルムなどにも低抵抗配線を形成することができる。開発に当たっては大日本印刷がCuナノ粒子のインク化とパターン形成技術、ミクロ電子がマイクロ波プラズマ照射装置を開発した。

 フレキシブル回路基板、折り曲げ可能なフレキシブルディスプレイや有機太陽電池などへの応用を見込んでおり、2011年の実用化を目指している。


FPD/PCB NEWS〜3月23日


2月のTFT-LCD市場は前年同月比55%減

 DisplaySearchの発表によると、2月のTFT-LCD出荷金額は前年同月比55%減、前月比15%増の33億ドルとなった。出荷枚数はテレビ用パネルが前年同月比6%減、前月比11%増の770万枚、モニタ用パネルが前年同月比23%減、前月比37%増の1240万枚、ノートPC用パネルが前年同月比17%減、前月比21%増の860万枚。


FPD/PCB NEWS〜3月18日


09年の車載用ディスプレイ市場は1億7530万枚に

 DisplaySearchは、09年の車載用ディスプレイ市場規模は数量ベースで1億7530万枚、金額ベースで17億7000万ドルになるという予測を発表した。2015年には数量ベースで2億3110万枚、金額ベースで24億ドルに達する見通し。

 このカテゴリーではシャープと東芝松下ディスプレイテクノロジーの2社が2/3のシェアを占めているが、08年はオプトレックスやエプソンイメージングデバイスが急激にシェアを伸ばした。


FPD/PCB NEWS〜3月17日


Philips LG Display保有株をすべて売却

 蘭Royal Philips Electronicsは、LG Displayの保有株式すべてを売却したと発表した。

 売却したのは4720万株で、発行済み株式資本の13.2%に当たる。売却額は約6億3000万ユーロ(約753億円)。


FPD/PCB NEWS〜3月13日


日立ディスプレイズ TFT-LCDの価格カルテルで罰金支払いに同意

 米司法省は、TFT-LCDの価格カルテルをめぐる独占禁止法違反事件で日立ディスプレイズが罰金3100万ドル(約30億円)の支払いに同意したと発表した。この件に関してはシャープ、LG Display、Chunghwa Picture Tubesが罰金を支払い済み。


三洋電機と東工大 世界最高導電率のPEDOTを開発

 三洋電機と東京工業大学資源化学研究所は、導電性ポリマーとして知られるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の導電率を1200S/cm以上に高めることに成功した。

 一般的なPEDOTの導電率は数百S/cmだが、化学酸化重合時に加える添加剤を最適化し世界最高の導電率を再現性よく得られるようにした。今回の製法で作製したPEDOT膜を膜厚120nmで塗布したところ、シート抵抗値は68Ω/□という低い値が得られた。このため、帯電防止膜という従来用途に加え、電極材料としても使用できるという。なお、透明性に関しては薄く青色に着色しており、波長550nmでは透過率75%(膜厚100nm)となっている。


FPD/PCB NEWS〜3月12日


エプソンとソニー 中小型TFT-LCD事業での提携を協議

 セイコーエプソンとソニーは、エプソンの中小型TFT-LCD事業の一部をソニーへ譲渡することを含め、中小型TFT-LCD事業で提携することで協議する。6月末に正式契約を結ぶ予定だ。

 周知のように、エプソンの子会社であるエプソンイメージングデバイスはa-Si TFT-LCDと低温Poly-Si TFT-LCDを量産。一方、ソニーは中小型の低温Poly-Si TFT-LCDに特化しており、ソニーは提携を通じてa-Si TFT-LCD事業にも進出する狙いだ。


三菱電機 保護ガラスを実装した産業用TFT-LCD3機種を発売

 三菱電機は、保護ガラスを表示面全体に接着したグラスボンディングタイプの産業機器用TFT-LCD3機種を発売する。外光反射が少なく、明るい環境でも反射や映り込みが少ないため、屋外機器に最適だという。

 新発売するのは9型ワイドVGA、12.1型ワイドXGA、14.1型ワイドXGAパネル。モジュールの表示面全体に厚さ約3mmの保護ガラスを樹脂で接着し、外光反射率を従来の1/10程度に抑制した。保護ガラスはモジュールと一体化されているため、セットメーカーサイドでは組立工程が削減できる。輝度は400cd/m2以上、コントラストは600:1以上で、動作保証温度範囲も-20〜+70℃を確保した。


オムロン 大型LCDバックライト事業から撤退

 オムロンは、緊急対策・構造改革の一環として不採算事業である大型LCD用バックライト事業から撤退することを決めた。これにともない、子会社である多摩ファインオプト、孫会社である多摩光電、多摩精密光電(常熟)の3社を解散し、2010年度中に清算を完了する。


FPD/PCB NEWS〜3月11日


東大 ナノファイバーを溶液や乾燥状態で安定に単分散する技術を開発

 東京大学大学院の加藤大氏はNEDO技術開発機構の産業技術研究助成事業の一環としてカーボンナノチューブ(CNT)などのナノファイバーを溶液や乾燥状態で安定に単分散する技術を開発した。

 多環芳香族であるトリフェニレン環と脂肪酸からなる分散剤を繰り返し加えることでナノファイバーの単分散溶液を調製する仕組みで、分散剤がナノチューブに巻きつくことにより安定した単分散状態が得られる。溶液を乾燥させた後、再び溶液を添加すると単分散溶液が容易に再調製できる。このため、乾燥状態で保管し、使用する際に溶液を加えるだけで単分散溶液が得られ、半年以上にも及ぶ保管が可能になる。

 また、水溶液だけでなく、有機溶媒を添加した混合液にもナノファイバーを単分散させることも可能。さらに、分散剤の脂肪酸部位の鎖長を変化させると、分散されやすいナノチューブの太さが変化するといった特徴もある。


FPD/PCB NEWS〜3月10日


LG Display Pajuの第8世代LCD工場が稼働

 LG Displayは、Paju(パジュ)の第8世代TFT-LCD工場の稼働を開始した。投資額は2兆5350億ウォン。

 2200×2500mmマザーガラスを用いておもに32型、47型、55型パネルを量産する。まずはマザーガラス投入能力2万枚/月でスタート。年末までに8万3000枚/月にまで増強する予定。


FPD/PCB NEWS〜3月4日


1月のPDP出荷台数は前月比8%増、出荷金額は4%増に

▲PDP出荷動向 出所:Displaybank

 Displaybankによると、1月のPDP出荷台数は前月比8%増の104万台、出荷金額は4%増の3億8500万ドルと回復基調を示した。ただし、平均販売価格は369ドルと前月比4%下落した。

 サイズ別では、40型クラスが57%を占めた一方、32型TFT-LCDの価格が下落したことから、30型クラスの比率が10%に減少した。解像度別ではフルHDが25%を占めた。第1四半期にパナソニックが54型フルHDを発売。Samsung SDIとLG Electronicsも50型以上でフルHD比率を高めるため、09年のフルHD比率は37%にまで上昇する見通し。

 なお、08年第4四半期から大幅に下落してきたモジュール価格は2月から安定しており、数量・金額とも徐々に増加すると予測している。


NEC液晶テクノロジー 鹿児島工場を閉鎖しTFT-LCDの生産を秋田工場に集約

 NEC液晶テクノロジーは、産業用TFT-LCDの生産体制を再編すると発表した。

  具体的には、鹿児島工場(鹿児島県出水市)を12月末で閉鎖し、TFT-LCDの生産を秋田工場(秋田県秋田市)に集約する。これにともない、本社機能の一部を秋田工場に移管・統合する。


三菱電機 白色LED搭載の産業用15型TFT-LCDを発売

  三菱電機は、白色LEDバックライトを採用した15型XGA TFT-LCD2機種を発売する。輝度700cd/m2と1500cd/m2の2モデルで、サンプル価格は前者が8万円、後者が10万円。

  白色LEDバックライトの光学設計と放熱設計を最適化し、業界トップレベルの高輝度と高コントラストを実現した。バックライト寿命も従来のCCFLの5万時間に対し6万時間(最小値)にアップ。また、−20〜+70℃と広い動作保証温度範囲を確保した。さらに、光源にCCFLを用いた従来品と外形寸法、ネジ穴位置、信号入力コネクタの位置を統一化し、リプレースを容易にした。


FPD/PCB NEWS〜3月3日


ナカン 民事再生法の適用を申請

 
LCD製造装置メーカーのナカンは、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。負債額は約114億円。