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日本フォトファブリケーション協会第26回技術講演会(11月19日) |
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11月19日、都内で日本フォトファブリケーション協会第26回技術講演会「インクジェットシステムによるダイレクトパターニング技術の最新動向」が開催された。タイトル通りインクジェットプリンティング(IJ)法の技術動向をとりあげた講演会で、コニカミノルタIJからIJヘッド、富士フイルムからR&D用IJ装置が紹介された。講演のなかからトピックスをピックアップする。
コニカミノルタIJの西眞一氏は、「プリンテッドエレクトロニクスへの応用」と題して講演した。同社のIJヘッドはシェアモードピエゾ方式を採用。水系インク、溶剤系インク、UV硬化インク、油系インクなど多様なインクを吐出することができる。また、着弾均一性も液滴径20μmで10μm以内と高い精度を誇る。その根拠として示したのが電圧-液滴速度の関係。図1のように両者の関係はリニアになっており、電圧を高くするにしたがってPZTの変位量が変化して液滴速度が増加する。このため、印加電圧によって液滴の直進性を完全に制御することができる。 FPD向けの応用例ではLCDのポリイミド配向膜の塗布、ボールスペーサの定点配置、液晶材料の滴下(ODF:One Drop Fill)、マイクロカラーフィルタなどを紹介。配向膜ではすでに第8世代以降のマザーガラス採用ラインは従来のフレキソ印刷法を完全にリプレース。また、ボールスペーサの定点配置も従来のランダム散布に対してはブラックマトリクス上に定点配置できること、フォトリソ方式に対してはコストダウンが容易なことから量産採用されている。 解像度1200dpi、2048ノズルの次世代IJヘッドが登場 富士フイルムの井上斉逸氏は「研究開発用IJプリンタによるアプリケーション開発の実際」と題して講演し、R&D用IJ装置「ダイマティックス・マテリアル・プリンターDMP2831」について紹介した。DMP2831はIJ用インクやデバイス開発用のデスクトップマシンで、液滴量は10pLと1pLを用意。後者なら数十μm幅のファインパターンが描画できる。最大の特徴はワンタイムユースカートリッジヘッドを採用したことで、ユーザーは任意のインクをカートリッジに注射器で充填してセット。インク使用量はわずか1.5mLで、インク変更時にもヘッドの洗浄が不要である。もちろん、ノズル毎に電圧を個別制御して液滴均一性を高めるドット・パー・ノズル(DNP)機能も搭載している。 What's NEWはSAMBAヘッドと名づけた次世代ヘッドで、フルMEMSプロセスによりノズルピッチを21μm(1200dpi)にファイン化するとともに、ノズル数を2048個に増やした。このため、ファインパターンを高速で描画することができる。その実験成果として示したのがCu配線のパターニングプロセス。ガラスエポキシ基板に同社独自の金属捕獲材料をIJ印刷した後、金属触媒を塗布し、最後にCuを無電界メッキする仕組みで、金属捕獲層がメッキ核を捕獲するため選択メッキが可能になる。実際、実験ではL&S=60μm/200μmというファインパターンが得られた。 参考文献 |
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