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第5回レーザーディスプレイ技術研究会〜超小型プロジェクタとそれを支えるデバイス〜(2月8日) |
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2月8日、東京大学生産技術研究所で「第5回レーザーディスプレイ技術研究会〜超小型プロジェクタとそれを支えるデバイス〜」が開かれた。タイトル通り、レーザーディスプレイにとって最大のアプリケーションであるミニプロジェクタがメインテーマで、最終製品からインフラまで幅広い分野で講演が繰り広げられた。3件の講演をピックアップする。 NTTドコモの太田学氏は、携帯電話機の高機能化の一貫としてプロジェクタ機能について講演。近く携帯電話機のオプションとしてプロジェクタユニットを発売することを明らかにした。 同社はこれまで「CEATEC JAPAN」などで“プロジェクターケータイ試作機”を披露。ここにきてコンポーネントなどのインフラも整ってきたことから、まず最新機種「F-04B」のオプションユニットとして発売することにした。 プロジェクタユニットは光源にR/G/B LED、表示デバイスにDLP(Digital Light Processing)を使用。RGBそれぞれのLEDを1フィールドにつき1/3期間ずつ点灯する時分割方式によってカラー化する。解像度はワイドXGA(854×480画素)、照度は6lm(ルーメン)で、本体サイズは114(縦)×51(横)×16.4(厚さ)o、重さは99g以下を目指している。 このファーストモデルの売れ行きをみながら、今後、プロジェクタ機能をビルトインした携帯電話機の製品化も模索。さらに、安全対策がクリアされれば、光源に高効率な半導体レーザーを用いることも検討している。 レーザースキャン方式のスタンドアローン型も登場
一方、米Microvisionの新澤滋氏は米国で発売中のスタンドアローン型ピコプロジェクター「SHOWWX」を紹介した。SHOWWXはコンベンショナルなイルミネーション方式とは異なり、CRTと同様の原理でレーザービームを走査して1画素毎に描画するレーザースキャン方式を採用。具体的には、2軸でマイクロミラーを振動させて傾きを制御する2軸電磁駆動MEMSスキャナーによってレーザービームの反射強度をコントロールする。光源はRとBに半導体レーザー、GにはSHG(波長変換)レーザーを使用。 その表示原理からイルミネーション方式のように画素が固定されていないため、画像歪みをフレキシブルに補正することができる。また、投影距離によってレーザースポットサイズを自動的に変更するため、フォーカスフリーという特徴がある。さらに、投影角度が競合製品の30度程度に対し43度と広いため、より近い距離でより大きく明るい投影画像が得られる。 09年秋からOEM出荷をスタート。この3月からVodafone Spainによってスペインでリリースされるという。 コンパクトプロジェクタでも照度を100ルーメンに パナソニックの水島哲郎氏は、試作レベルながら照度100ルーメンというミニプロジェクターを開発したことを報告した。100ルーメンという照度を得るにはWクラスの出力が必要で、このため新たに緑色レーザー光源を開発した。
周知のように、いまだコンパクトかつ高効率な緑色半導体レーザーは実用化されていないため、内部共振器型波長変換レーザーを用いることにした。図2はその構成で、波長808nmの励起用半導体レーザー(Pump-LD)で固体レーザー結晶を励起する。この結果、固体レーザー結晶は波長1064nmの基本波レーザーを出力する。共振器内には波長変換素子(SHG-device)が設けられており、共振器内の基本波を波長532nmの緑色レーザービームに変換して出力する仕組み。 試作した緑色レーザーユニットは10×10×20oとコンパクトで、その体積は2ccに過ぎない。ピーク出力は1W以上で、15〜55℃の温度範囲で約20%という電気-光変換効率が得られた。これは、温度調節機器を用いずに広い温度範囲で高出力と高効率が維持できることを意味する。 上記の成果にもとづき、次にこの緑色レーザー光源ユニットを用いてモバイルプロジェクターを試作した。既存の赤色半導体レーザー(波長640nm)、青色半導体レーザー(波長445nm)と組み合わせるとともに、空間変調素子に0.21型SVGA対応LCOS(Liquid Crystal on Silicon)1枚を使用。フレーム中にRGBRGの順で点灯させるカラーシーケンシャル駆動によってカラー表示する仕組み。その照度は100ルーメン以上で、容積50ccと手のひらサイズながら50型クラスの大画面が投影できた。また、レーザー光源から表示面までのトータル光利用効率は35%、電力効率は20.3lm/Wに達し、モバイルプロジェクターでも通常プロジェクターに近いパフォーマンスが得られた。 参考文献 |
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