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JST推薦シーズ新技術説明会(3月11日) |
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3月11日、都内で「JST推薦シーズ新技術説明会(第4回ナノ・材料分野)」が開かれた。エレクトロニクス関連の講演2件をピックアップする。 CNW成長技術を応用して数層グラフェンを配列化成長 中部大学の河原敏男教授は、古くて新しいナノカーボンとして注目されるグラフェンの自己組織化配列プロセスについて発表した。
触媒レスで成膜・成長可能なカーボンナノウォール(CNW)の成膜技術を応用し、垂直方向にスタックした数層のグラフェンを成長させることに成功した。写真1のように、CNWはC2F6、CH4、CF4、CHF3といったメインガスとH2の混合ガスを13.56MHzのマイクロ波で分解するプラズマCVD法によってウォール状にランダム成長する。エレクトロニクスデバイスへ適用するため、基板上に溝を設けた後、プラズマCVD法によってCNWを触媒レスで配列化成長させた。この際、溝のエッジに電界集中することによって原料ガス濃度が増加し、エッジ部分に沿ってCNWが成長する仕組み。 この自己配列化プロセスによって成膜したグラフェン活性層を用いてFETを作製したところ、p型、n型として動作する両極性半導体動作を確認。さらに、プロセス条件を変えて配線材料用金属相として配列成長させることにも成功した。 縦型有機トランジスタによって短チャネル化を容易に
一方、大阪府立産業技術総合研究所の宇野真由美氏は独自開発した3次元有機トランジスタの研究成果を報告した。ここでいう3次元とは縦型を意味する。コンベンショナルな横型に代わって縦型にしたのは、@大電流化が可能、A短チャネル化によって高速応答化できる、という二つの狙いがある。 デバイス構造は図1の通りで、まずマスターモールドとして凹凸パターンを設けたシリコン基板上に感光性PET樹脂を塗布。ナノインプリント法によって樹脂基板上に凹凸パターンを転写し、UV照射することによりPET基板上に段差構造を設ける。この後、ゲートとゲート絶縁膜を成膜。続いて、DNTT(ジナフトチエノチオフェン)有機半導体を斜め方向から回転蒸着する。この後、ソース/ドレインメタルを垂直成膜する。この結果、段差の存在によってソースとドレインが自己整合的にセパレートされ、有機半導体によってチャネル化された3次元有機トランジスタができる仕組み。 容易に想像できるように有機半導体層の膜厚がチャネル長になるため、チャネル長を短くできるのが特徴で、試作デバイスではチャネル長を0.5〜0.8μmに設定。キャリアモビリティは0.3cm2/V・sながら3/A/cm2という大出力電流が得られた。また、もうひとつの狙いである応答性も8.3MHzと有機トランジスタとしては極めて高い値が得られた。 参考文献 |
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