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FPD/PCB NEWS〜9月30日

NICTとビクター フルHDの裸眼72型3Dディスプレイを開発

 情報通信研究機構(NICT)と日本ビクターは、フルHD対応の3Dディスプレイを開発した。試作したのは72型システムで、映画館のような臨場感を実現した。

  試作した3Dディスプレイは、1億画素以上の表示性能を持つプロジェクタアレイを内蔵。プロジェクタアレイとスクリーンなどの周辺光学系を組み合わせてさまざまな光線群を制御し投射することにより3D化した。試作した72型スクリーンはフルHD画質で、視域もスクリーン幅程度にまで広めた。今回の技術をブラッシュアップすることにより、将来的には200〜300型の大画面も可能になる。両者は今後、3年以内に実用に向けたプロトタイプを試作する予定だ。


三菱電機 産業機器用17型SXGA TFT-LCDを発売


  三菱電機は産業機器用17型TFT-LCD「AA170EB01」を開発、09年3月から発売すると発表した。サンプル価格は10万円で、月産3000枚の出荷を見込んでいる。

  SXGA対応の専用信号処理回路を開発し、−20〜+70℃という動作保証温度範囲を確保。産業機器に求められる過酷な温度環境での使用を実現した。輝度は450cd/m2、コントラストは700:1、色再現性はNTSC比72%とハイスペックをマーク。独自の色変換技術NCM(Natural Color Matrix)との組み合わせにより、PC用ハイエンドモニターに匹敵する画質を確保した。また、5万時間の長寿命ランプを採用するとともに、工具を使わずにランプユニットが交換可能など産業機器向けとして長期間の使用が容易な仕様にした。


FPD/PCB NEWS〜9月29日


NEC液晶テクノロジー 白色LED搭載の産業機器用TFT-LCD5機種を発売

  NEC液晶テクノロジーは白色LEDユニットを搭載した産業機器用a-Si TFT-LCDのラインアップを強化、7型ワイドVGA、8.4型VGA、9型ワイドVGA、10.4型VGA、12.1型SVGAの5機種をリリースする。12月から順次サンプル出荷する。

  全モデルとも白色LEDユニットの最適化により常温で7万時間という長寿命化を達成。従来、白色LEDの課題だった高温環境(70℃)でも寿命を6万時間に高めた。さらに、CCFLバックライト搭載の従来製品に比べ消費電力を2割以上削減した。

  また、外形寸法、取り付け穴位置、取り付け穴位置と画面中心の相対位置関係などCCFLバックライト搭載品との互換性を維持。入力信号も従来製品とのインタフェース互換を実現し、リプレースを容易にした。さらに、−20〜+70℃という幅広い温度での動作を保証するとともに、低温環境でも起動時から十分な輝度特性を実現した。


三菱化学 白色LED/FPD用蛍光体事業を強化し化成オプトニクスを吸収合併

  三菱化学は、白色LEDとFPD用蛍光体事業を強化するため、09年4月1日付で子会社の化成オプトニクスを吸収合併する。

  これにともない、高輝度白色LED用赤色・緑色蛍光体の製造設備を増強。化成オプト二クス・小田原工場にある製造設備の生産能力を3倍に引き上げる。完成は09年9月の予定。

住友化学 高分子有機ELのデバイス開発センターを設置

  住友化学は、高分子有機ELデバイス製造技術を開発するため、愛媛工場に「デバイス開発センター」を設置する。

  印刷、電極形成、封止、パターニングなどの設備を導入し、100%子会社であるCambridge Display Technology(CDT)の開発したデバイス製造技術を活用し実用的な製造技術を確立する狙い。

FPD/PCB NEWS〜9月26日


日本電産サンキョー 安川電機に対しLCD基板搬送ロボットで特許侵害訴訟

  日本電産サンキョーは、安川電機に対しTFT-LCDガラス基板などの搬送ロボットに関連する特許権(日本国特許第3,973,006号および第3,973,048号)に基づいて特許侵害行為の差止と損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。主要製品であるダブルアーム型LCDガラス基板搬送用ロボットの基本特許だという。


プロデュース 新潟地方裁判所に民事再生手続き開始を申し立て

  プロデュースは26日、新潟地方裁判所に民事再生手続開始の申立を行い、裁判所より保全処分命令(弁済禁止処分)および監督命令が発令されたと発表した。

  9月18日に証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反等(虚偽有価証券報告書提出罪等)の嫌疑で強制捜査を受け信用が低下。9月30日に弁済期日が到来する短期借入金の弁済について新規借り入れをすることも借り換えをすることも困難な状況になっていた。負債総額は73億8400万円。

  今後、民事再生手続のなかで、外部専門家を中心としたチームによる資産・業績の精査の実施と平行して、スポンサーを募集・選定し事業の継続・再生を図っていく方針。

FPD/PCB NEWS〜9月25日


カシオ 546ppiの超高精細2型a-Si TFT-LCDを開発


  カシオ計算機は、精細度546ppiの2型a-Si TFT-LCDを開発した。

 画素数は960×540画素で、独自技術HAST(Hyper Amorphous Silicon TFT)をベースにトランジスタや配線構造設計に多層配線化による新構造を取り入れた。この結果、ドットピッチを15.5μmに狭ピッチ化しながら従来並みの開口部を確保した。なお、視野角は上下左右160度となっている。


日本ゼオン 子会社のオプテスを吸収合併


  日本ゼオンは、09年1月1日付で100%子会社のオプテスを吸収合併すると発表した。光学フィルムや拡散板などLCD用部材事業を直轄にすることにより 、樹脂開発から成形加工まで一貫した製品開発体制を構築する。


ローム 清華大学内に電子工程館を建設し同大学との相互学術交流を強化

  ロームと清華大学(中国)は、「TSINGHUA-ROHM ELECTRONIC ENGINEERING HALL(清華ローム電子工程館)」を建設し学術交流の協力関係を強化することで合意した。

 清華ローム電子工程館は、2011年4月に開催される「清華大学創立100周年記念式典」に合わせ清華大学キャンパス内に開設する。地下2階地上11階建て延床面積約3万3000m2。投資額は約20億円で、ロームが全額負担する。国際的な産学連携を推進する国際交流センター(約1500m2)、半導体デバイス開発のクリーンルームスペース、先端LSIの研究・学習スペース、清華大学とロームの共同研究スペース(約1500m2)、300席を有する学術発表用ホールなどを設ける。


FPD/PCB NEWS〜9月24日


8月の大型TFT-LCD出荷枚数は3か月ぶりに増加


▲用途別大型TFT-LCDの出荷枚数推移(出所:Displaybank)

 Displaybankの発表によると、8月の大型TFT-LCD出荷枚数は前月比10.4%増の3億8900万枚となり、3か月ぶりに前月比プラスに転じた。ただ、需要期直前にもかかわらず、過去最高を記録した5月の出荷枚数に比べ94%にとどまった。一方、出荷面積はTV用パネルの増加にともない前月比16.6%増の580万m2となった。平均価格は前月比5.4%下落した。

 図1のように、大型TFT-LCDの出荷枚数はすべてのアプリケーションで前月に比べ小幅増を果たした。このうちTV用パネルは22.4%増の980万枚を出荷し、過去最高を記録した。

 メーカー別の数量シェアはSamsung Electronicsがシェア22.1%でトップ。2位はシェア20.8%のLG Display、3位はシェア18.1%のAU Optronics(AUO)。売上ベースでもSamsungがシェア25.7%で1位、LG Displayがシェア19.7%で2位、AUOがシェア17.1%で3位となっている。


FPD/PCB NEWS〜9月22日


インターアクション プロデュースとのFPD移載システム技術供与を無期限延期

 インターアクションは、プロデュースとのFPD移載システム製造技術供与契約を無期限延期にすると発表した。プロデュースが証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反等の嫌疑で強制調査を受けたため。


FPD/PCB NEWS〜9月19日


LG Display RGB-LEDバックライト搭載のノートPC用17.1型TFT-LCDを量産

  LG Display(韓国)はRGB-LEDバックライトを搭載したノートPC用17.1型TFT-LCDを開発、亀尾(Gumi)工場で量産を開始した。

  色再現性をNTSC比105%に高めるとともに、従来の冷陰極管(CCFL)バックライト採用パネルに比べコントラストも30%向上させた。ちなみに、RGB-LEDバックライトを搭載したノートPC用TFT-LCDが量産されるのは世界で初めて。


京セラ ガラス/ガラス構造のタッチパネルを量産

  京セラは、LCDの表面にアセンブルするタッチパネルの量産を開始する。量産するのは“ガラス/ガラス構造”で、現在の主流である“フィルム/ガラス構造”に比べ視認性と耐久性に優れるという。タッチパネル単品に加え、タッチパネルを一体化したLCDも産業機器向けとして製品化する。

  操作側基板にもガラス基板を用いることにより、光錯乱や基板の歪みを抑制。また、−30〜85℃という広い温度範囲で優れた耐久性を実現した。さらに、完全密閉構造で耐水性にも優れるため、高湿環境においても結露が起きにくいという。操作側基板は0.2mm厚、ディスプレイ側基板は0.5〜1.8mm厚、外形サイズは3.5〜10.4型に対応。表面フィルムもアンチリフレクション(反射防止)処理、アンチグレア(つや消し)処理、インナータイプなど多様なニーズに対応する。

 一方、自社ブランドとして製品化するタッチパネル(アナログ抵抗膜方式タイプ)付きLCDはまず5.7型と6.2型パネルを量産。今後、順次10.4型以下のLCDを量産する予定。生産拠点は鹿児島隼人工場で、初年度で月産1万枚、3年後で月産5万枚以上に生産量を拡大する方針だ。


2012年の世界PCB関連製品市場は5兆7625億円に

 富士キメラ総研は、調査報告書「2008 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」のなかで2012年の半導体関連製品・プリント配線板(PCB)関連製品市場が46兆9075億円に達するという予測を発表した。

製品
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
半導体関連製品
300.894
282,424
298,818
325,130
362,920
411.450
PCB関連製品
43,448
47,007
49,906
52,509
55,140
57,625
▲世界半導体関連製品・PCB関連製品市場推移 単位:億円(出所:富士キメラ総研)

 表のように07年の半導体(IC、LSI)市場は30兆円を超えたが、08年は30兆円を割り込むと推測される。しかし、今後も半導体、PCBともデジタル機器の増加とともに市場が拡大し、2012年の半導体関連製品市場は41兆1450億円、PCB関連製品市場は5兆7625億円に拡大すると予測される。

  個別にみてみると、07年の半導体パッケージ市場は数量ベースで前年比24.2%増の214億個となった。一方、07年のPCB市場は金額ベースで4兆3448億円となった。業界を牽引している基板はリジッド多層基板で、4〜8層の低多層基板はFPDを中心としたデジタル機器に、10層以上の多層基板は通信機器や通信インフラ用基板に多く採用されている。注目は06年から市場が立ち上がった部品内蔵基板で、現在は用途が携帯電話に限定されているものの、今後は他のポータブル機器や車載機器(ECU)などにも拡大していくとみられる。

注目のPCB関連市場

  PCBは従来のリジッドタイプとフレキシブルタイプに二分され、実装技術は片面にはじまり、両面プリント、多層プリント、ビルドアッププリント配線板へと進化してきた。


▲ビルドアッププリント基板とFPCの世界市場推移
 単位:億円(出所:富士キメラ総研)

部品内蔵基板
  部品を基板内に実装する部品内蔵基板は、表面実装していた部品を基板内に埋め込み基板面積を削減する技術。機器が高機能化するなか実装デバイスが増加し、機器の小型化が難航しているため、高機能と小型化を両立する部品内蔵基板に対する期待は高い。

  07年の市場規模は数量ベースで前年比174.4%増の1652万個。携帯電話のカメラモジュールとワンセグモジュールに採用されたのがトピックスで、08年も携帯電話が牽引し07年比111.9%増の3500万個が見込まれる。今後、携帯電話のカメラモジュール、無線系モジュール、車載機器への搭載が進み、2012年には7億5000万個に達すると予想される。

ビルドアッププリント配線基板(ベースタイプ)
  ビルドアップ基板は、下層から順に絶縁層と配線層の薄膜を積層したプリント配線基板。07年の市場規模は金額ベースで前年比9%増の7802億円、数量ベースで12.3%増の1550万m2となった。08年には金額ベースで8218億円、2012年には9068億円に拡大すると予想される。

  携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラのメインボードや携帯電話のモジュール基板、パッケージ基板として使用されることが多い。とくに増加傾向にあるのは、携帯電話のモジュールとパッケージ基板、純正カーナビゲーションのメイン基板である。モジュールとパッケージ基板は従来からセラミック基板を使用している部分で、一部低コスト化を目的にビルドアップ基板へシフトしている。多層基板を使用しているモジュールでもチップの小型化にともない微細線化が進展し、ビルドアップ基板へシフトしている。また、純正カーナビでは無線通信機能が融合したため、多層基板からのシフトが著しい。

フレキシブルプリント配線板(FPC)
  ポリイミドフィルムをサブストレートにしたPCBには片面・両面フレキシブルプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板がある。寸法安定性の高さと耐熱性、屈曲性を生かし、小型・軽量製品や可動部分を持つ製品に多用されている。07年の市場規模は数量ベースで前年比6.6%増の4092万m2で、08年は前年比2.9%増の4,210万m2となる見込み。

  片面FPCはノートPC市場の拡大に牽引され、ハードディスクドライブ(HDD)、光ピックアップ(OPU)、光ディスクドライブ(ODD)向けで堅調に拡大した。両面FPCも携帯電話端末の市場拡大やヒンジ部における細線同軸ケーブルからFPCへの回帰の動きもあり拡大。08年は片面FPCではHDDの市場拡大やOPUでFPC使用面積の多いSuper MultiタイプやBlue-ray DVD(記録・再生)タイプが拡大して市場が拡大する。一方、両面FPCは携帯電話市場の成長鈍化にともない成長が鈍化する見込み。

  多層FPCは以前からマーケット動向が携帯電話に依存していたが、Blue-ray DVD向けOPUやポータブルミュージックプレーヤーといった新規アプリケーションが登場し多層FPCを使用したことにより大幅に拡大した。しかし、08年はBlue-ray DVD用OPUが両面FPCにシフトしていることや、新しいアプリケーションがないため、成長が鈍化するとみられる。


FPD/PCB NEWS〜9月18日


日立と松下 テレビ用ディスプレイ・薄型テレビ事業での協業を拡充

  日立製作所と松下電器産業は、テレビ用ディスプレイ事業・薄型テレビ事業の協業を拡充することで合意した。10月末までに最終契約を締結する予定。

 PDP事業に関しては、日立の子会社である日立プラズマディスプレイが松下電器からパネルを外部調達し、ドライバICなどを実装してモジュールとして製品化する。09年度に日立が発売するモデルから採用する予定。また、薄型・省エネ対応など高付加価値型PDPの開発でも協業を推進する。

 PDPテレビ事業に関しては、従来からのマーケティング活動を引き続き推進。液晶テレビ事業に関しても、IPSアルファテクノロジを中心とした協業を強化する。


NEC液晶テクノロジー 産業機器用9型ワイドTFT-LCDを発売

  NEC液晶テクノロジーは、計測器やFA制御装置をはじめとする産業機器用9型ワイドVGA(800×480画素)対応TFT-LCD「NL8048BC24-04」を製品化、受注活動を開始した。サンプル価格5万円で10月下旬からサンプル出荷する。

  独自のUA-SFT技術により、水平・垂直方向とも176度の広視野角、350cd/m2の高輝度、800:1の高コントラストを実現。また、外形寸法、取り付け穴位置、取り付け穴位置と表示画面中心の相対位置関係など従来製品との互換性を維持するとともに、入力信号についてもWVGA対応LVDSインターフェース対応の従来製品との互換性を確保した。さらに、−20〜+70℃という幅広い動作温度を保証している。


日立化成 PCB用材料を値上げ


  日立化成工業は、10月21日出荷分よりプリント配線板(PCB)用材料の銅張積層板、プリプレグ、シールド板(内層回路入り銅張積層板)、感光性フィルムを値上げする。銅張積層板を平均15%、シールド板、プリプレグを平均10%、感光性フィルムを25%値上げする。


FPD/PCB NEWS〜9月17日


メイコー J.MACCからFPD検査装置・プローブ関連製品事業を取得

  メイコーは、J.MACCからFPD画質検査装置、プローブ製品、ピンプローブ治具、特殊プリント基板事業を譲り受けると発表した。

  メイコーが一部株式を保有しているJ.MACCは特殊メッキによる電極製造技術・微細化技術を保有しており、メイコーの技術を融合することによりさらなる先端技術の開発が可能になるほか、高品位・高密度プリント配線板事業が拡大できると判断した。ちなみに、譲渡対象事業の売上高は08年3月期で6億5159万円。10月15日付で事業を正式に移管する。


FPD/PCB NEWS〜9月16日


積水化学 滋賀県にFPD用フィルムなどの主力工場を建設

  積水化学工業は、滋賀県・びわ湖東部中核工業団地内にIT製品の新事業所「多賀工場」を建設する。 IT製品の一部を生産してきた100%子会社の積水フィルムより多賀事業所全体を移管。10月1日付で直轄事業としてIT分野の主力工場に位置づける。

 計画によると、敷地面積約9万6000m2に延床面積2万6000m2の新工場棟を建設する。投資額は約85億円で、11月に着工、2010年1月に完成する予定。新工場棟ではFPD向けの光学用保護フィルムや位相差フィルムを中心に生産する。

FPD/PCB NEWS〜9月11日


▲米国市場における液晶テレビ出荷動向(出所:Displaybank)
米国の大型液晶テレビ市場 40型以上の83%がフルHD対応に

  Displaybankは、米国市場で40型以上の液晶テレビの80%以上がフルHD対応になったと発表した。

  具体的には、40型/42型で70%前後、46型以上では90%前後がフルHD対応となっている。また、HD(ワイドXGA)テレビとフルHDテレビの価格差も急速に縮小。40型では4月時点でフルHDがHDより35%も高かったが、8月には17%までその差が縮小したという。

三井化学とトクヤマ モノシランガス製造プロセスを共同開発

  三井化学とトクヤマは、半導体やFPDなどの製造に用いられるモノシランガスの製造プロセスを共同開発することで合意した。

  モノシランガスはSi膜、SiO2酸化膜形成用に用いられる特殊ガス。両社の技術を融合し、モノシランガスの新規製造プロセスを共同開発する。開発完了後は両社による共同事業化も視野に入れている。

FPD/PCB NEWS〜9月10日


東北大学 小池研究室 大型TFTのすべての配線材料にCu-Mn合金ターゲットを提案



図1 Cu-Mn合金とa-Si間の電流- 電圧特性

 東北大学 小池淳一教授は、独自開発したCu-Mn合金ターゲットを大型TFTのすべての配線に使用できるメドをつけた。昨年提案したゲートに加え、ソース/ドレインにも適用可能なことを立証したもので、3〜5年後の実用化を目指している。

 開発したCu-Mnターゲットを用いてスパッタリング成膜した後、200〜300℃で熱処理をすると、Mnが合金表面に析出してMn酸化物層を形成する一方、内部はピュアCuになる。Mn酸化物層は下地との密着性を高めるとともに、上層材料との反応を抑制する働きがある。小池教授は07年にゲート配線へ使用可能なことを発表、膜の剥離防止や抵抗半減という成果を示してきた。今回、ソース/ドレインにも適用可能なことを示した。

 周知のようにソース/ドレインの場合、電流がソースからドレインに流れる際にa-Si層を通過する。このため、ソース/ドレイン配線材料には@a-Siとの密着性が高い、A原子が混合しない(拡散バリア性)、B電流が両方向にスムーズに流れる(オーミック特性)といった点が要求される。しかし、一般的にCu-Mnを含めCu合金配線は@およびAとBがトレードオフの関係になり、Cu-Mn膜でもMn酸化物層の膜厚が厚すぎると電流が流れにくくなりオーミックコンタクトが得られない反面、薄すぎると拡散バリア性と密着性が損なわれる。そこで、Mn酸化物層の膜厚を1〜2nmに最適化することにより、上記の問題をブレークスルーした(写真1、図1)。
 
  この結果、ゲート、ソース/ドレインの3配線すべてに適用できることを立証。従来のAl/Mo積層膜に比べ配線コストを3割削減できるという。もちろん、従来積層膜に比べ抵抗が半減できるため、大型TFT-LCDにおける画像表示ムラも抑制できる。今後、大型スパッタ装置における量産可能性を検証し、3〜5年後の実用化を目指す。


グンゼ 台湾にITO成膜の合弁会社を設立


  グンゼと華宏新技(台湾)は、ITO成膜の合弁会社を設立する。i-Phoneの発売などタッチパネル市場が急成長しているためで、グンゼはこれまでの垂直統合路線から他社を絡めた水平分業体制も構築する。

  10月に台南に合弁会社「群宏光電(Jun Hong Optronics)」を設立する。資本金は2億NTドル(約7億円)で、グンゼが51%、華宏新技が49%を出資する。14億円を投じて台南にITO成膜工場を建設し、09年9月から量産を開始する予定。

FPD/PCB NEWS〜9月9日

Samsung SDI 有機ELD/中小型LCD事業を分社化

  Samsung SDIはSamsung Electronicsと合意した有機ELディスプレイ・中小型LCD事業合弁に向けた準備として同事業を分社し、「Samsung Mobile Display」を設立する。資本金は1000億ウォンで、9月中に設立される予定。

 Samsung Mobile Displayは09年1月にSamsung Electronicsの出資を受け、さらなる新会社へ移行する見通し。


エプソン 0.7型フルHD対応高温Poly-Si TFT-LCDを開発


  セイコーエプソンは3LCD方式プロジェクター用フルHD対応0.7型高温Poly-Si TFT-LCD(HTPS:High Temperature poly-Silicon)2機種を開発、量産を開始した。

  ハイエンドモデルは従来のフルHD対応C2FINEパネルを進化させ倍速駆動に対応。120フレーム/秒間表示により、動きの速い映像を滑らかに表現することができる。また、Mini-LVDSインターフェース機能をビデオ信号処理ICに内蔵し、使用ICを従来の4個から1個に削減した。一方、エントリーモデルはTN型有機配向膜HTPSとして初めてフルHDに対応できるようにした。どちらも画素ピッチは8.4μm、開口率は52%となっている。

FPD/PCB NEWS〜9月8日

NEC液晶テクノロジー 白色LED搭載5.7型TFT-LCDをリリース

  NEC液晶テクノロジーは、白色LEDバックライトを採用した産業機器用5.7型VGA TFT-LCDを発売する。輝度400cd/m2の標準モデル「NL6448BC18-01」と輝度800cd/m2の高輝度モデル「NL6448BC18-01F」の2モデルで、サンプル価格は前者が3万円、後者が3万5000円。11月からサンプル出荷する。

  白色LEDの採用により、標準モデルで1.8W、高輝度モデルで3.3Wと冷陰極管(CCFL)バックライト搭載パネルに比べ約5割に消費電力を低減した。また、垂直・水平とも160度の広視野角、1000:1の高コントラスト比、18msの高速応答を実現。さらに、−20〜+70℃という広い動作温度範囲を確保した。

FPD/PCB NEWS〜9月5日


▲世界PDP出荷動向(単位Kpcs) 出所:Displaybank
7月のPDP出荷枚数は日本勢が1年ぶりに韓国勢を逆転

 Displaybankの発表によると、7月のPDP出荷枚数は前月比3%増の118万枚となった。日本メーカーは62万2000枚を記録し、55万9000万枚だった韓国メーカーを1年ぶりに逆転した。

 第1〜第2四半期に不調だった日本メーカーは第3四半期に入ってこれまでの劣勢を挽回。とくに、日立プラズマディスプレイは32型HD(ワイドXGA)に新製品を追加したのが功を奏し、出荷枚数を増やしている。一方、韓国メーカーは7月から出荷枚数が大幅減もしくは前月と同水準となった。これは、ここにきてソニーやSamsung ElectronicsといったトップメーカーがPDPテレビの低価格化を加速し、2番手グループのPDPテレビ販売台数が減少しているため。つまり、2番手グループへの外販比率が高い韓国メーカーの出荷枚数が減少している。ただし、Displaybankでは「第3〜第4四半期には韓国メーカーの出荷枚数が増加し、再び韓国が日本を逆転する可能性が高い」と予測している。

FPD/PCB NEWS〜9月3日

三菱電機 白色LEDバックライト搭載の産業用8.4型/12.1型TFT-LCDを製品化

  三菱電機は、バックライト光源に白色LEDを用いた産業用機器用8.4型/12.1型TFT-LCDをを製品化する。8.4型はVGAとSVGAの2モデル、10.4型はXGAの1モデルで、12月からサンプル出荷する。

  白色LEDバックライトの採用により、CCFL(冷陰極管)を用いた従来製品に比べ8.4型で約5割、12.1型XGAで約1割の高輝度化を実現。インバーターによる高電圧駆動が不要のためノイズ対策コストが削減可能なほか、最終製品の安全設計が容易になる。このため、ノイズに敏感な医療機器や計測機器にも対応できる。バックライト寿命はCCFLの5万時間より長い6万時間。

  もちろん、従来パネルと外形寸法・取り付け穴位置・信号入力コネクタの位置を統一しているためリプレースも容易で、−30〜+80℃という広い動作保証温度範囲を実現している。

FPD/PCB NEWS〜9月2日


LG DisplayとAmTRAN 中国蘇州にLCDモジュール・LCD-TVの合弁会社を設立


  LG Display(韓国)とAmTRAN Technology(台湾)は、中国蘇州にLCDモジュール・LCD-TVの合弁会社「Suzhou Raken Technology Ltd.」を設立した。

 資本金は2000万ドルで、LGが51%、AmTRANが49%を出資。蘇州にあるAmTRANのTV工場内にLCD生産ラインを導入し、09年初めからLCDモジュールを年間300万枚、LCD-TVを年間500万枚生産する計画だ。

FPD/PCB NEWS〜9月1日

Novaled 有機CMOSトランジスタ用pn型ド−パントを発表


  独Novaledは、有機CMOSトランジスタ用p/n型ドーパント材料を発表した。

  有機ELデバイス用p/n型ド−パント技術を適用し、従来、p型で用いられてきペンタセン有機半導体をp型とn型双方の有機CMOSトランジスタに利用できるようにした。試作デバイスのキャリアモビリティは10-2cm2/V・secが得られたという。

SIIナノテク 局所の熱物性評価が可能なナノサーマル顕微鏡を発売


  エスアイアイ・ナノテクノロジー(SIIナノテク)は、100nm以下の水平分解能で局所の熱物性が評価できるナノサーマル顕微鏡「nano-TA2-S」を発売する。オプションとしてJIS規格に準拠して表面粗さを定量的に測定する表面粗さ計測オプション 「NanoNavi JS-1683」も同時発売する。

  nano-TA2-Sは、同社の環境制御型SPM「E-sweep」または高分解能小型SPM 「S-image」、米アナシス・インスツルメンツ社製コントローラ「nano-TA2」、プ ローブの先端部分を500℃まで加熱できるサーマルプローブから構成される。走査型プローブ顕微鏡として取得したサンプル画像から測定したい位置を特定し、100nm以下の水平分解能で局所加熱による熱機械分析を行う。これにより、微小領域のガラス転移、結晶性、融解温度、硬化度などを測定する。このため、例えばブレンドポリマーの分布や局所の熱物性分析、ナノメートルレベルの薄膜の熱物性測定などの評価 が可能となる。

  標準価格はプローブ顕微鏡を含んだシステムで約2500万円。年間10セットの販売を見込んでいる。