STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

FPD/PCB NEWS〜11月1日
 

東京大 プルシアンブルーの類似体ナノ粒子が表面増強ラマン分光法の基板に活用できることを解明

 東京大学大学院理学系研究科の合田圭介教授やLucasLandが率いる研究グループは、浮世絵にも使われた顔料で北斎ブルー・広重ブルーとも呼ばれたプルシアンブルーの類似体ナノ粒子が均一性、耐久性、蛍光消光性、保存性、生体適合性に優れた表面増強ラマン分光法(Surface-Enhanced Raman Spectroscopy:SERS)の基板として活用できることを解明した。

 プルシアンブルーに異なる金属を添加することで生成した結晶欠陥がSERSの発現に寄与することを発見した。金属の種類によってSERS性能が変化するため、結晶欠陥の生成を通したSERS性能が制御できる。また、このプルシアンブルー類似体ナノ粒子によるSERS基板は極めて高い増強率(108倍)を示し、生体分子などの超高感度分析へ応用できると考えられる。

FPD/PCB NEWS〜10月31日
 

富士電機と富士古河E&C 完全子会社化に関する株式交換契約を締結

 富士電機と富士古河E&Cは、富士電機を株式交換完全親会社、富士古河E&Cを株式交換完全子会社とする株式交換契約を締結したと発表した。富士古河E&Cにおいて12月26日開催予定の臨時株主総会の決議による承認を得たうえで、2025年2月3日を効力発生日として行われる予定。

FPD/PCB NEWS〜10月30日
 

岩崎電気 紫外線応用技術を用いた照射実験施設「EYE-UV Labo」をリニューアル

 岩崎電気は、各種UVランプやUV-LEDの照射実験を行う施設「EYE-UV Labo(埼玉県行田市)」のスペースを2部屋に拡張、新しい装置を導入しリニューアルしたと発表した。

 EYE-UV Laboでは、おもにUV領域の波長による光化学反応を活用しUVキュアや洗浄・改質を実験・評価。今回の拡張では、新たにSCAN LED照射装置とUV照射試験装置を導入。UV-LEDの特性を活かした単一波長と照射量をコントロールした実験だけでなく、複数の波長を組み合わせた混合照射実験も行えるように。また、365nm、420nm、470nmの波長を照射可能な光反応評価装置などの評価装置や各種分析装置も導入した。

FPD/PCB NEWS〜10月29日
 

富士フイルム 極端紫外線向け材料のEUVレジストとEUV現像液を販売

 富士フイルムは、先端半導体の製造プロセスに用いられるネガ型極端紫外線(EUV)向けフォトレジストとEUV現像液の販売を開始したと発表した。

 EUVレジストとEUV現像液の発売にともない、静岡と韓国平澤拠点に新たにEUVレジスト・EUV現像液の生産・品質評価の設備を増強する。

FPD/PCB NEWS〜10月25日
 

東北大と東京理科大 金属微粒子の表面構造制御で5倍近い水素製造触媒活性を実現

 東北大学多元物質科学研究所の根岸雄一教授、東京理科大学の川脇徳久講師とSakiat Hossain助教(研究当時)、同大学院修士課程の瀬良美佑氏、吉川咲良氏らの研究グループは、粒径1nm程度の極微細な金属ナノクラスターの表面構造を制御する合成手法を確立した。粒径1nm程度の金属微粒子の表面構造を制御する合成法を開発し、得られた新規ナノ物質を電極触媒に応用することでH2生成触媒活性を向上させることに成功した。

 これにより、従来のAuPt合金ナノクラスター触媒と比べ最大で5倍近いH2生成触媒活性を達成。原子レベルで制御可能な金属ナノクラスターのさらなる高活性化が可能になり、次世代エネルギー社会の構築が加速されることが期待される。

FPD/PCB NEWS〜10月23日
 

SCREENセミコンダクターソリューションズ 子会社の仏Laser Systems & Solutions of Europe SASUの全株式を住友重機械に譲渡

 SCREENホールディングスのグループ会社、SCREENセミコンダクターソリューションズは、完全子会社である仏Laser Systems & Solutions of Europe SASUの全株式を住友重機械工業に譲渡した。

 Laser Systems & Solutions of Europe SASUは、レーザーアニール装置を開発・製造・販売。譲渡額は非公表で、11月末に譲渡が完了する予定。

FPD/PCB NEWS〜10月22日
 

大日本印刷 ケミカルリサイクルPETを用いた透明蒸着フィルムを開発

 大日本印刷は、ケミカルリサイクルしたポリエチレンテレフタレート(PET)を使用した「DNP透明蒸着フィルムIB-FILM」を開発したと発表した。

 周知のように、ケミカルリサイクルは廃プラスチックを化学的に分解し、製品の原料として再利用する手法。廃プラスチックを物理的に粉砕で再利用するマテリアルリサイクルと異なり、化学的に分解して再度合成する過程で微細な異物が取り除かれるため、より衛生的でバージン樹脂と同等品質のリサイクル樹脂に再生できる。

同社は今回、この手法による再生プラスチックを使用しながら、食品、医療・医薬品、電子部品、機械部品のパッケージに求められる高い衛生性とバリア性を実現した透明蒸着フィルムを開発した。

FPD/PCB NEWS〜10月18日
 

弘前大 リサイクル可能で強靭な高分子材料の構造を放射光により解明

 弘前大学大学院理工学研究科の呉羽拓真助教らの研究グループは、強靭でありながらリサイクル可能な高分子微粒子材料の構造を評価し、強靭化メカニズムを解明した。

 この強靭な微粒子材料は機能性材料として何度も再利用できるため、幅広い用途で使用されている高分子材料への適用が期待される一方、どのように強靭性が形成されるのかが明らかになっていなかった。今回の研究では、放射光X線を微粒子フィルムに照射し散乱したX線を読み取ることで、微粒子接触面が厚さ数nm単位で絡まり合い、強くて壊れにくいフィルムのナノ構造に重要な役割を果たしていることを解明した。

FPD/PCB NEWS〜10月17日
 

AGCディスプレイグラス米沢とユーグレナ 化学強化廃棄塩を肥料原料としてリサイクル

 AGCディスプレイグラス米沢(ADY)とユーグレナは、車載ディスプレイ用カバーガラスの化学強化工程で発生する廃棄塩を肥料原料としてリサイクルすることに成功した。ADYで発生した廃棄塩をリサイクルし製造された肥料は、ユーグレナが販売する。

 両社は廃棄塩に高濃度の窒素・カリウムが含まれていることに着目、肥料原料としての活用を実現した。今後、AGCグループから排出されるすべての廃棄塩をリサイクルすることを目指し、焼却処理に伴うCO2排出や埋め立て処分による環境負荷を低減するとともに、国内の未利用資源活用により肥料原料の海外依存度を減少させることで国内肥料市場、ひいては国内農業の持続可能性に寄与していく。

FPD/PCB NEWS〜10月10日
 

三菱ケミカルグループ 半導体向け超純水製造用イオン交換樹脂の生産能力を増強

 三菱ケミカルグループは、九州事業所・福岡地区(福岡県北九州市)にある超純水製造用イオン交換樹脂の生産能力を増強すると発表した。

 九州事業所・福岡地区の既存設備のうち、精製を行う再生系設備を増強。2026年4月の稼働を目指している。

FPD/PCB NEWS〜10月9日
 

東京理科大 コポリマーミセルの構造と疎水性染料可溶化の相関性を解明

 東京理科大学理学部第一部応用化学科の大塚英典教授、同大学大学院理学研究科化学専攻の浅田匡彦氏らの研究グループは、ポリマーミセルを構造解析し、ブロックコポリマーミセルがコアシェル構造、ランダムコポリマーミセルがランダムコイル構造を形成していることを明らかにした。

 また、ブロックコポリマーミセルはランダムコポリマーミセルよりも染料の可溶化速度が遅く、多くの染料を可溶化するなど、優れた染料可溶化能力を有することを見出した。

FPD/PCB NEWS〜10月8日
 

島津製作所・産総研グループ 「島津製作所-産総研アドバンスド・ソリューション連携研究ラボ」を設立

 島津製作所、産業技術総合研究所グループ、AIST Solutionsは10月1日、産総研(茨城県つくば市)に「島津製作所-産総研アドバンスド・ソリューション連携研究ラボ」を設立した。設置期間は3年間。

 連携研究ラボは「プラネタリーヘルスを目指した革新的な技術・製品の開発と国際標準化」を目的に、まず二つの研究に取り組む。第一テーマ「先端的分析計測手法の国際標準化」では、国際的な標準や規格などのルール形成に戦略的に取り組むことでグローバルな競争力の向上を目指す。第二テーマ「新たな微生物探索システムの構築」では、有用物質を効率的に生産する微生物の迅速な探索手法・システムを構築し、農業・医薬品・食品・ヘルスケア・バイオものづくり分野などに展開。今後、両者は連携研究ラボを通してシナジーを創出できるテーマの探索を継続し、研究分野を拡大していく。

FPD/PCB NEWS〜10月3日
 

東京科学大と慶大 優れた光電子機能を持つペンタセン自己集合有機薄膜を開発

 東京科学大学総合研究院化学生命科学研究所/同自律システム材料学研究センター(ASMat)の福島孝典教授、福井智也助教、同物質理工学院応用化学系の福光真人大学院生、慶應義塾大学理工学部化学科の羽曾部卓教授らの研究グループは、さまざまな分子ユニットやポリマーを二次元構造へ集合化させる超分子足場を用いたアプローチによりペンタセンユニットが二次元集積化した有機薄膜を作製し、集合構造においてペンタセンが高速な一重項分裂と、それに続く高効率なフリー三重項生成の両方を発現することを見出した。

 一重項分裂は一つの励起一重項状態から二つの励起三重項状態が生成される現象で、原理的に一つの光子から二つの励起子を形成できるため、薄膜太陽電池や光電子デバイスの性能向上の観点から注目を集めている。固体状態で効率的な一重項分裂を発現させるためには、クロモフォア同士が互いに近接しながらもその周囲に一重項分裂の過程で生じるクロモフォアのコンフォメーション変化を許容する空間を確保する空間設計が必要だが、そのような集合構造を実現するための合理的な方法論は確立されていなかった。

 今回の研究では、三脚型トリプチセン超分子足場を用いたアプローチにより、効率的な一重項分裂の発現に求められるクロモフォア同士の「近接」とその周囲への「空間の確保」という二つの条件を同時に満たす配置へとペンタセンを二次元集積化させることに成功。これにより、クロモフォアの光電子機能を引き出す二元分子集合体の設計が可能となった。

FPD/PCB NEWS〜10月2日
 

トッパンフォトマスク 11月1日付で「テクセンドフォトマスク」に社名を変更

 トッパンフォトマスクは、11月1日より社名を「テクセンドフォトマスク(株)(英文社名:Tekscend Photomask Corp.)」に変更すると発表した。社名変更により、世界中のステークホルダーに対して先端微細加工技術を強みとする企業としての認知度を高め、その企業価値を浸透させることを目指す。

FPD/PCB NEWS〜10月1日
 

デンソーとローム 半導体分野で戦略的パートナーシップを検討

 デンソーとロームは、半導体分野における戦略的パートナーシップの検討開始で合意した。

 両社は、これまで車載向け半導体の取引きや開発を通じて連携。今後、信頼性の高い製品の安定供給の実現に加え、持続可能な社会に寄与する高品質・高効率な半導体の開発に関するさまざまな取り組みに向けてパートナーシップを検討する。

 なお、デンソーはこのパートナーシップを強固なものにするため、ロームの一部株式を取得する。